本研究は,恐怖記憶獲得後に外側扁桃体内N-メチル-D-アスパラギン酸受容体の慢性的な賦活が忘却と消去に与える影響を検討した。恐怖条件づけによりラットに恐怖反応を獲得させた24時間後から外側扁桃体にNMDA受容体の作動薬であるN-メチル-D-アスパラギン酸を浸透圧ポンプにより慢性的に投与した。条件づけの14日後に水なめ行動中のCS単独呈示による条件性抑制を用いて恐怖記憶の保持の程度を評価したところ,NMDAの慢性投与は忘却には影響しないが消去を促進することが明らかとなった。本研究で得られたNMDAの慢性投与による恐怖記憶消去の促進効果は,持続エクスポージャー法などの消去を応用した心理療法の効果を高めることが期待される。
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