-
井上 信宏, 大野 修司, 山内 理恵, 久保 元, 山﨑 正博
原稿種別: 原著
2026 年10 巻 論文ID: e10003
発行日: 2026年
公開日: 2026/03/07
ジャーナル
フリー
HTML
電子付録
本研究では,薬学生が使用する認知的学習方略の相互の因果関係と経時的な変遷を明らかにすることを目的として,一私立薬科大学におけるある学年集団を6年間に渡り追跡調査した.その結果,大学入学当初の深い処理方略の使用傾向が,最終学年での使用に大きく影響すること,また深い処理方略は,浅い処理である反復作業方略による抑制的な影響を受けることが示唆された.さらに,反復作業方略とまとめ作業方略の使用は,個人差を伴いながらも6年間で徐々に減少することが本研究の対象集団において明らかになった.これらの知見から,高度な専門的内容を学修する薬学部において,学生がより効果的に学べるように導くためには,大学入学の早期から深い処理方略の重要性を認識させ,浅い処理の方略に過度に依存させないような学修支援が有効であると考えられた.対象集団の特性を考慮する必要はあるものの,本研究結果が薬学部における長期的な学修支援の基盤構築の一助になることを期待している.
抄録全体を表示
-
河合 洋, 大島 新司, 小島 裕, 高橋 直仁, 関 俊暢
原稿種別: 原著
2026 年10 巻 論文ID: e10004
発行日: 2026年
公開日: 2026/03/07
ジャーナル
フリー
HTML
電子付録
薬学生が薬剤師として大学教育の成果を生かした活動をするには薬剤師国家試験合格は必須であるが,その合格率は大学間で差が大きい.入学時の学力や大学での教育成果その他の要因が影響していると考えられる.薬剤師国家試験合格率と入学時試験学力の関連を解析し,薬剤師国家試験成績に対する大学教育の効果を定量する簡便な指標の算出を試みた.薬剤師国家試験合格率は入学時試験学力と強い相関を示した.入学時試験学力から予測される合格率と実際の合格率の差を大学在学期間の成長度の指標(大学教育効果,REPP)として算出し,その性質を解析したところ,REPPは入学時試験学力とは相関がなく,薬剤師国家試験成績や進級率と緩やかな相関を示した.また,薬剤師国家試験合格率予測精度を高める作用を示した.REPPは入学時試験学力とは弁別的な薬剤師国家試験成績の指標であり,薬系大学における教育の効果を測る指標として有用と考えられる.
抄録全体を表示
-
河合 洋, 大島 新司, 小島 裕, 高橋 直仁, 関 俊暢
原稿種別: 原著
2026 年10 巻 論文ID: e10005
発行日: 2026年
公開日: 2026/03/18
ジャーナル
フリー
HTML
電子付録
良質な薬剤師の供給を目指して薬系大学では様々な工夫がなされているが,薬剤師活動の前提となる薬剤師国家試験の合格率は大学間で差が大きい.薬剤師国家試験合格率は入学時の学力に強く規定されているが,大学における教育効果の影響も無視できない.入学時試験学力の影響を調整した指標を用いた大学間比較により,薬剤師国家試験成績に向けた大学教育効果と薬学教育評価結果との関連を解析した.数量化1類による解析では,医療人教育,成績評価,教職員組織の項目が大学教育効果と関連を示し,さらに上・下位層では自己点検の項目,下位層では実務実習,問題解決能力醸成教育など薬学教育カリキュラムに関する項目も関連を示した.また,試験対策偏重施策による薬剤師国家試験成績向上効果は検出されなかった.大学教育効果の向上には,医療人教育や問題解決能力醸成を含む幅広い教育および的確な成績評価を実践する教育姿勢の充実が重要と考えられる.
