日本小児腎臓病学会雑誌
Online ISSN : 1881-3933
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33 巻, 2 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
ご挨拶
原著
  • 稲熊 洋祐, 貝藤 裕史, 斎藤 敦郎, 長谷川 大一郎, 小阪 嘉之, 田中 亮二郎
    原稿種別: 原著
    2020 年 33 巻 2 号 p. 115-122
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/15
    [早期公開] 公開日: 2020/09/02
    ジャーナル フリー

    造血幹細胞移植(HSCT)による重篤な合併症の一つに腎障害がある.急性腎障害(AKI),慢性腎臓病(CKD)はともに生命予後や生活の質に大きな影響を及ぼす.今回,当院で血液疾患に対して同種造血幹細胞移植を受けた小児患者 72 例における HSCT 後の AKI と CKD の発症率およびリスク因子の特定を目的として,後方視的に検討を行った.AKI の発症率は 59.7% で,うち 2 例(4.7%)が腎代替療法を要した.HSCT 後の AKI のリスク因子は骨髄破壊的前処置(MAC) であった.一方,CKD の累積発症率は 18.2%で,うち 1 例(10%)がstage 3 であった.CKD のリスク因子は HSCT 後の AKI であった.小児の HSCT 後の AKI と CKD の発症率は決して低くない.HSCT 患者に対しては小児腎臓病医も積極的に介入し,AKI の予防と進行抑制に努めるべきである.

  • 眞戸原 晴香, 池田 弘之, 櫻井 彩子, 土持 太一郎, 寺田 和樹, 古舘 和季, 植木 英亮, 野口 靖, 森 一越, 川村 研, 張 ...
    原稿種別: 原著
    2020 年 33 巻 2 号 p. 123-129
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/15
    [早期公開] 公開日: 2020/09/24
    ジャーナル フリー

    【背景】2019 年に尿蛋白定量法をピロガロールレッド(PR) 法から塩化ベンゼトニウム(BC) 法に変更後,尿蛋白/尿クレアチニン(Cr)比 0.15 g/gCr 以上の症例が増加したため,原因究明を目的とした.【方法】2017 年 4月より 3年連続して,年 1 回以上,当院で検尿を行った小中学生のうち,診断名が尿異常なし・無症候性血尿の症例を対象とし,早朝尿の尿蛋白/尿 Cr 比等を調べた.【結果】対象は 74 人(男性 22 人,女性 52 人,2019 年時の年齢の中央値 12.3 歳)であった.尿蛋白/尿 Cr 比の中央値は,PR 法を用いた 2017,2018 年度(各々 0.09,0.08 g/gCr)に対し,BC 法を用いた 2019 年度は 0.14 g/gCr と高値であった.【結論】BC 法を尿蛋白定量に用いた場合,PR 法と比較し尿蛋白/尿 Cr 比は高くなる傾向にあった.尿蛋白/尿 Cr 比を評価する際,尿蛋白定量法にも注意する必要がある.

  • 宮崎 紘平, 塩谷 拓嗣, 大島 理奈, 森本 優一, 宮沢 朋生, 岡田 満, 竹村 司, 杉本 圭相
    原稿種別: 原著
    2020 年 33 巻 2 号 p. 131-137
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/15
    [早期公開] 公開日: 2020/10/26
    ジャーナル フリー

    早産・低出生体重児関連腎症の腎組織像は寡少糸球体,巣状分節性糸球体硬化(focal segmental glomerulosclerosis: FSGS) を主な特徴とする.病理像がミトコンドリア(Mt)腎症の組織像と類似することから,病態形成に Mt 障害が関与すると考えられている.今回,早産・低出生体重の出生歴を有した 8 例を対象に,Mt 障害の指標として COX4,TFAM を含む組織評価を行い,臨床像との関連性を検討した.腎組織では,平均糸球体数は 3.2 個/mm2,5 例で糸球体が寡少で,4 例で FSGS を認めた.7 例の尿細管上皮細胞で Mt 障害を示唆する顆粒状腫大を認め,同部位に一致して COX4 はモザイク染色を呈した.高度な尿細管間質障害を認めた 1 例で TFAM の発現が低かった.電顕では,6 例でクリステが消失した異常 Mt の集積を伴う糸球体上皮細胞の腫大を認めた.本研究により,低出生体重児における腎障害に Mt 障害が関与した可能性が示唆された.

