日本産業保健理学療法学雑誌
Online ISSN : 2758-4798
最新号
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巻頭言
原著論文
  • ―ランダム化クロスオーバー試験―
    内沢 秀和, 生野 公貴, 庄本 康治
    原稿種別: 原著論文
    2026 年4 巻1 号 p. 2-10
    発行日: 2026/08/12
    公開日: 2026/09/15
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    【目的】肩関節を反復的に使用する作業者における筋骨格系障害(MSDs)は重大な問題である.本研究は,頭上作業時の上肢外骨格ロボットアシストスーツの影響を調査した.

    【対象と方法】健常成人10名(男性5名,女性5名;平均年齢24.8±3.2歳)を対象に,外骨格ロボットアシストスーツ未装着(Control),装着のみ(AS-off),装着および肩関節アシストあり(AS-on)の3条件で頭上反復ビス打ち作業を実施した.作業時の関節角度,筋活動,主観的疲労度を評価した.

    【結果】AS-on条件では,Controlと比較して三角筋中部で49.4%(p<0.01),上腕二頭筋で43.9%(p<0.05)筋活動が有意に低下し,また肩の主観的疲労感が25.6%軽減した.AS-on条件での作業中の体幹伸展角度は減少(p<0.05)していた.Control条件と比べて,AS-on条件では,女性の作業完遂率が向上していた.

    【結論】外骨格型ロボットアシストスーツは身体的負荷を軽減し,作業効率向上やMSDsリスク低減に寄与する可能性がある.

  • 大古 拓史, 岡部 麻美, 後藤 響
    原稿種別: 原著論文
    2026 年4 巻1 号 p. 11-17
    発行日: 2026/08/12
    公開日: 2026/09/15
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    【目的】製造業従業員に対して,事前アンケートから業務特性や疼痛などの状況を事前に把握し,問題点を抽出後,それらに対応した疼痛の科学的理解や認知行動療法,運動療法を組み合わせた90分の疼痛予防セミナーの効果検証を実施した.

    【方法】対象は製造業従業員62名とした.評価は介入前と疼痛予防セミナー3ヵ月後に実施し,絶対的および相対的プレゼンティーズム,質問紙を用いた疼痛の程度,破局的思考,不安や抑うつ,自己効力感,身体活動量,健康関連調査を評価した.

    【結果】絶対的プレゼンティーズムや疼痛の最大値と拡大視は有意に改善したが,相対的プレゼンティーズムや心理的指標,身体活動量には有意な変化は見られなかった.

    【結論】製造業従業員に対する疼痛予防セミナーは,事前アンケート等を通じて業務特性や問題点を抽出し,対応する講義を実施することによって,絶対的プレゼンティーズムと疼痛の軽減に一定の効果を示すことが示唆される.

調査報告
  • ―3社の比較事例研究―
    飯田 開, 新井 卓二
    原稿種別: 調査報告
    2026 年4 巻1 号 p. 18-25
    発行日: 2026/08/12
    公開日: 2026/09/15
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    【目的】健康経営優良法人において,企業内に常勤として従事する理学療法士が社内の健康経営施策にどのように関与しているのかを質的に整理することを目的とした.

    【方法】健康経営優良法人(中小規模法人部門)に認定された3社を対象に,健康経営施策に関与する担当者7名へ半構造化インタビューを実施した.得られた逐語録を質的内容分析により整理し,企業間の共通点および相違点を比較した.

    【結果】健康経営の位置づけや理学療法士の活動内容など5カテゴリーが抽出された.理学療法士の関与形態は,社内健康施策の実施,社内外施策の企画・運営,人材育成や外部支援を含む事業化の3類型に整理された.

    【結論】健康経営において理学療法士は,企業の体制や事業特性に応じて,社内施策の実施を中心に関与し,一部企業では社外支援や事業推進にも関与していた.一方で,その関与を持続的に活用するには役割や評価指標などの整備が今後の課題であると示唆された.

活動報告
  • 加納 啓輔, 鈴木 裕也, 内田 博之, 山守 健太, 安光 京佳, 大塚 真由, 吉川 美咲, 木部 貴子, 香西 哲也, 澤田 宇多子
    原稿種別: 活動報告
    2026 年4 巻1 号 p. 26-32
    発行日: 2026/08/12
    公開日: 2026/09/15
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    【背景・目的】 COVID-19により職員間の交流機会が減少し,チーム間の連携やコミュニケーションに課題が生じている.リハビリテーション職員のチーム間の情報共有を促すため,相談しやすい環境作りを目的に,対話を通じて相互理解を促すCREWプログラムを導入した.

    【方法】 リハビリテーション職員34名を対象に,2024年8月から8か月間,月1-2回で全10回のセッションを実施した.セッションはテーマに基づき20分間行い,ファシリテーターが進行を担当した.心理的安全性尺度とCivility Scale,自由記述アンケートで評価した.

    【結果】 心理的安全性は4.7±1.2から5.1±0.9へ,Civility Scaleは3.2±0.9から3.4±0.9へ向上したが,統計学的には有意差は認めなかった.自由記述アンケートでは「相手を知る機会になった」など肯定的意見が多い一方,「業務への変化は感じにくい」との否定的意見も存在した.

    【結論】 CREWプログラムは心理的安全性と礼節的風土の醸成に一定の効果を示したが,日常業務への実感には限界もあり,今後は多様なアプローチの継続的検討が必要である.

編集委員会・編集後記
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