皮膚電位反応(SPR)と心電図R-R間隔変動係数(CVRR)を組み合わせた自律神経機能検査を, 身体症状を伴う心因性疾患の治療に利用した2症例について親告した。患児は心因性という診断には否定的で, 医師に対する不信感, 自分の身体の状態が理解できないという不安, 症状をコントロールできないという無力感が大きかった。そのため, 治長では, まず患児の身体症状を受容し, 症状への対処を積極的に行うことが必要であると考えられた。検査結果に沿った, 身体の状態および治療の意味の説明が, 息児の治療意欲を高め, 不安や無力感の軽減に対して効果的であった。そして`症状の改善が進んだ後, 患児は自然に自分の心理的問題に気づく傾向があった。
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