症例報告
  • Takahiro Tominaga, Sayu Omori, Midori Awazu
    原稿種別: Case Report
    2020 年 33 巻 2 号 p. 139-142
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/15
    [早期公開] 公開日: 2020/06/26
    ジャーナル フリー

    Non-steroidal anti-inflammatory drugs have been associated with hypertension in adults. We report an infant who developed hypertension after indomethacin use for patent ductus arteriosus. The patient was delivered at 31 weeksʼ gestation. Patent ductus arteriosus was detected on day 2. Indomethacin was given intravenously from day 2 to day 6. The ductus arteriosus was closed on day 7. On day 8, urine output decreased and serum creatinine increased. With fluid restriction, however, body weight remained the same from day 7 to day 14. Blood pressure increased to 82/41 mmHg on day 13 and became 90/58 mmHg on day 14 despite an increase in urine output. Cardiac ultrasonography suggested high afterload. With the use of nitroglycerin, blood pressure normalized on day 17. While non-steroidal anti-inflammatory druginduced hypertension in adults has been ascribed to renal vasoconstriction and resultant sodium retention, the major cause of hypertension in our case was thought to be high afterload due to increased peripheral vascular resistance presumably secondary to decreased synthesis of prostaglandin I2.

  • 三﨑 陽太郎, 熊谷 雄介, 新垣 智也, 平口 雪子, 大和 謙二, 野口 勇樹, 楠田 梨沙, 嶋津 啓二, 田中 敬雄, 山崎 夏維, ...
    原稿種別: 症例報告
    2020 年 33 巻 2 号 p. 143-148
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/15
    [早期公開] 公開日: 2020/06/19
    ジャーナル フリー

    小児の難治性腹水では,水分や塩分の制限などの一般的治療や利尿剤などの薬物療法以外に有効な手段に乏しい現状がある.今回,小児がん患者の難治性腹水に対して改良型腹水濾過濃縮再静注法(KM-CART)を施行し, 効果的な症状緩和と QOL の改善が得られた 2 例について報告する.症例 1 は 13 歳男児.線維形成性小円形細胞腫の治療中,難治性腹水により抗腫瘍療法が継続困難であったが,KM-CART を 1 回施行した後より腹水は消失し,治療を再開できた.症例 2 は 3 歳男児.膵腺房細胞がんの治療後,緩和医療へ移行されていたところ,難治性腹水による諸症状により QOL が著しく阻害されていた.2 週間毎に KM-CART を 4 回繰り返し行い,症状が緩和された.KM-CART は小児においても難治性腹水に苦慮する症例では考慮されるべき治療法であると考えられた.

  • 後藤 美和, 小林 杏奈, 金井 宏明, 喜瀬 広亮, 星合 美奈子, 沢登 恵美
    原稿種別: 症例報告
    2020 年 33 巻 2 号 p. 149-155
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/15
    [早期公開] 公開日: 2020/07/17
    ジャーナル フリー

    ネフローゼ症候群(nephrotic syndrome: NS)の治療中に,心筋肥厚を認めた 1 例を経験した.グルココルチコイド(glucocorticoid: GC)投与により心筋肥厚が増悪し, 中止により軽快したことから心筋肥厚に GC が関与したと考えられた.心筋肥厚は GC 中止により改善傾向にあったが,初診から 5 年後に再度増悪し,最終的に患児は肥大型心筋症と診断された.本症例には心筋症の家族歴があり,こうした心筋疾患の素因を有する症例では, 高用量プレドニゾロン投与時に急速に心筋肥厚が増悪する可能性があるため,高用量のステロイド投与中は心機能評価をスクリーニングすることが望ましいと考えられた.

