生理心理学と精神生理学
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22 巻, 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 沖田 庸嵩
    2004 年 22 巻 1 号 p. 1-2
    発行日: 2004/04/30
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
  • 2004 年 22 巻 1 号 p. e1
    発行日: 2004年
    公開日: 2012/12/14
    ジャーナル フリー
  • 正木 宏明, William J. Gehring, 高澤 則美, 山崎 勝男
    2004 年 22 巻 1 号 p. 3-18
    発行日: 2004/04/30
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    エラー関連陰性電位 (error-relatednegativity : ERN) は, 前部帯状皮質の行動モニタリング処理を反映した事象関連電位であり, 近年ERNに対する関心が高まっている.本稿では, 行動モニタリングの点からERNに反映される機能的意義について議論する.まずERNの諸特徴として, 形態的特徴, 課題, 発現モデル, 注意との関連, 連続型エラーとの関連などを紹介する.また, 外的フィードバック信号によって惹起されるERNについて, 運動反応との独立性および負の情動との関係から議論する.本稿では「エラー検出対コンフリクト検出論争」を中心に取り上げ, 最近の知見を踏まえながら論じる.両理論ともに, 自らの立場を支持する知見を示しており, 当該論争は未だ解決をみていない.解決困難の理由のひとつに, エラー検出とコンフリクト検出が概念上どのように区別されるかについて, 両理論が十分示してこなかったことがある.最後に, 最新の知見を紹介し, 今後の研究を展望する
  • 佐藤 徳, 安田 朝子
    2004 年 22 巻 1 号 p. 19-32
    発行日: 2004/04/30
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    目的志向的行動は, 行為の継続的なモニターを必要とする.良好な結果をもたらした行為は強化され, ゴールからの逸脱, すなわちエラーに対しては, 行為や方略の修正がなされる.近年, エラー関連の脳内システムが存在することが, エラー関連陰性電位, すなわち, 反応時間課題におけるエラー反応後 (反応ERN), またはエラーフィードバック提示後に誘発される電位成分 (フィードバックERN) から推測されている
    本研究では, フィードバックERNの機能を検討する目的で, 反応に伴う報酬/罰価, 予測不確実性, フィードバックの内容, の3要因を操作した被験者内要因の実験を行った.ERN振幅は, エラーフィードバック時, 特に, 予測不確実性が低い時に大きく, この効果は報酬価に応じて観察された.すなわち, フィードバックERN振幅は, 参加者が, 当たると予測してエラーフィードバックを受けたときに最大であった.さらに, フィードバックERN振幅とその次の試行での反応切り替え率との間に, 有意な正の相関が見られた.本研究の結果から, フィードバックERNが, 報酬予期のエラーに基づく反応選択を反映していることが示唆される
  • 大塚 拓朗, 則武 厚, 八木 昭宏
    2004 年 22 巻 1 号 p. 33-41
    発行日: 2004/04/30
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    エラー関連陰性電位 (error-related negativity : ERN) はエラYした時に生じる事象関連電位として考えられていた.この電位の発生源は前部帯状皮質 (anterior cingulate cortex : ACC) に推定されている.ACCは反応競合から生じる葛藤事態で活性化することから, ERNも同様の事態で活性化すると予想できる.本研究では, ERNが反応競合の程度によって影響されるか否かを検討した.9名の被験者がEriksenのフランカー課題の一種を行った.課題では手がかり刺激によって反応競合量を弱める操作を行い, 2条件を設けた.ERNはEEGを反応EMGのオンセットに同期し, 加算平均処理をすることによって抽出した.その結果, ERNの潜時は反応競合の低い条件の時に有意に長かった.しかし, 振幅に関しては条件間に違いはなかった.すなわち, ERNは反応競合の量によって影響を受けることが確かめられた.
  • 松本 秀彦, 諸冨 隆
    2004 年 22 巻 1 号 p. 43-55
    発行日: 2004/04/30
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    本研究では, 注意欠陥・多動性障害児 (AD/HD) における反応抑制とエラー処理の2つの心理生理的過程に焦点を当てた検討を行った.AD/HD児17名, 健常児8名, 健常成人13名を対象にしてcontinuous performance test時におけるNOGO電位とエラー関連陰性電位 (ERN) を記録し, AD/HD児においては, それらの生理指標を行動指標による心理特性分類に従って評価した.AD/HD児におけるNOGO電位は健常児と同様に, 健常成人に比べると高振幅で, 潜時が遅かった.このことは, AD/HD児の問題が反応抑制の欠損というよりも行動調整機能の成熟途中であることを示唆している.また, NOGO電位の潜時は年齢と負の相関が認められ, 直線的な潜時の短縮を示した.このことから前頭機能は前頭前野の成熟によって発達することを示唆している.一方で, 衝動性の高いAD/HD児においてはERN潜時が遅いことから行動調整の速度の遅さが指摘され, 低い標的ヒット率を示す不注意性のAD/HD児においても, ERNの惹起が認められることから, エラー認知といった認知機能を維持している持続的注意に問題があることが示唆された.
  • 岩木 信喜, 角守 泉
    2004 年 22 巻 1 号 p. 57-69
    発行日: 2004/04/30
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    スキーマ理論によれば, エラー事態の認識は行為や考えを変更し得る重要なイベントであるが, その認識にはかなり大きな個人差が存在する.本稿では, エラー行為の認識に焦点を当てて, その認識に関わる情報処理の個人差を, エラー関連陰性電位 (Error-Related Negativity : ERN) のデータを参照しながら論じた.はじめに, 性格特性の個人差とERN振幅との関連性を論じ, 次に, 教育の影響を大きく受ける, 失敗に対する柔軟性という性質の個人差とERN振幅との関連性を考察した.最後に, ERNに反映される情動面と認知面の関係性に関する仮説を述べ, スキーマ理論から導かれるいくつかの検討課題にも言及した.
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