日本公衆衛生看護学会誌
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最新号
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研究報告
  • 松浦 佳穂, 内村 利恵, 小寺 さやか
    2025 年14 巻3 号 p. 75-82
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/12/26
    [早期公開] 公開日: 2025/09/18
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    目的:育児期の母親のSense of Coherence(SOC)と父親の育児参加との関連を明らかにすること.

    方法:調査会社が保有するパネルデータを用いて,配偶者またはパートナー(以下,父親)と同居している1~2歳の子どもをもつ母親を対象に,匿名によるオンライン横断調査を実施した.調査内容は基本属性,日本語SOC-13,父親の育児参加(情緒的支援行動,直接育児行動,家事行動)であった.

    結果:分析対象となった331名のうち,約6割がSOC低群であった.二項ロジスティック回帰分析の結果,母親のSOCが高いことと有意な関連がみられたのは,父親からの情緒的支援が大きいことのみであった(OR=1.051,95%CI=1.016–1.088,P=0.004).

    考察:母親のSOCの高さには父親による育児や家事等手段的な関わりではなく,母親の話を傾聴する等情緒的な関わりが関連している可能性が示唆された.

  • 上田 愛, 三輪 眞知子, 江口 晶子
    2025 年14 巻3 号 p. 83-91
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/12/26
    [早期公開] 公開日: 2025/09/11
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    目的:糖尿病予防教室終了者の健康行動継続への思いを明らかにする.

    方法:教室終了後4か月以上健康行動が継続している者6名を対象に半構造化面接を行い,質的統合法(KJ法)により分析した.

    結果:健康行動継続の内的様相は,【家族と自分のためになる健康行動の喚起:将来の健康状態を決める食事と行動を選択】し,【自分のためになる健康行動の喚起:簡単で心地よく安上がりな食事と運動を選択】していた.一方,【継続への逃げ道:自己決定権の自覚による自責と罪悪感からの解放】を行いながら,【食生活改善の難しさ:対処法に誰にでも通用する王道はない】を感じていた.しかし,【継続の目標:最期まで健康を保ち人生を謳歌】するには【体重維持の難しさ:対処法は自分との戦い】との思いが,背後で作用していた.

    考察:対象者は,【体重維持の難しさ】という難局において,運動や食習慣における選択を,「どう生きるか」と結び付けていることが示唆された.

  • 小林 しのぶ, 帯包 エリカ, Aurelie Piedvache, 松山 春佳, 竹原 健二
    2025 年14 巻3 号 p. 92-100
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/12/26
    [早期公開] 公開日: 2025/10/18
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    目的:母子保健における2種類のアセスメントツール(妊娠・出産期用,乳幼児期用)の児童福祉との情報共有が必要なこどもや家庭を判断する精度を,架空事例を用いた調査により明らかにする.

    方法:34自治体の保健師らを対象に自記式調査票を用い,各架空事例の児童福祉との共有の必要性の観点からアセスメントツールを用い評価し,アセスメントツールの精度検証を行った.

    結果:117名からの回答が得られた.妊娠・出産期アセスメントツールの感度は85.2%,特異度は70.2%,曲線下面積(AUC)は0.87であった.乳幼児期アセスメントツールは感度80.0%,特異度73.9%,AUC 0.86であった.

    考察:妊娠・出産期および乳幼児期アセスメントツールは,児童福祉との共有の必要性を判断するツールとして良好な精度が示された.母子保健において支援の必要なこどもや家庭を早期に判断できるツールである可能性が示唆され,今後の実運用に向けたさらなる検証が期待される.

  • 佐藤 太地, 石田 千絵, 井口 理, 鈴木 良美, 山下 留理子, 嶋津 多恵子, 河西 あかね, 堀池 諒, 奥田 博子
    2025 年14 巻3 号 p. 101-109
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/12/26
    [早期公開] 公開日: 2025/11/01
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    目的:COVID-19発生時の新任期保健師の健康危機管理業務への対応を明らかにする.

    方法:2020年から2022年に就業しCOVID-19対応経験がある新任期保健師12名に半構造化面接を実施し,質的記述的に分析を行った.

    結果:【限られた準備の中で現場に入り,模索しながら実践を積んでいった】【助言や共有を通じて不安に対処し,職場に順応していった】【感染症対応と通常業務の両立を模索し続けた】【自身の特性や経験を活かして柔軟に対応した】【鳴り止まない相談やクレームの電話に対応し続けた】【学びの途中にありながら指導的な役割を担った】の6カテゴリーが抽出された.

    考察:COVID-19対応のように不確実性が高く,事実から即座に対応する状況では,PDCAサイクルよりOODAループの思考プロセスを用いていたと考えられ,その土台には周囲を信頼して状況判断できる職場環境が整っていたことが示唆された.

  • 楠 夏姫
    2025 年14 巻3 号 p. 110-121
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/12/26
    [早期公開] 公開日: 2025/10/10
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    目的:委託型地域包括支援センター(以下,包括)の看護職(保健師および看護師)が取り組む現任教育の現状とニーズを資格別に明らかにする.

    方法:2023年3~4月,広島県の全委託型包括の看護職に調査票を郵送し,無記名自記式・Web入力式により回答を回収した.調査内容は,基本情報,現任教育の取組状況,希望内容とその理由とした.

    結果:対象者167人中保健師61人,看護師41人から回答を得た(回収率61.1%).両資格者とも,業務研修,OJT,自己啓発の取組率は高かった.業務研修を除く包括看護職対象の保健活動に関する研修の参加率は低かったが,参加希望者は多かった.回答した保健師は保健活動スキル全般,看護師は実践的スキルの向上を求める傾向がみられた.

    考察:看護資格や職務経験等により異なる現任教育のニーズおよび配置人数等の業務環境を考慮した委託型包括看護職の現任教育プログラムの開発が必要と考えた.

国際委員会報告
広報委員会報告
専門家認証制度委員会報告
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