本研究は, 臨床における産褥期女性の心理・社会的側面に関するリスクを把握するためのスクリーニング用質問紙を開発し, その信頼性, 妥当性および有用性について検討したものである.対象は, 産褥3日目の母親804名のうち, 全回答のそろった736名であり, それらについて統計的分析を行った.質問紙は48項目からなり, 解答肢は記載時の主観的判断により, 1「全くない」〜5「非常に」の5段階尺度とした.因子分析の結果, 7因子を抽出した(累積寄与率47.7%).さらに, 7因子を基に29項目からなる7尺度8分類の心配尺度を作成した.29項目について再度因子分析を行った(累積寄与率57.8%).各尺度のCronbachのalpha係数は高い値であった.7尺度と出産歴, 計画妊娠などの要因との関連では, 初産婦, 非計画群は抑うつ気分, ボディイメージ尺度が有意に高かった.
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