われわれは神経芽細胞腫 (stageIVA) に対し自家骨髄移植を施行後, 6カ月間繰り返し輸血を必要とした1歳4カ月の女児を報告する.Alプロトコールを3クール施行後, 原発巣の摘出術を行い, その後さらに化学療法を行った.前処置は大量化学療法と全身放射線療法施行で行った.骨髄移植後に好中球はday20に500/μl, 白血球はday21に1,000/μlを越えたが, 血小板, 赤血球の回復は悪く, 頻回の血小板輸血, 赤血球輸血を繰り返し必要とした.このために, M-CSFの投与をday107より開始した.M-CSF投与開始7日後, 浮腫がみられ投与を中止したが, 高血圧, 血尿, タンパク尿を一過性に認めた.腎機能回復後も高度の貧血が続き頻回の輸血が必要であった.血清エリスロポエチン値はhematocrit値に反応して産生が増加しないため不適切に低く, リコンビナント・エリスロポエチン投与は効果的で, 貧血は改善した.
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