抄録全体を表示
-
近藤 福子, 池田 徳典, 中嶋 弥穂子, 内田 友二
原稿種別: 原著
2026 年10 巻 論文ID: e10006
発行日: 2026年
公開日: 2026/03/18
ジャーナル
フリー
HTML
電子付録
薬剤師の役割は多様化し,チーム医療や患者ケアへの積極的関与が求められている.将来的なワクチン接種業務への貢献を見据え,本研究では薬学部における筋肉注射実習の教育効果と,学んだ内容の実務実習への活用について,2021~2023年度の「実務実習事前学習(筋肉注射)」受講者364名および実務実習後アンケート回答者346名を対象に検証した.筋肉注射実習後,筋肉注射の知識,技術,実践に対する自信のいずれも有意に改善し,学部での筋肉注射実習の教育が効果的であることが示唆された.一方で,筋肉注射実習で学んだことを臨床での実務実習に活用できた学生は少数であった.しかしながら,注射手技の見学時の理解促進,注射製剤の違いへの理解深化,患者や医療者とのコミュニケーションに役立ったとの意見が得られた.そのため,今後はケーススタディや事前目標設定の導入を通じ,学部教育と実務実習を繋ぐ学びの連続性を高める教育的工夫が求められる.
抄録全体を表示
-
武田 香陽子, 平田 收正
原稿種別: 原著
2026 年10 巻 論文ID: e10007
発行日: 2026年
公開日: 2026/03/18
ジャーナル
フリー
HTML
継続的な薬学教育改革や臨床教育へのシフトに伴い,研究実績の低迷や大学院進学者減少といった問題が報告されてきた.この問題の解決のため,研究する上での障壁を明確にし,薬学教育モデル・コア・カリキュラム令和4年度版(2022 MCC)のG.研究能力における各学習目標の自己評価能力と,総合的な研究能力の自己評価との関連を評価することを目的とした.対象者は薬剤師の60%以上が従事している地域薬局または病院に勤務している者とした.薬剤師は431名(81.5%)が「研究は必要である」と回答し,476名(89.9%)が臨床現場での研究実施に障壁を感じていた.臨床能力育成のための学部教育の必要性は,465名(87.9%)が「必要である」と回答した.2022 MCCのGの学修目標と研究実施能力に関する自己評価の関連を評価したところ,すべての能力について自己評価は低かった.そのため,研究実施時に感じる様々な障壁に対する支援と研究能力育成のための学部教育の充実の必要性が明らかとなった.
抄録全体を表示
-
井出 名月, 堀 英生, 齊藤 将之, 舘 知也, 今井 大輔, 宮崎 剛, 今井 敬司, 塚本 知男, 服部 芳明, 林 きよみ, 鈴木 ...
原稿種別: 原著
2026 年10 巻 論文ID: e10016
発行日: 2026年
公開日: 2026/04/22
ジャーナル
フリー
HTML
本研究では,新しく開発した地域中核病院と市内薬局の連携を強化し,地域包括ケアシステムを進めるARCSモデルを取り入れた研修会の有効性を明らかにするため,薬局薬剤師を対象にアンケート調査を実施した.また,研修会によるトレーシングレポート(TR)送付枚数の変化,研修会で作成したチラシ及び薬局検索システムの活用状況について調査し,カークパトリックモデルに準じて評価を行った.結果,研修会が参加者の連携に対する意識や行動に変化を与え,連携強化に繋がるものであることが示唆された.また,TRの提出頻度の増加,記載内容の改善,並びにチラシ及び薬局検索システムの有効活用が認められ,カークパトリックモデルの4段階にまで到達した可能性が示された.以上より,本研修会の有効性が示唆された.他地域において本研修会を応用することにより,全国的に病薬連携が促進され,地域包括ケアシステムの推進に繋がると考える.
抄録全体を表示
-
丸山 剛, 亀井 大輔, 福村 基徳, 山本 仁美, 加藤 里奈, 小林 文, 小林 靖奈
原稿種別: 原著
2026 年10 巻 論文ID: e10017
発行日: 2026年
公開日: 2026/04/24
ジャーナル
フリー
HTML
目的:PBLなどのアクティブラーニングは学生の学修態度等の向上に寄与してきたが,新規学修内容の習得を主目的とする授業への導入には課題がある.本研究では,当該授業での学修意欲や知識習得等の向上を目的とし,シリアスゲームを導入した.方法:Kahoot!を用いたシリアスゲームを薬学部3年生に実施した.学生を対照群(従来型講義)とゲーム群(シリアスゲーム)に分け,授業前後にテストとアンケートを実施し,学修効果を評価した.結果:新規学修内容に関するポストテストにおいて,ゲーム群は対照群より有意に高い平均点を示した.また,ゲーム群の全学生が楽しさと集中を実感し,学修意欲等の向上が示唆された.考察:シリアスゲームは新規学修内容の習得を主目的とする授業における手法として有効となり得ることが示された.今後,協働的要素を強化することで,学修効果と長期的な知識定着の向上が期待される.
