トリアジンを肥料を与えないで土耕した水稲に散布し, 2, 4, 8日後に, 第1, 2, 3葉位別にクロロフィル含量を測定したところ, 葉位別, 日数別には大差は認められなかつた。肥料を与えて土耕した水稲にトリアジンを散布し, 2, 4, 8日後に, 第1, 2, 3葉別に測定したところ, 散布2日目ではトリアジン散布区は無散布区にくらべてクロロフィル含量は少なかつた。4日目においては, プロトクロロフィルは大差なく, クロロフィル-aではトリアジン1250ppm散布区> 2500ppm散布区>無散布区の順, クロロフィル-bおよび総クロロフィル含量ではトリアジン1250ppm散布区>無散布区>2500ppm散布区の順だつた。8日目では, プロトクロロフィルはトリアジン2500ppm散布区>1250ppm散布区>無散布区の順で, クロロフィル-aおよび-b, 総クロロフィル含量はトリアジン1250ppm散布区>2500ppm散布区>無散布区の順であつた。葉位別には一定の明確な関係は見出せなかつた。トリアジンはクロロフィル-aおよび-bを増加させる傾向が認められるが, 高濃度になるとクロロフィル-bを減少させる傾向が認められたが, この傾向は時間が経過すれば弱まるものと思われる。
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