日本補綴歯科学会雑誌
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47 巻, 2 号
選択された号の論文の31件中1~31を表示しています
  • 矢谷 博文, 細井 紀雄
    2003 年 47 巻 2 号 p. 243
    発行日: 2003/04/10
    公開日: 2010/08/10
    ジャーナル フリー
  • 川崎 貴生, 高山 芳幸
    2003 年 47 巻 2 号 p. 244-252
    発行日: 2003/04/10
    公開日: 2010/08/10
    ジャーナル フリー
    根管治療を行った歯は破折しやすいことが知られている. しかし, その対応策は明らかではなく, 鋳造コアでの補強が推奨されることもあれば, レジンコアが推奨されることもある.
    目的: 無髄歯の補強を効果的に行う方法を文献的および実験的結果から導くことにある.
    研究の選択: in vitroの研究は1997年から2002年に発表された文献を選び, in vivoの研究はポストとコアの予後を調査したものを選んだ. また, 応力解析法として, 三次元有限要素解析法を使用した.
    結果: 生体との等価性が高い研究は少なかった. しかし, ポストのヤング率が高いと, 破折強度は上昇することが示唆された. 鋳造コアとレジンコアを比較して, どちらが有用であるかの結論は出せなかった.
    結論: 科学的根拠をもとに意見を述べられるだけの論文が少なかったが, 以下の結論を得た. 1. 鋳造コアとレジンコアを比較して, どちらが優れているとはいえない. 2. 鋳造ポストと既製の金属ポストのヤング率が同等であるため, これらの選択基準を提示できない. 3. テーパー付の鋳造ポストは歯根の破折を引き起こす可能性が高い. 歯の強度を保つためには, 残存歯質量が重要である.
  • 塩沢 育己
    2003 年 47 巻 2 号 p. 253-260
    発行日: 2003/04/10
    公開日: 2010/08/10
    ジャーナル フリー
    無髄歯をクラウンやブリッジで補綴する際には, 支台築造は必要な術式である. 現在, 支台築造法は鋳造コアとレジンコアの2つに大別されている. しかし, 臨床において, いずれの築造法を選択するかの基準が明確にされていないため, 同一症例に築造を施す場合でも, 術者によって異なる選択がなされている. 本論文では, 鋳造コアとレジンコアの特徴を整理し, 両者の選択基準ならびに使い分けについて考察を加えた. その結果, 著者は, 強度, 適合性, 確実性を考慮して, 大半の症例に鋳造コアを使用することに問題はないと考えた. しかし, 材料の物理的性質に起因する要素以外の要因で, レジンコアを第1選択にすべき症例もあった. さらに, 支台築造に起因するトラブルについても検討を加え, 支台築造の脱離には, 臨床的クラウン部 (クラウン+ポストの装着方向に対して大きなテーパーをもつポスト部) と臨床的ポスト部 (ポスト部の中, テーパーの小さいポスト先端側のみ) との比率が大きく関与していることが明らかとなった.
  • 福島 俊士
    2003 年 47 巻 2 号 p. 261-271
    発行日: 2003/04/10
    公開日: 2010/08/10
    ジャーナル フリー
    鋳造コアとレジンコアとを比較するとき, レジンコアにレジン単体のものと既製ポストを併用したレジンコアとがあることに注意が必要である. また, レジンコアの材料として, 歯質とくに象牙質に接着する材料を使用できるようになったことも重要である. 適切な支台築造法ということで, 今日もっとも考えなければならないのは, 眼前の窩洞に対する金属ポストの必要性である. この意味では, 鋳造によるものか既製金属のものかを問わない. 歯冠部に歯質が十分残っているならば, いずれの金属ポストも使うべきでない. 金属ポストと歯質との間に物性の差に由来する応力が発生するからである. このメッセージを的確に伝えているのがレジン単体の築造法である. このような観点から, 鋳造コアとレジンコアの使い分けが必要かとの設問1には, レジン単体が適応の症例では大いに必要であると答えた. また, それぞれの築造法に適した症例をあげよとの設問2には, 特に既製ポスト併用レジン築造法について, その利点を製作に要する時間および経費の節減など, 主に臨床的立場からのメリットを述べた. さらに, 支台築造に起因するトラブルの防止策を問う設問3には, 歯に作用する力を調整する加圧要素のコントロールと, それを受ける歯の対応策として, 受圧要素のコントロールの重要性を具体的に指摘した.