抄録全体を表示
-
栗坂 知里, 小林 秀昭, 秋山 晴代
原稿種別: 原著
2026 年10 巻 論文ID: e10041
発行日: 2026年
公開日: 2026/08/27
ジャーナル
フリー
HTML
薬剤師国家試験では,知識に加え技能・態度を含む総合力が求められるものの,その実体については漠然としていた.生成AIは知識問題に対しては高い正答率,技能・態度を含む問題に対しては正答率の低下が予想された.そこで本研究では技能・態度を含む総合力について考察することを目的に,Microsoft Copilotを用いて第110回薬剤師国家試験のうち病態・薬物治療科目および実務科目との複合問題を分析した.その結果,全体の正答率は78%(39/50問),必須と理論問題は100%(各15/15問),実践問題では病態・薬物治療科目60%(6/10問),実務科目30%(3/10問)であった.誤答要因として,①リード文や設問文中の制約条件,②知識の運用,③ガイドラインや添付文書における運用上の取り決めなど,が見いだされた.生成AIの誤答分析が技能・態度を含む総合力について理解するための目安となる可能性を示した.
抄録全体を表示
-
市川 智恵, 湯本 哲郎, 小田中 啓太, 木村 聡一郎, 石橋 芳雄
原稿種別: 実践報告
2026 年10 巻 論文ID: e10001
発行日: 2026年
公開日: 2026/02/13
ジャーナル
フリー
HTML
電子付録
本学の微生物学実習は,薬学教育モデル・コアカリキュラム(コアカリ)平成25年度改訂版におけるSBOsの「技能」項目に,大学独自の項目を加えて作成されたカリキュラムである.そこで本稿では,学生の技能習熟度および実習が座学科目へ与える影響を調べ,令和4年度改訂コアカリ下でも本実習が適するか検討した.微生物学実習後の学生に対して質問紙調査を行い,学生は技能項目の習熟度の申告とともに実習への取り組み姿勢や実習の感想などを回答した.その結果,およそ9割以上の学生が,コアカリの「技能」項目を補助があれば1人でできる程度に習得できていることが明らかとなった.また67.8%の学生が実習後に座学科目に対する興味が増加していた.本研究から,現行の実習内容は薬学生に必要な内容を網羅しつつ学修にはポジティブな影響を与えていることが示され,改訂コアカリ下においても十分に有用な実習であると考えられた.
抄録全体を表示
-
刀根 菜七子, 岩尾 卓朗, 髙田 芙友子, 田中 泰圭, 道具 伸也, 三島 健一
原稿種別: 実践報告
2026 年10 巻 論文ID: e10002
発行日: 2026年
公開日: 2026/02/26
ジャーナル
フリー
HTML
福岡大学薬学部では,調剤実習に処方解析をテーマとしたグループワークを取り入れている.調剤実習で実臨床に近い調剤を体験することで,単なる手技の習得にとどまらず,学修者の様々な気付きを促すこと目標とした.今回,2024年度の調剤実習の効果を確認した.調剤に関する理解度は,全ての項目において実習後に有意に高まっていた.これまでの学修を調剤実習で活かせたと感じたことでは 「計算」,「薬」,「調剤」,「添付文書」等の語句が抽出語として確認できた.このうち「計算」,「薬」,「添付文書」は,勉強不足だと感じたこととしても頻出していた.今後調剤する際に意識したいことでは「患者」が頻出上位の1つであった.実践した調剤実習により,手技の習得に加え,個別最適化のための処方解析の重要性や,調剤を含めた薬剤師業務の中心には「患者」が存在することを,非臨床の空間にて経験してもらう機会となったことが確認された.