  • 笠置 俊希, 真島 久和, 笠原 克明, 後藤 芳充
    原稿種別: 症例報告
    2020 年 33 巻 2 号 p. 157-161
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/15
    [早期公開] 公開日: 2020/07/16
    ジャーナル フリー

    スルファメトキサゾール・トリメトプリム製剤(ST 合剤)は尿細管でのクレアチニン(Cr)分泌を阻害するため, クレアチニンクリアランス(Ccr)は低下する.症例は 9 歳女児.4 歳時に右副腎が原発の神経芽腫と診断され, 集学的治療が行われた.治療終了後,感染を繰り返すため,ST 合剤の予防内服をしていた.集学的治療の経過中に薬剤性の Fanconi 症候群を発症し,治療終了後に腎機能も低下してきた.Cr,シスタチン C, β2-ミクログロブリンに基づく推定糸球体濾過量に乖離があり,正確な腎機能を評価するため,イヌリンクリアランス(Cin)を行った.本来,糸球体濾過量は Ccr より低くなるが,2 時間Ccr とCin は各々,22.1 ml/分/1.73 m2 と近似する結果となった.ST 合剤を内服したことで尿細管での Cr 分泌が阻害され Ccr が低下したことにより Cin の値に近似したと考えられる.

  • 中崎 公隆, 諸橋 環, 清水 翔一, 河村 研吾, 高橋 昌里, 森岡 一朗
    原稿種別: 症例報告
    2020 年 33 巻 2 号 p. 163-167
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/15
    [早期公開] 公開日: 2020/07/17
    ジャーナル フリー

    症例は 9 歳男子.腹痛発作を主訴に受診し,左腎に高度の水腎症を認めた.当初無機能腎として腎摘出術も検討されたが,腎実質障害は可逆性と判断し腎盂形成術を実施したところ,著明な腎機能の改善が得られた.高度な水腎症で検査上無機能と判断される場合でも,不可逆性の組織変化を来す病態以外では腎温存術を検討する必要がある.

  • 川上 雄平, 平野 大志, 徳永 愛, 武政 洋一, 梅田 千里, 三輪 沙織, 掛川 大輔, 山田 哲史, 伊藤 亮, 井田 博幸
    原稿種別: 症例報告
    2020 年 33 巻 2 号 p. 169-174
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/15
    [早期公開] 公開日: 2020/07/28
    ジャーナル フリー

    1991 年以降,臍帯潰瘍と先天性上部消化管閉鎖の関連についての報告が散見されており,臍帯潰瘍からの出血による死亡例や重篤な後遺症を残した症例報告も存在する.しかし,出血を来すと救命が非常に困難となる本疾患について,周産期分野での認知度はまだ低く,腎病理学的検討もなされていない.今回我々は,臍帯潰瘍からの出血を来していたが,早急な腎代替療法の導入により救命でき,最終的に腎代替療法を離脱した新生児例を経験したので報告する.本症例では合併症である先天性十二指腸閉鎖症に対する手術の際に腎組織の採取も行い,病理組織像より臍帯潰瘍による急性腎障害が循環不全に伴うものであると判明した.臍帯潰瘍からの破綻出血は致死的であるが事前予測は困難である.したがって,救命率の向上には周産期分野での認知度の向上と腎代替療法を含む集学的医療を提供できる環境の整備が必要である.

  • 飛田和 えりか, 秋岡 祐子, 武者 育麻, 荒尾 正人, 徳山 研一
    原稿種別: 症例報告
    2020 年 33 巻 2 号 p. 175-181
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/15
    [早期公開] 公開日: 2020/08/03
    ジャーナル フリー

    症例は 12 歳男児.右側腹部痛を主訴に入院した.超音波検査で右上部尿管の尿管結石を認め右水腎・水尿管症を伴っていた.また,両側腎杯に多発する腎結石を認め,シスチンの尿中排泄増多からシスチン尿症と診断した.腎シンチグラフィでの集積低下とレノグラムでの高度機能低下から尿路閉塞による右腎の急性腎障害(AKI) と診断した.十分量の輸液と,クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム水和物配合製剤とチオプロニンの内服を開始し,第 5 病日に自然排石を認め,腎シンチグラフィの集積像は正常化した.退院後,治療コンプライアンスが不十分で,尿中シスチン濃度の管理目標を維持できずに経過し,5 か月後に右尿管結石を再発した.腎シンチグラフィでは尿路閉塞に伴う AKI を再度認めた.自然排石を認めず右経尿道的結石除去術を行った.尿路閉塞を反復するシスチン尿症は慢性腎臓病(CKD)の発症リスクが高い.CKD 対策には患者教育と治療効果の適正なモニタリングが重要である.