  • 齋藤 友希
    2003 年 47 巻 2 号 p. 272-281
    発行日: 2003/04/10
    公開日: 2010/08/10
    ジャーナル フリー
    目的: 歯の喪失に随伴して生じる歯槽骨の吸収は, 残遺歯槽堤の高度な吸収, 低下を招き, 咀嚼機能, 発音, 審美性などの口腔機能の回復を困難にし, 補綴後の義歯床の維持安定にも大きな影響を与える. そのため, 歯を喪失した後の歯槽骨の吸収抑制, あるいは再構築は, 口腔機能の回復のために重要な課題となる. 本論文では高分子電解質錯体 (PEC) を用いて, 生体材料の拡散, 漏出を防ぎ, 早期の骨再構築を可能とする骨充填材の開発を目的として, Hydroxyapatite (HAP) およびβ-tricalcium phosphate (β-TCP) 顆粒とPECとのHybrid体 (HAP-PEC, β-TCP-PEC hybrid体) を作製し, 成犬を用いて実験的研究を行った.
    方法: 成犬下顎骨に骨欠損部を形成後, その骨欠損部にHAP-PEC, β-TCP-PEC hybrid体を充填し, 2, 4, 6週後に, X線所見および組織学的所見から比較, 検討を行った.
    結果: X線所見ではこれらのHybrid体に顆粒の拡散, 漏出は認められなかった. 組織学的所見では, それぞれのHybrid体はともに2, 4, 6週と新生骨の形成が増加しており, コントロールと比較し形成量も多く, 6週例では, 欠損部は元の形態の位置近くまで回復していた.また, β-TCP-PEC hybrid 体6週例では顆粒の吸収像も認められた.
    結論: HAP-PEC, β-TCP-PEC hybrid体は, 顎骨再構築にきわめて有用であることが示唆された.
  • 山本 さつき, 井上 宏
    2003 年 47 巻 2 号 p. 282-291
    発行日: 2003/04/10
    公開日: 2010/08/10
    ジャーナル フリー
    目的: 咬合障害とストレス反応の関連を明らかにするために咬合障害を与えたラットの前頭皮質ドーパミン放出量を測定した. 咬合障害を付与した状態での摂食時ドーパミン放出量の増加は不安を含めた精神医学的なストレス反応に関与しているという仮説を検証するために, 抗不安作用のあるベンゾジアゼピン系薬物ジアゼパムの影響を調べた.
    方法: 前頭皮質中のドーパミン放出量の測定はマイクロダイアリシス法を用いて行った. 各実験において対照群と咬合障害群の2群に分け, おのおのをn=6とした. ドーパミン放出量の測定は摂食180分後まで行った. 実験1固形飼料を摂食させ, ドーパミン放出量の経時的変化を測定した. 実験2摂食前にジアゼパムを投与し, その後のドーパミン放出量の経時的変化を測定した. 実験3摂食前に生理食塩水を投与し, その後のドーパミン放出量の経時的変化を測定した.
    結果: 実験1咬合障害群は摂食後ドーパミン放出量に有意な増加を認めた.実験2咬合障害群と対照群でドーパミン放出量に有意差は認められなかった. 実験3咬合障害群は摂食後, ドーパミン放出量に有意な増加を認めた.
    結論: 咬合障害を付与したラットの摂食時前頭皮質ドーパミン放出は増大し, その反応はジアゼパムにより抑制されることが統計学的に証明された. 本研究により, 咬合障害は不安を含めた精神医学的ストレスを惹起することが明らかにされた.
  • 井野 智, 豊田 實, 新谷 忠, 田村 年彦, 柴田 武士, 渥美 美穂子, 浜野 奈穂
    2003 年 47 巻 2 号 p. 292-300
    発行日: 2003/04/10
    公開日: 2010/08/10
    ジャーナル フリー
    目的: 本研究の目的は, 歯科用合金を被着体として, シリカ・コーティング法 (Rocatec®-System, ESPE) が前装用硬質レジンとの接着強さに及ぼす影響を調べることにある.
    方法: 市販されている4種類の歯科用金属 (Pt-Au, Co-Cr, Au-Ag-Pd, Ti) を10×15×2mmに加工・研磨後 (#600), 1. アルミナ・サンドブラスト処理のみの群 (SB群), 2. 処理後接着性プライマーを塗布した群 (MP群), 3. Rocatec®-System (RP群) によるシリカ・コーティング法を用いた群, 以上の3群に分け, 表面性状の分析 (SEM像・EPMA) および硬質レジン (グラディア, ジーシー) との剪断接着強さを計測した. 統計処理は一元配置分散分析 (多重比較検定: Scheffe's F, α=0.05) にて行った.
