本学の微生物学実習は,薬学教育モデル・コアカリキュラム(コアカリ)平成25年度改訂版におけるSBOsの「技能」項目に,大学独自の項目を加えて作成されたカリキュラムである.そこで本稿では,学生の技能習熟度および実習が座学科目へ与える影響を調べ,令和4年度改訂コアカリ下でも本実習が適するか検討した.微生物学実習後の学生に対して質問紙調査を行い,学生は技能項目の習熟度の申告とともに実習への取り組み姿勢や実習の感想などを回答した.その結果,およそ9割以上の学生が,コアカリの「技能」項目を補助があれば1人でできる程度に習得できていることが明らかとなった.また67.8%の学生が実習後に座学科目に対する興味が増加していた.本研究から,現行の実習内容は薬学生に必要な内容を網羅しつつ学修にはポジティブな影響を与えていることが示され,改訂コアカリ下においても十分に有用な実習であると考えられた.
福岡大学薬学部では,調剤実習に処方解析をテーマとしたグループワークを取り入れている.調剤実習で実臨床に近い調剤を体験することで,単なる手技の習得にとどまらず,学修者の様々な気付きを促すこと目標とした.今回,2024年度の調剤実習の効果を確認した.調剤に関する理解度は,全ての項目において実習後に有意に高まっていた.これまでの学修を調剤実習で活かせたと感じたことでは 「計算」,「薬」,「調剤」,「添付文書」等の語句が抽出語として確認できた.このうち「計算」,「薬」,「添付文書」は,勉強不足だと感じたこととしても頻出していた.今後調剤する際に意識したいことでは「患者」が頻出上位の1つであった.実践した調剤実習により,手技の習得に加え,個別最適化のための処方解析の重要性や,調剤を含めた薬剤師業務の中心には「患者」が存在することを,非臨床の空間にて経験してもらう機会となったことが確認された.
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