薬学教育
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総説
  • 富澤 崇
    原稿種別: 総説
    2020 年 4 巻 2020-003
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/04/02
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    テクノロジーの進歩,制度改革,社会構造や価値観の変化を受け,薬剤師の職務内容や範囲,薬剤師の需給バランスが変わっていくと考えられる.したがって,薬学部出身者としての職業人生を豊かなものにするためには,将来に向けたキャリアデザインが必要である.しかしながら,薬学生・薬剤師はキャリアデザインの必要性を感じていないのではないだろうか.そこには,キャリア教育を充実させる意識が大学に欠けていることが根本的な原因として考えられる.その解決のためには,自己を知ること,労働市場を知ること,労働とは何か,キャリアとは何かなどを学習するためのカリキュラムを構築すること,薬剤師のキャリアに関する研究を推進すること,そしてキャリア教育の必要性を認知させるために,学会やメディアを通じて大学教員に啓発活動を行うこと,があると考えられる.

  • ―卒業後に職業を通じて社会で生きていくための教育―
    福島 統
    原稿種別: 総説
    2020 年 4 巻 2020-013
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/04/25
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    卒前医療者教育に職業教育の視点が含まれているだろうか.学生は卒前教育を受け,その知識と技能と倫理観を卒後のトレーニングで職場の中で学び続け,専門職業職者としてその役割を患者さんや地域住民という人たちに貢献していくことで,自分の幸せを得ていく.そのために,卒前教育では,学生が卒後のトレーニングとそのあとの生涯学習で学び続ける資質と能力を育てていかなければならない.人は,職業を通じ,自分の能力を他者貢献・社会貢献のために発揮し,他者や社会の役に立つことで生計を立てていく.自分の持っている知識と技能を何の目的に,どのように使うかという職業倫理が重要となる.人が社会とどのようにかかわり,社会に貢献するとはどのようなことかを卒前教育は教えていく必要がある.

誌上シンポジウム:Evidence-Based Medicine(EBM)教育:誰が,何を,どのように教えるか
  • 大津 史子
    原稿種別: 総説
    2020 年 4 巻 2019-031
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/04/24
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    医療において薬剤師は,個々の患者の医療上の問題を的確に識別し,介入し,最善最良の医療を提供する責任がある.そこで,名城大学では,医薬品情報学教育の目的を,薬学の各教科で得た知識を統合し,机上の知識を実際の医療に適用できる能力に高め,実際に医療を変革できる能力を育成することであると考え,カリキュラムデザインを行ってきた.これらの目的を達成するために,高い問題の識別能力と問題解決能力,具体的には,患者情報を評価する能力,的確な情報源を選択し,迅速に情報を収集し,的確に評価し,他の専門学問の知識を総動員し,対象に適用できる能力の育成が必要である.EBM教育は,この問題解決能力育成の基盤として複数の科目や実習で扱っている.本誌上シンポジウムでは,その中でも「医薬品情報学実習」,「薬物治療マネジメント」,「卒業研究基礎(文献講読セミナー)」に焦点をあて,効果的なEBM教育の組み込みについて紹介する.

  • ~兵庫医療大学における取り組み~
    上田 昌宏, 清水 忠
    原稿種別: 総説
    2020 年 4 巻 2019-033
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/04/24
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    本研究では,受講生が主体的に論文を評価し,論文データの活用を学習できるチーム基盤型学習(team-based learning: TBL)を取り入れた授業コースにより受講生の論文評価能力が向上するかについて検証を行った.TBL 1回目と2回目の個人準備確認試験(iRAT)を比較した結果,2回目のiRATの平均点が(1回目:4.60 ± 2.11,2回目:6.49 ± 2.11,平均点の差:1.88[95%CI, 1.45–2.31])向上した.アンケートの単純集計から,受講生はチーム議論よりも試験解説で論文内容を理解できたと評価し,EBMの理解においては応用課題演習が重要であると評価していることが示された.さらに,因子分析とiRATの結果から,論文を理解できたと自己評価した受講者はiRATの得点が高い傾向にあった.以上のことから,TBLを取り入れた論文評価学習コースは,EBM実践に必要な論文評価能力の向上に寄与することが明らかとなった.

