4カ月健診腎エコースクリーニングの基準につき検討した。対象は千葉市4カ月健診受診児2,806名 (男1,435, 女1,371)。中心部エコー (CEC) 解離6mm以上・長径左右差10mm以上・腎長径-3SD以下を経過観察・精査。1次有所見者2.7%, 精査有所見率0.64%。CEC解離6mm以上1.7%のうち, SFU2度以上0.86%で腎盂尿管移行部狭窄 (UPJS) 6名, 巨大尿管症2名, VUR2名発見され, UPJS, 両側巨大尿管症各1名手術 (各々SFU3, 4度, 後者は腎不全に進行する可能性あり)。腎長径-3SD以下0.36%, 長径左右差10mm以上0.57%中, 低形成腎3名 (1名両側VUR), 重複腎盂尿管1名を発見。1次エコー1側腎欠損4名中1名は偏位回転低形成腎・両側VUR IV度で手術施行。閉塞性腎疾患はSFU2度以上に発見, 3度以上に手術適応例があり, 偽陽性を減らすためにも, SFU2度以上のスクリーニングが適当と考えられた。さらに, 重複腎盂尿管・低形成腎・手術を必要とする高度VURの発見率を増すため, 左右差+3SD (9mm) 以上, 腎長径-3SD以下のスクリーニング・follow up・精査を徹底すべきである。
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