東日本大震災において, 災害精神保健医療へ対応をするため多くのこころのケアチームが被災地で活動した. しかし, 全体の活動実績を分析すると, チームの活動内容や実績に大きな差が出たり, 必ずしも現地のニーズに対応できていなかったりと, 一部に非効率的な実態があることが明らかになった. これを受け, 厚生労働省は2013年4月に災害派遣精神医療チーム (Disaster Psychiatric Assistance Team : DPAT) を設立した. DPATが立ち上がったことで, これまでの震災時などの精神保健医療における活動内容が大きく変わるわけではないが, 公的な組織としての枠組みや統一した活動マニュアルを策定したことで活動方法が明確になることにより, DMATやJMAT, 日本赤十字社などの他の医療機関, 自衛隊, 消防, 警察などの他省庁との連携が効率的に行われ, 被災された方々, 支援している方々への適切な支援につながることが期待される.
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