目的:向老期住民の認知機能低下予防行動(以下,予防行動)とその関連要因を明らかにすることである.
方法:A町在住の50~69歳2,400名を対象に,予防行動の実施有無と実施者の予防行動の内容,認知症予防への関心,認知症者との接触体験,行動変容への家族・友人のサポート等の無記名自記式質問紙調査を実施した.
結果:有効回答909名中,予防行動実施者は331名(36.4%)であった.実施者数が多い上位3つの予防行動の内容は,読書・新聞を読む,栄養バランスを考えて食べる,考えながら料理するであった.予防行動の実施には,女性,60代,未就労,認知症予防への高い関心,認知症者との接触体験,家族友人のサポートが有意に関連していた.
考察:予防行動実施者には行動の意味を価値づけて,継続を促す働きかけ,未実施者には実施者の具体的な予防行動の内容の紹介により身近なロールモデルを想起する働きかけが必要と示唆された.
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