症例は14 歳女児。微熱と咳嗽が出現後,5 日目に肉眼的血尿を認めたため前医を受診し, 腎機能障害(Cr 1.7 mg/dℓ)を指摘され当科に入院した。入院時,血尿,蛋白尿および腎機能障害(eGFR 45.0 mℓ/min/1.73 m
2)を認めたが,高血圧や尿量減少,低補体血症はみられなかった。発熱,咳嗽の原因がマイコプラズマ肺炎と考えられたことから,本感染症による慢性腎炎の急性増悪を考慮したものの,肺炎改善後も血尿,蛋白尿,腎機能低下が遷延した。尿細管障害(尿中β2MG 45,400 µg/ℓ)も認めていたことから,確定診断のために腎生検を行った。組織は,軽微なIgA 腎症を伴った急性間質性腎炎で,急性尿細管壊死が認められた。腎機能障害,尿細管障害は自然経過で改善し,マイコプラズマ感染症が急性間質性腎炎の発症に関与した可能性が考えられた。
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