  • 高橋 匡輝, 金本 勝義, 小林 雅代, 升田 真依, 北村 博司, 松村 千恵子
    原稿種別: 症例報告
    2020 年 33 巻 2 号 p. 183-190
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/15
    [早期公開] 公開日: 2020/08/03
    ジャーナル フリー

    MPO-ANCA 陽性の Goodpasture 症候群の 10 歳男児例を経験した.当科入院 2 週間前からの倦怠感,食思低下を契機に腎機能障害(Cre 8.19 mg/dl),抗 GBM 抗体・MPO-ANCA 陽性,さらに胸部 CT にて肺出血を示唆するスリガラス状陰影が発見され,前医より当科転院となった.血漿交換療法(PE)およびステロイドパルス療法にて肺病変の消失と抗体価の陰性化を認めたが,腎機能は改善しなかった.腎生検にて 98%の糸球体に硬化病変を認め,IgG が GBM に線状に沈着していた.夜間腹膜透析を導入し,PSL と MMF の 2 剤にて維持療法をしたが,治療開始 1 年後も再燃を認めず経過している.本児は入院時に末期腎不全であったが,肺出血を生じていたため PE や免疫抑制療法といった積極的治療を行った.比較的高い再燃リスクを考慮し,抗 GBM 抗体とANCA の両者陽性例に対しては長期的な維持療法が考慮されるべきである.

  • 鈴木 大次郎, 熊谷 直憲, 近藤 朋実, 松本 祐嗣, 横井 克幸, 中島 葉子, 伊藤 哲哉, 池住 洋平
    原稿種別: 症例報告
    2020 年 33 巻 2 号 p. 191-195
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/15
    [早期公開] 公開日: 2020/08/07
    ジャーナル フリー

    1 型糖尿病の糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)の際に一過性の Fanconi 症候群を生じた症例を経験した.5 歳男児,多飲,多尿,活気不良,高血糖のため入院した.1A 型糖尿病に伴う初発の DKA と診断した.生理食塩水を負荷後,インスリンの持続静注を開始し,入院 24 時間後の時点で DKA から離脱し,インスリン皮下注へ変更した.入院時の検査所見で,尿中β2-MG 高値,代謝性アシドーシス,低リン血症を伴う尿細管リン再吸収率低値,汎アミノ酸尿が認められ,代謝性アシドーシスは, AG 正常性と AG 開大性の両者の代謝性アシドーシスが混在していた.発症後 1 か月の時点で尿細管機能障害は軽快し,一過性の Fanconi 症候群と考えられた.DKA の際には一過性の Fanconi 症候群を生じており,低リン血症や代謝性アシドーシスの評価や治療法の選択には,尿細管機能障害による影響を考慮する必要がある.

  • 稲葉 泰洋, 濱田 陸, 原田 涼子, 橋本 淳也, 久保田 亘, 寺野 千香子, 三上 直朗, 幡谷 浩史, 黒田 淳平, 水口 卯生子, ...
    原稿種別: 症例報告
    2020 年 33 巻 2 号 p. 197-202
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/15
    [早期公開] 公開日: 2020/08/07
    ジャーナル フリー

    先天性腎囊胞性疾患を合併する疾患は多岐にわたり,時に確定診断が難しい.先天性腎囊胞性疾患のうち HNF1B 異常症は,泌尿生殖器系臓器のほかに複数臓器の発生異常を生じ,表現型が多様である1).今回我々は, 腎臓の超音波所見のみからでは診断が困難であった男児例を経験し,腎外病変の詳細な検討によって,膵尾部欠損の発見を契機に HNF1B 異常症の確定診断に至ることができた.先天性腎囊胞性疾患の症例では,腎外合併症の詳細な評価を行うべきである.

