日本公衆衛生看護学会誌
Online ISSN : 2189-7018
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2 巻, 1 号
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巻頭言
研究
  • 上田 泉, 佐伯 和子, 河原田 まり子, 平野 美千代, 和泉 比佐子, 波川 京子
    2014 年 2 巻 1 号 p. 2-11
    発行日: 2014年
    公開日: 2016/02/09
    ジャーナル フリー
    本研究では,保健師がとらえる子ども虐待事例における父親の対人関係と行動の特性について明らかにすることを目的とした.研究方法は質的記述的法である.保健所及び保健センターに勤務している母子保健業務の経験5年以上の保健師に半構造化面接を実施し,語られた8事例を分析対象とした.結果,保健師がとらえる子ども虐待事例における父親の対人関係と行動の特性は,【家族と情緒的な関係を結ぶことが難しい】【父親役割,責任をとることが難しい】【家族以外の人との関係を求めることが難しい】【感情,考えを表出することが難しい】【自分勝手な行動をする】【社会性に欠ける行動をとる】【攻撃的な態度と行動をとる】の7カテゴリーにまとめられた.本研究より,父親自身を理解し,父親と援助関係を作ることの難しさ,父親が家族との関係を形成していくための支援技術を支援者が培うことが重要であることが示唆された.
  • 矢野 知恵
    2014 年 2 巻 1 号 p. 12-19
    発行日: 2014年
    公開日: 2016/02/09
    ジャーナル フリー
    目的:地域活動を促進するための行政保健師の地域活動態度の特徴を記述することを目的とした.
    方法:一県内に勤務する行政保健師485人に郵送法による無記名自記式質問紙調査を実施した.信念や動機などを含む地域活動への向かい方についての自由記述を質問項目に設定した.これらの項目に回答していたのは101人であった.データは,内容分析を用いて分析した.
    結果:288のテクストから48のサブカテゴリーと15のカテゴリーに分類し,3つのコアカテゴリーを抽出した.3つのコアカテゴリーは,組織内の支援関係と体制づくりを求める態度,保健師としての専門性を高める態度,自己承認と自己管理の態度という特徴であった.
    結論:地域活動を促進するための地域活動態度の特徴は,組織の中に認め合い共感し合える仲間や自分と同じ考えや態度を持つ人の存在と支持,継続的な自己学習と専門性の認識と個人の資質であった.これらは,保健師の地域活動の前提と考えられた.
  • ―北海道市町村を対象にした生態学的研究―
    蔵満 美奈, 木村 宣哉, 藤田 直人, 河原田 まり子
    2014 年 2 巻 1 号 p. 20-28
    発行日: 2014年
    公開日: 2016/02/09
    ジャーナル フリー
    目的:健康寿命と地域保健活動およびその他の要因との関連について明らかにすることである.
    方法:北海道の179市町村を対象とする2次資料を用いた生態学的研究を実施した.男女の各市町村の健康寿命を算出し,健康寿命と関連する要因を検討した.調査項目は,人口動態,社会経済的要因,保健医療環境,保健活動,保健師活動の5つのカテゴリーで設定した.男女別に,健康寿命と関連要因の相関分析を行い,最後に重回帰分析を行った.
    結果:市町村全体と人口1.2万未満で男女共に保健師数が健康寿命を説明する要因となった.男性では悪性新生物死亡率とがん検診受診率が健康寿命と関連があった.女性においても,全ての人口区分で保健師活動が説明要因となった.
    考察:男性では悪性新生物の早期発見・治療が健康寿命の延伸に関連する可能性が示唆された.女性では保健師活動が健康寿命の延伸に関連していることが示唆された.
活動報告
  • 浜崎 優子
    2014 年 2 巻 1 号 p. 29-37
    発行日: 2014年
    公開日: 2016/02/09
    ジャーナル フリー
    目的:本研究は,アセスメント能力と施策化能力の向上をめざした現任教育プログラムを実践し,その効果を検討することを目的とした.
    方法:保健師等専門職を対象に10か月間の現任教育プログラムを実施した.職場外研修と職場内研修を組み合わせ,事業を計画・実施・評価の枠組みで整理した課題到達表を用いた.プログラムの効果は,フォーカスグループインタビューとアセスメント能力,施策化能力,公衆衛生活動に対する遂行能力の3つの自己評価表を用いて検討した.
    結果:プログラム終了時のグループインタビュー結果から,プログラムの困難について3カテゴリー,学んだ内容について6カテゴリー,現場での活用について3カテゴリーが抽出された.3つの自己評価表は,いずれも終了時得点は開始時得点と比べて有意な差が認められた.
    結論:保健師等専門職の現任教育において,課題到達表を用いた本プログラムは,アセスメント能力と施策化能力に対する自己評価を高める可能性が示された.
第2回日本公衆衛生看護学会学術集会
学術集会長講演
シンポジウム
教育研修委員会報告
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