  • ―設立背景とその影響
    青島 周一
    原稿種別: 総説
    2020 年 4 巻 2019-022
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/04/24
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    前景疑問に向き合う上で,EBM(Evidence-based Medicine)は優れた方法論の一つですが,臨床医学に関する継続的な学びを実践していくうえでも有用です.とはいえ,EBMスタイルで学ぶことにも,いくつかの障壁が存在します.本稿ではEBMスタイルでの学習を妨げている要因を考察しながら,その障壁を乗り越えるために設立された「薬剤師のジャーナルクラブ」の取り組み概要と,教育プログラムとしての有用性について論じます.

  • 高垣 伸匡, 水野 成人, 田内 義彦, 竹内 雅代, 福岡 敏雄
    原稿種別: 総説
    2020 年 4 巻 2019-032
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/04/24
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    Evidence-Based Medicine(EBM)は日本でも普及している医療従事者の行動様式,思考形式である.イギリスにはEBMの学習者を支援するCASP(Critical Appraisals Skills Programme)という組織が存在する.1999年に倉敷中央病院総合診療科兼研修医教育部長の福岡敏雄が日本支部としてCASP Japanを設立し,CASPワークショップをはじめ,EBM学習を提供してきた.内容は臨床疫学や教育手法など多岐にわたり,短時間で楽しんで学べるよう工夫されている.一方,日本において薬学生がEBMについての教育をうける機会は乏しいのが現状である.筆者らは2010年12月から,Student CASPと称する,学生を対象としたCASPワークショップを神戸薬科大学,同志社女子大学薬学部,摂南大学薬学部などで開催してきた.このうち神戸薬科大学でのStudent CASPワークショップの紹介,およびアンケート結果を若干の文献的考察を加えて報告する.

短報
実践報告
  • 三浦 健, 安井 菜穂美, 篠塚 和正, 三木 知博, 野坂 和人
    原稿種別: 実践報告
    2020 年 4 巻 2019-027
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/04/02
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    習熟度別講義において,通常,クラス判定テストによりクラス判定を実施することが多い.しかしこの方法は1回の試験でクラスを判定するため,運用上の種々の問題が存在する.これの解消に向けて,下級学年成績を用いた重回帰分析によって成績推定モデルを構築し,このモデルに基づき学生の推定点数を求め,これに基づきクラス判定を行う重回帰判定法を導入し,その評価を行った.本法の導入前後での成績分布の変化を検討したところ,下位学生の成績が向上している傾向が見出され,導入に先立ち行ったシミュレーション結果と一貫性がみられた.本法の導入により運用上の問題も解消したと考えられ,習熟度別講義におけるクラス判定に本法が有用であることが示された.

  • 土生 康司, 水谷 暢明, 宮田 興子
    原稿種別: 実践報告
    2020 年 4 巻 2018-039
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/18
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    基礎系分野が臨床的課題の理解へ繋がる思考プロセスを体験するため,ジグソー法を応用したトライアルを実施した.4,5年次薬学部生21名を3班に分け,班別に化学,薬理学,病態・薬物治療学の講義を行った.各班から1名ずつ3名の班へ組み直し,各自の学習内容を伝達し合う協調的学習を行った.その後,個人及びSGDで講義内容を応用する臨床的課題に取り組み,このSGD前およびトライアル終了後にアンケート調査を実施した.講義が課題を解く参考になったという学生の評価がポストアンケートで上昇し,講義は課題に繋がる内容設定と考えられた.また,SGDにより課題を解けたという評価が高く,グループ学習の有用性が示された.実施後アンケートで高い満足度,学習意欲向上が認められたのに加え,自由記述の感想で臨床的課題と「有機化学」「考える」との関連が得られ,本トライアルの参加者が分野横断的な思考プロセスを体験できたと考えた.

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