抄録全体を表示
-
庄司 雅紀, 恩田 光子
原稿種別: 実践報告
2026 年10 巻 論文ID: e10011
発行日: 2026年
公開日: 2026/03/31
ジャーナル
フリー
HTML
本稿では,中学生を対象としたメンタルヘルスリテラシー教育に認知行動療法(cognitive behavioral therapy: CBT)の視点を取り入れた一実践を報告する.大阪の私立中学・高校で実施されている基礎薬学講座の一環として,中学2・3年生に対し,こころの健康,うつ病の理解,自動思考と感情・行動の関係,自動思考記録表を用いたセルフケア,相談先の情報を,60分間の講義とワークで提供した.講義終了後,無記名アンケート19件を分析したところ,難易度は「ちょうどよかった」が78.9%で最も多く,CBTを用いたセルフケアについて「役立ちそうだと感じた」が84.2%であった.自由記述からは,セルフケア技法への関心,うつ病への理解と偏見の修正,他者への接し方や相談先への気づきが確認された.本実践は,中学生へのCBTの基礎的枠組み導入とメンタルヘルスリテラシー向上に一定の有用性を示し,薬学教育者による学校現場へのアウトリーチの可能性を示唆した.
抄録全体を表示
-
三浦 基靖, 河本 小百合, 柏倉 康治, 内田 信也
原稿種別: 実践報告
2026 年10 巻 論文ID: e10019
発行日: 2026年
公開日: 2026/05/14
ジャーナル
フリー
HTML
薬学教育において臨床現場で必要とされるコミュニケーション能力の向上が求められている.そこで没入感を体感できる仮想現実(VR)に着目し,薬局窓口での医療面接に関するVRコンテンツを導入し,本コンテンツが学生にどのように受け止められるかを把握することを目的とした.高校生及び薬学生を対象に「臨場感」「行為主体感」「有用性」「臨床一致性」に関する評価を実施した.いずれも肯定的な評価が得られ,特に「臨場感」は85.1~97.9%,「有用性」は93.7~98.8%と高く,実務実習経験の有無に関わらず多くの学生が肯定的に評価した.自由記述の共起ネットワーク分析では,実習内容や学年によって関心の焦点が異なり,低学年は薬剤師と患者の関係,高学年は具体的な薬剤の使用法にも注目していた.これらの結果から,本VRコンテンツは薬剤師業務の理解を深め,臨場感を体験できる教育ツールとして活用できる可能性が示唆された.
抄録全体を表示
-
井上 信宏, 山内 理恵, 江上 佳那, 大野 修司, 久保 元, 山﨑 正博
原稿種別: 実践報告
2026 年10 巻 論文ID: e10022
発行日: 2026年
公開日: 2026/06/09
ジャーナル
フリー
HTML
電子付録
本研究は,私立大学薬学部の6年生に対し実施された,学習に関する任意の個人面談について,面談の前後で学生の「学習への不安感」がどのように変化するかをvisual analog scale(VAS)を用いて客観的に検証した一例である.本結果では,「学習への自信」「課題把握」「学習意欲」「学習への不安」の全項目において,面談は学生の不安感を有意に軽減させる効果を示していた.特に,極度に不安を感じている学生にとって,教員との面談は不安感の劇的な改善に繋がることが示唆された.また,薬剤師として必要な薬学知識の修得を確認する総合演習科目の試験前後で不安感が高まりやすくなることから,適切な介入タイミングの示唆が得られた.学生が援助要請に至るきっかけは学生のジェンダーのみでは説明できず,個人的な要因が複数関与し得るため,面談に至らない学生を支援へ接続する仕組みの整備が重要である.本報告は,薬学部における学生の援助要請行動に基づいた面談の実践例として,その有効性と課題を提示するものである.
抄録全体を表示
-
―過疎地域の中規模病院における効果検証―
鶴居 勝也, 栗原 祥吾, 荒木 遼太, 小川 紗知, 譲原 千広, 波多 晶子, 中澤 美樹子, 橋爪 和恵, 窪田 真弓, 田口 雅登
原稿種別: 実践報告
2026 年10 巻 論文ID: e10024
発行日: 2026年
公開日: 2026/06/09
ジャーナル
フリー
HTML
過疎地域の中小病院では研究活動に関する実践知の継承が困難であり,前報では公立南砺中央病院診療技術部職員の97.4%が研究活動に不安を抱えていること,また研究計画書作成や倫理審査対応など,薬剤師が研究遂行に必要な実践知の継承・共有に寄与し得る領域が存在することを示した.これらを踏まえ,当院では大学と協働し,薬剤師主導の多職種リカレント教育を試験的に導入した.本研究ではその効果を検証するため,研究計画,データ収集,統計解析,発表準備を段階的に支援する研修会を実施し,前後でアンケート調査を行った.研修前に職員の半数以上が挙げた6つの不安要因のうち4項目が有意に軽減し,学会発表回数は2022年の11回から2025年には16回へ増加した.薬剤師主導の多職種研修は,職員の不安要因の軽減と研究活動への関心を高める行動変容を生むことから,教育資源の限られた中小病院の研究支援方策としての有効性が期待される.
