目的:医療的ケア児と家族の支援における保健師の役割と役割形成プロセスを明らかにする.
方法:政令指定都市保健センターの保健師8名に半構造化面接を実施し,修正版グラウンデッド・セオリー・アプロ―チ(M-GTA)を用い分析した.
結果:保健師の役割形成プロセスは《保健師としての立ち位置と自信の揺らぎ》,《低い自己評価による関わりの躊躇》を経て《自らを支援に向かわせる気づきの重なり》を得る中で《保健師の役割の自覚》に至った.保健師は地域を基盤に活動する強みを活かし【子どもの療育・就園・就学の支援】【家族の精神的支援】【地域のネットワークづくり】などの役割に力を発揮していた.
考察:医療的ケア児支援では,継続支援により【自信と肯定感の獲得】をしたこと,また【保健師だから担えることの気づき】【保健師の強みの気づき】【自らの保健師活動のコアの気づき】という活動のコアとなる気づきを得たことが保健師の役割形成を促す力となっていた.今後,保健師の「揺らぎ」を活動の活性化につなぐためのサポートとして,職場で支援目標の共有の必要性が示唆された.
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