末梢血単核球を用いて2段階液体培養を行い造血機構の研究を行った.末梢血単核球を, FBS, PHA-LCMとともに7日間培養し (phase1), その前後で, 造血前駆細胞由来コロニーを
in vitro colony assayにより計測した.また, phase1にIL-3, IL-2, IFN-γ, Epo, SCFを添加し, その影響について検討した.Phasel培養終了後の非付着細胞をEpo, FBS, BSAとともに培養し, 7日目の培養細胞に含まれるヘモグロビン量を測定した.末梢血単核球にはCFU-E, BFU-E, CFU-GM, CFU-mixが存在した.Phasel培養によりCFU-Eは増加傾向, BFU-E, CFU-GM, およびCFU-mixは減少傾向を示した.Epo, IL-3の存在下で, CFU-E, CFU-GMは増加, BFU-Eは減少した.IL-2, IFN-γの存在下ではいずれのコロニー形成も抑制された.EpoとSCFとの共培養により, ヘモグロビン合成が著明に増加した.末梢血単核球を用いての2段階液体培養により造血能の評価が可能であり, 造血調節機構の研究に適した方法であると考えられた.
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