    結果: 表面性状の分析結果から, シリカ・コーティング後のすべての金属表面に, 特徴的なシリケート層が確認された. 剪断接着強さ試験の結果は, すべての金属においてSB群に比べMP群とRP群が, また, Pt-Auにおいては, MP群に比べRP群が有意に (p<0.05) 高い接着強度を示した.しかしながら, Co-Cr, Au-Ag-Pd, およびTiではMPとRPに有意差は認められなかった.
    結論: 本研究結果より, Rocatec®-Systemによるシリカ・コーティング法は, 歯科用金属に対し強固なシリケート層を形成させ, 接着のための表面改質法として有効であることが示唆された.
  • 彦坂 達也, 水谷 憲彦, 田中 貴信, 星合 和基, 長谷川 信洋, 連 直子, 平井 秀明, 太田 功, 河合 達志, 鶴田 昌三
    2003 年 47 巻 2 号 p. 301-310
    発行日: 2003/04/10
    公開日: 2010/08/10
    ジャーナル フリー
    目的: チタンおよびチタン合金は, 生体適合性に優れ, 補綴材料やインプラント材料としても広く用いられているが, 口腔内に装着された場合, きわめて過酷な腐食環境におかれるものと考えられる. 本実験では, 最近開発されたTi-29 Nb-13 Ta-4.6Zr合金も含め, 各種のチタン材料についての耐食性を評価した.
    方法: 実験ではTi, Ti-6 A1-4 V合金およびTi-29 Nb-13 Ta-4.6Zr合金の計3種合金を板状試料とし, 試験溶液には0.9%Na Clおよび0.1mol/l Na F溶液を用いた. 各試験片を3, 7, 14日間浸漬し, 色彩色差計を用いて色差 (ΔE) を求めた. さらに, それらの自然電極電位およびアノード分極曲線を測定した. また, 走査型電子顕微鏡とX線回折装置を用いて, 浸漬前後の試料表面分析を行った.
    結果および結論: 0.1mol/l Na F溶液では, Ti-29 Nb-13 Ta-4.6Zr合金の14日間浸漬後の色差は17.7と比較的大きな値を示したが, Tiとの間には有意な差は認められなかった.また, アノード分極曲線に関しては, Ti-29 Nb-13 Ta-4.6 Zr合金の1.5V以上での電流密度の増加はわずかであり, 5Vでの電流密度の増加は3種合金中最も低い値を示した. 以上の結果より, Ti-29 Nb-13 Ta-4.6 Zr合金は, フッ素溶液に対して, 使用可能な耐食性を示すと考えられた.
  • 大沼 典男, 大沼 智之, 丸谷 美和, 清水 公夫, 荒井 節男, 小司 利昭, 森田 修己
    2003 年 47 巻 2 号 p. 311-315
    発行日: 2003/04/10
    公開日: 2010/08/10
    ジャーナル フリー
    目的: 本研究の目的は, ラミネートマウスガードの装着が閉眼時の静的平衡機能に及ぼす影響を明らかにすることである.
    方法: 被験者は健常有歯顎者11名である. 被験条件は, 閉眼時においてマウスガード非装着での咬頭嵌合位とマウスガードを装着して軽く咬合接触させる2条件とし, 各被験条件での直立姿勢の重心動揺を立位足底圧分布測定装置を用いて計測した. 計測項目は, 重心動揺の左右成分の標準偏差 (XS. D.), 前後成分の標準偏差 (Y-S.D.) および重心移動距離である.被験条件間の統計解析には, Wilcoxon の符号付順位検定を用いた.
    結果: マウスガード装着, 非装着時でのX-S. D., Y-S. D., 重心移動距離の中央値と四分位範囲は, マウスガード装着時では, 0.19 (0.13), 0.12 (0.10), 9.54 (3.90) cmであり, マウスガード非装着時では, 0.19 (0.11), 0.11 (0.11), 10.19 (4.68) cmであった. 検定の結果, すべての計測項目でマウスガード装着とマウスガード非装着間について有意な差を認めなかった.
    結論: 以上のことより, ラミネートマウスガードの装着による閉眼時の静的平衡機能への影響を見いだしえなかった.
  • 小川 有
    2003 年 47 巻 2 号 p. 316-325
    発行日: 2003/04/10
    公開日: 2010/08/10
    ジャーナル フリー
    目的: 筋痛患者に対する日常生活下でのバイオフィードバック訓練の臨床応用に向け, 機能的筋活動と非機能的筋活動を識別する閾値の設定方法を検討した.
