日本公衆衛生看護学会誌
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巻頭言
研究
  • 羽尾 和紗, 蔭山 正子
    原稿種別: 研究
    2019 年 8 巻 3 号 p. 126-134
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/12/27
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    【目的】精神疾患を患う親をもつ子の生活体験,親の病気への気づきと対処,および,子ども時代に必要であったと思う支援を記述することを目的とした.

    【方法】20–50代の子6名にグループインタビューを行い,逐語録を質的記述的に分析した.

    【結果】研究協力者の精神疾患を患う親は,全て母親であった.子ども時代には《家で落ち着けない》《睡眠に支障が出る》《経済的に困窮する》《学業や交友関係に支障が出る》《家事を手伝う》《親に情緒的ケアをする》《親に医療的ケアをする》などの生活体験をしていた.病気への気づきと対処として《他の家との比較で気づく》《親が病気だと知るが状況は変わらない》《親が病気と知り重荷になる》などのカテゴリー,子ども時代に必要であったと思う支援として《病気の説明》《積極的な介入》というカテゴリーが生成された.

    【考察】子の生活体験は,親の精神疾患の影響を受けており,支援することで改善する可能性があると考えられた.

  • 森 礼子, 柳澤 理子, 永田 容子
    原稿種別: 研究
    2019 年 8 巻 3 号 p. 135-144
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/12/27
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    目的:より確実なDOTS の遂行を検討するために,フィリピン人結核患者特有の服薬治療中断リスク要因を明らかにする.

    方法:服薬中断したフィリピン人結核患者を担当した保健師7名に半構成的面接法によるインタビュー調査を行い,患者の服薬中断リスク要因を質的帰納的に分析した.

    結果:フィリピン人結核患者の服薬中断リスク要因は,国民性の違いや病気の受け止め方と受診習慣の違いからくる患者自身の気質・生育にかかわる要因,そして経済的困難から生じる不規則な生活,通院への負担感,服薬協力者がいない,言葉の障壁による意志疎通困難,在留外国人に対する健康管理体制の不整備からくる環境的服薬中断リスク要因であった.

    考察:フィリピン人結核患者が服薬中断しないためには,言葉での意思疎通を十分に図ること以外に,母国の文化や国民性の違いを理解すること,職場や日常生活の中での受療のしづらさを考慮した服薬支援の必要性が示唆された.

  • 長尾 奈美, 江﨑 ひろみ, 鳥居 順子, 入野 了士, 永井 さつき, 田中 美延里, 野村 美千江
    原稿種別: 研究
    2019 年 8 巻 3 号 p. 145-152
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/12/27
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    目的:向老期住民の認知機能低下予防行動(以下,予防行動)とその関連要因を明らかにすることである.

    方法:A町在住の50~69歳2,400名を対象に,予防行動の実施有無と実施者の予防行動の内容,認知症予防への関心,認知症者との接触体験,行動変容への家族・友人のサポート等の無記名自記式質問紙調査を実施した.

    結果:有効回答909名中,予防行動実施者は331名(36.4%)であった.実施者数が多い上位3つの予防行動の内容は,読書・新聞を読む,栄養バランスを考えて食べる,考えながら料理するであった.予防行動の実施には,女性,60代,未就労,認知症予防への高い関心,認知症者との接触体験,家族友人のサポートが有意に関連していた.

    考察:予防行動実施者には行動の意味を価値づけて,継続を促す働きかけ,未実施者には実施者の具体的な予防行動の内容の紹介により身近なロールモデルを想起する働きかけが必要と示唆された.

  • ―計量テキスト分析を用いて―
    石井 陽子, 二宮 一枝, 富田 早苗
    原稿種別: 研究
    2019 年 8 巻 3 号 p. 153-162
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/12/27
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    目的:児童相談所(以下,児相)における保健師の対人支援活動の特徴および対人支援能力を具体的に明らかにすることを目的とした.

    方法:児相経験保健師7人を対象に,個別の半構成インタビューを実施し,分析には計量テキスト分析と質的記述的分析を用いた.

    結果:児相保健師の対人支援活動の特徴は,「保健師を意識して児相で活動する」,「個と地域をみて支援する」,「児相職員としてチームで活動する」の3つがあり,それらの活動には,ラダーに示されるアセスメント力,支援力,調整力を中心に,保健師の基本的能力としての倫理観・責任感,コミュニケーションや協調性・柔軟性,独創性・積極性・発進力,アイデンティティが基盤となっていた.

    考察:実践能力の向上を視野に児相保健師の対人支援能力を捉えるには,アセスメント力,支援力,調整力のように能力を具体的に捉えること,そして基本的能力も含めた意図的な人材育成が重要である.

活動報告
  • 古塩 節子, 彦根 倫子, 田中 智子, 小野 聡枝, 北岡 英子
    原稿種別: 活動報告
    2019 年 8 巻 3 号 p. 163-171
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/12/27
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    【目的】自主的事例検討会参加が県保健師としての支援能力に対する意識・行動に及ぼした効果について明らかにする.

    【方法】平成26年7月から平成28年12月に30回開催した自主的事例検討会に参加した県保健師41人に,参加動機,参加後の個別支援に関する意識・行動等の質問紙調査を実施し,参加回数との関連について分析した.

    【結果】37人(有効回答率90.2%)から回答を得た.参加回数は,1回が5人(13.5%),2~5回23人(62.2%),6回以上9人(24.3%)であった.複数回参加することにより,県保健師としての役割がわかった等の学びがあり,支援能力の向上等を意識し,研修会や事業の中で事例検討を企画・実施していた.

    【考察】自主的事例検討会への複数回参加により,自らの学びのみならず,人材育成や市町村支援につながっていた.今後は事例検討会をOJTとして日常業務に位置付けることが重要であると考える.

  • 小野 若菜子, 麻原 きよみ, 小西 恵美子, 永井 智子, 三森 寧子, 川崎 千恵, 梅田 麻希, 江川 優子, 小林 真朝
    原稿種別: 活動報告
    2019 年 8 巻 3 号 p. 172-180
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/12/27
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    【目的】2011年の原子力事故において保健師は様々な困難に直面した.これまで保健師基礎教育において,体系的な放射線教育が実施されてこなかったことも要因として考えられる.そこで保健師基礎教育における放射線教育プログラムを作成して実施し,教育プログラムの有用性を検討した.

    【方法】対象は,大学院の保健師国家試験受験資格取得コースの保健師教育機関に在学中の大学院生8名であった.教育目的は「現存被ばく状況下の住民の生活や気持ちに配慮した対応・支援に必要な放射線についての知識を学ぶ」ことであった.演習,講義,事例検討,ロールプレイングを行い,質問紙調査を実施した.

    【結果】参加者は,放射線基礎知識やその活用方法を学ぶことができ,特にロールプレイングを通して住民のおかれた状況について理解が深まった.

    【考察】本教育プログラムは,保健師に必要な知識や技術を学ぶ教材として活用できる可能性があることが示唆された.

認証制度検討委員会報告
国際委員会報告
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