抄録全体を表示
-
緒方 憲太郎, 刀根 菜七子, 小迫 知弘, 松尾 宏一, 林 稔展, 山内 淳史, 安高 勇気, 三島 健一, 北島 研, 大田 博, 宮 ...
原稿種別: 実践報告
2026 年10 巻 論文ID: e10026
発行日: 2026年
公開日: 2026/06/19
ジャーナル
フリー
HTML
医療現場では質の高いチーム医療が実践されているが,さらに変化する医療と多様化する患者対応のために,医療者を目指す学生たちに対して,医療専門職としての資質と能力を涵養することが求められる.多くの医療系大学ではこれに応えるべく,卒前の多職種連携教育(IPE)を実施している.福岡大学では効果的なIPEの実践に向けて,ワークショップと事例検討を実施し,その直後に学生の認識をアンケート調査して,課題を抽出した.教育介入直後の反応を捉えた結果,薬学部,医学科および看護学科において,学生の認識に臨床経験が影響していることが考えられた.さらに薬学部生は,自身の役割や患者・医療スタッフを認識する力が他学科生に比べて十分に育まれていない,あるいはその獲得が遅れている傾向が示唆された.これらは実務実習において初めて培われるべきものではなく,今後,薬学部生が低学年次よりこれらを段階的に学ぶIPEの導入を検討していきたい.
抄録全体を表示
-
―研修前後のアンケート調査と英語力確認テストによる解析―
浅井 彰太, 吉井 圭佑, 阿蘓 寛明, 林 秀樹, Listen W. Benjamin, 豊村 隆男, 後藤 秀貴, 徳永 智典, 山西 ...
原稿種別: 実践報告
2026 年10 巻 論文ID: e10032
発行日: 2026年
公開日: 2026/07/10
ジャーナル
フリー
HTML
電子付録
本研究では,就実大学薬学部が開講する薬学海外研修の教育的効果を明らかにするため,2023年度オーストラリアのアデレード大学で実施したプログラムを対象に,参加学生にアンケート調査および英語力確認テストを実施した.研修後の総合満足度は平均8.9点(10点満点中)と高く,英語学修に対する意欲や自己肯定感の向上が認められた.英語4技能テストではすべての技能で得点率が上昇し,特にリスニングとスピーキングにおいて顕著な伸びを示した.英会話時間の長い学生ほど,研修前後におけるスピーキング得点の増加率が高い数値となった学生が多かった.また,「行動力・チャレンジ精神」「異文化理解」などの自己成長に関する記述が多かった.このことは,本研修が英語力向上のみならず,薬学教育モデル・コア・カリキュラムの目指す人材育成とも一致し,学修意欲や将来展望の形成にも寄与していることが示唆された.
抄録全体を表示
-
緒方 憲太郎, 安高 勇気, 刀根 菜七子, 小迫 知弘, 三島 健一, 神村 英利, 松末 公彦
原稿種別: 実践報告
2026 年10 巻 論文ID: e10040
発行日: 2026年
公開日: 2026/08/20
ジャーナル
フリー
HTML
福岡大学病院では,薬学実務実習に外来化学療法センターにおける看護師シャドーイングを導入し,薬学生の多職種連携に対する理解を深め,薬剤師の役割を再考して,その学びを実習に反映させる実習プログラムを構築した.本研究では,実習前後における薬学生の理解に関する自己評価を解析し,本プログラムの教育効果を検討した.その結果,評価したすべての項目において実習後のスコアは有意に上昇し,「看護師の役割」,「患者・家族の問題点を見いだすこと」,「薬剤師の役割」において顕著であった.さらにテキストマイニングの結果から,他職種のプロフェッショナルに触れることによって,薬学生の視野が広がり,多角的な問題抽出へとつながったことが考えられた.本プログラムは多職種連携に対する意識および臨床的視点の獲得に有効な教育法であり,多職種連携教育の重要性が高まる中,薬学教育における有用な教育手法の一つとなり得ると考えられる.
抄録全体を表示