シクロフォスファミドパルス(IVCY)とメチルプレドニゾロンパルス(MPT)の併用療法は重症ループス腎炎に非常に有効であるが,年単位で大量・長期投与した場合,重篤な副作用が高率に発症する。一方,ミゾリビン(MZB)は,安全に長期投与が可能であるものの,単剤による効果は限定的である。
われわれは,4例の小児の重症ループス腎炎(組織像がIIIまたはIV型で腎機能障害を伴う)の寛解導入療法として少量・短期のIVCY(500mg/m
2を月1回,6ヵ月)とMPT(20mg/kg/dayを2~3クール)およびMZB(4~5mg/kg/day,朝食前1回投与)の3剤併用療法を施行した。この寛解導入療法により全例,腎機能障害や低補体血症の改善,蛋白尿の消失が得られ,約6ヵ月後に腎生検を施行した3例では活動性病変の消失を確認し得た。
今後,長期の経過観察が必要だが,重症小児ループス腎炎の寛解導入療法として少量IVCY,MPTおよびMZBの3剤併用は有効な治療法になりうると思われた。
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