目的:本研究は,職域の定期健康診断の腹部超音波検査による脂肪肝有所見男性と非有所見男性の検査値,自覚症状,生活習慣等を比較し,脂肪肝有所見男性の特徴を明らかにすることを目的とした.
方法:都内の一事業所の定期健康診断で腹部超音波検査を受けた男性216人を対象に,脂肪肝有所見者群(114人)と非有所見者群(102人)の2群間で検査値と生活習慣等を比較した.
結果:脂肪肝有所見者群は非有所見者群と比較して,BMI,腹囲,血液検査の有所見の人の割合が統計的に有意に多く,20歳からの体重増減を自覚している人の割合が有意に多く,1回30分週2回以上の運動を1年以上実施している人の割合が有意に少なかった.また,脂肪肝有所見者群の中で特定保健指導の情報提供対象者は31人(31.6%)であった.
考察:脂肪肝有所見者への保健指導として,健診結果の検査値を対象者と確認すること,対象者が生活の中で運動習慣を身につけることを支援することの重要性が示唆された.また,特定保健指導の情報提供対象者についても,脂肪肝有所見の場合には個別や集団での保健指導の必要性が示唆された.
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