  • 宮崎 紘平, 塩谷 拓嗣, 大島 理奈, 森本 優一, 宮沢 朋生, 岡田 満, 杉本 圭相
    原稿種別: 症例報告
    2020 年 33 巻 2 号 p. 203-208
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/15
    [早期公開] 公開日: 2020/09/02
    ジャーナル フリー

    今回我々は,肉眼的血尿を契機に左水腎症と巨大尿管を発見し,さらに Becker 型筋ジストロフィ(Becker muscular dystrophy: BMD)を合併していた小児例を経験した.症例は 8 歳男児.初めての肉眼的血尿を主訴に来院した.超音波検査にて左水腎症(SFU 分類 Grade 2)と巨大尿管を指摘され,CT-urography で左腎尿管移行部狭窄を認めた.腸管などの外部からの圧迫や腫瘍がなく,先天性腎尿路異常(CAKUT)と診断した.生来健康で身体所見に異常はなかったが,初診時より著明な高 CPK 血症を呈していた.腎尿路損傷による異常ではなく,遺伝子検査の結果,Exon 48 にジストロフィン遺伝子の欠失を認め,BMD と診断した.筋ジストロフィに CAKUT の合併を認めた既報はなく,腎尿管の発生や骨格筋の形成による関連性を含めて報告する.

  • Maiko Okada, Hiroko Sasaki, Atsuko Koge, Shoko Ohashi, Yoshinori Fujin ...
    原稿種別: Case Report
    2020 年 33 巻 2 号 p. 209-213
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/15
    [早期公開] 公開日: 2020/10/15
    ジャーナル フリー

    Atelosteogenesis is a chondrodysplasia characterized by severe short-limbed dwarfism with multi-joint dislocation and specific facial features caused by mutations in the gene encoding filamin B. We report a case of atelosteogenesis type III with a large bladder stone and proteinuria. He had hematuria at age 3 years, which was found to be due to kidney stones and hypercalciuria. Hypercalciuria was thought to be due to excessive intake of protein and sodium in addition to immobilization from the original disease. Kidney stones formed, moved to the bladder after the patient became able to sit up. The bladder stone became enlarged due to urinary tract infection. Proteinuria was also detected, which gradually worsened with a glomerular pattern. Surgical removal of the bladder stone and the kidney biopsy were performed concomitantly. The stone consisted of calcium phosphate and magnesium ammonium phosphate. The kidney biopsy showed minor abnormalities. Postural proteinuria was considered to be the cause since he kept sitting position during the day. As he started to move by shuffling, proteinuria decreased. Bladder stone and proteinuria should be born in mind when seeing patients assuming a long-term sitting position.

  • 塩穴 真一, 西山 慶, 糸長 伸能, 岩松 浩子, 大野 拓郎, 井上 敏郎
    原稿種別: 症例報告
    2020 年 33 巻 2 号 p. 215-220
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/15
    [早期公開] 公開日: 2020/10/22
    ジャーナル フリー

    【序言】学校検尿で潜血を指摘されていたが,末期腎不全で ANCA 関連腎炎の診断に至った症例を経験した.【症例】心合併症のない Williams 症候群の 14 歳女児.1 年 4 か月前に学校検尿で初めて尿潜血を指摘され,今回,発熱を契機に乏尿・浮腫,腎機能障害を指摘され入院した.尿蛋白 4+,尿潜血 3+,BUN 129 mg/dl,Cr 9.1 mg/dl.急速進行性糸球体腎炎による急性腎不全のため緊急透析を開始した.肺出血の合併を認め,MPO-ANCA 陽性,腎生検での pauci-immune 型半月体形成性糸球体腎炎の所見から顕微鏡的多発血管炎と診断した.ステロイドパルス,血漿交換療法,リツキシマブ投与により肺出血は改善し ANCA も陰転化したが,腎機能は回復せず維持透析導入となった.【考察】ANCA 関連腎炎は早期診断・治療開始が重要であり,検尿異常に対する ANCA の適切な測定時期について検討が必要である.

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