    方法: 天然歯列を有し顎関節症状のない健常者34名 (男性18名, 女性16名, 平均年齢26.6±2.7歳) を被験者として, 携帯型筋電図 (EMG) バイオフィードバック装置を用いて, 日常生活下でのEMGを5時間連続記録した. 測定開始時と5時間後に以下の条件で機能, 非機能運動を行わせた. 最大咬みしめ (100%maximum biting force (MBF) 咬合力) に対する10, 30, 50%MBF咬合力を非機能運動とし, ガム, 煎餅咀嚼を機能運動として行わせた. 最大咬みしめ時筋活動量 (100%EMG閾値レベル) に対する10, 20, 30%EMG閾値レベルとEMG閾値持続時間の2つのパラメータを組み合わせ, 機能的筋活動と非機能的筋活動を識別する閾値を求め, 測定開始時と5時間後の経時的安定性について検討した.
    結果: 測定開始時に設定した30, 50%MBF咬合力と機能運動を識別する閾値が, 5時間後まで有効な被験者は34名中30名 (90.9%) であり, 10%MBF咬合力と機能運動を識別する閾値が, 5時間後まで有効な被験者は25名 (73.5%) であった.また, それぞれの咬みしめ条件において, 測定開始時と5時間後では高い相関が認められた.
    結論: EMG閾値レベルとEMG閾値持続時間の組合せにより, 閾値の設定が可能であることが示された.
  • 3年経過後の評価から
    佐藤 真, 藤澤 政紀, 鈴木 卓哉, 金村 清孝, 工藤 亜希子, 佐々木 直光, 石橋 寛二
    2003 年 47 巻 2 号 p. 326-334
    発行日: 2003/04/10
    公開日: 2010/08/10
    ジャーナル フリー
    目的: 下顎運動の経年的な安定性を調べることを目的に, 健常者における初回と3年経過時の下顎運動結果の関係を下顎運動解析から検討した.
    方法: 岩手医科大学歯学部学生のなかで, 顎機能に異常がない27名 (男性20名, 女性7名, 平均年齢20.4±2.4歳) を被験者とし, 6自由度下顎運動測定装置を用いて, 下顎運動記録を行った. 下顎限界運動および習慣性開閉口運動における, 切歯点および左右顆頭点の移動距離を求め, 初回と3年経過時の測定結果の比較を行った.
    結果: 前方滑走運動時, 左右側方滑走運動時, 習慣性開閉口運動時において, いずれのパラメータにおいても初回と3年経過時の間に有意差を認めなかった (対応のあるt検定). また, 測定値間の相関を調べた結果, 12項目中11項目で有意な相関が認められた. 初回の測定後に顎関節症の症状を発症した被験者が5名出現したが, これらの被験者の初回のデータから将来の発症を示唆する特徴的な点は認められなかった.
    結論: 本研究結果より, 健常者における下顎運動測定データでは経年的な変動が少なく, 再現性を有する安定したパラメータとして評価しうることから, 顎機能の変化を評価するうえでの有用性が確認できた. しかしながら, 下顎運動測定結果のみで症状の発症を予知するパラメータとは考えにくいものと思われる.
  • 山下 秀一郎, 桐原 孝尚, 五十嵐 順正, 藍 稔
    2003 年 47 巻 2 号 p. 335-342
    発行日: 2003/04/10
    公開日: 2010/08/10
    ジャーナル フリー
    目的: 後方歯牙接触の顎機能に対する影響を検討する目的で, 健常有歯顎の被験者を対象として後方歯牙接触部位の記録を行い, これらの部位が歯列内においてどのように分布しているのかを分析した.
    方法: 被験者は健常有歯顎者283名とした. 術者は下顎の最後方位への誘導術式に十分習熟した歯科医師1名とし, 下顎頭が最後方位に誘導された際の歯牙接触部位に関して, 咬合紙を用いて記録した. 分析は, 接触歯の側性, 接触歯種, 接触歯数の3項目について, 接触歯群に基づく被験者の分類を加味して行った.
    結果: 1. 接触様式が両側性の被験者と片側性の被験者との比率は約6: 4であった. 2. 接触頻度の高かった接触歯種は, 第一小臼歯, 第二大臼歯の順であった. 3. 接触歯数は約8割の被験者で2歯以内であった. 4. 接触歯群に基づく被験者の分類では, 前歯接触群, 小臼歯接触群, および大臼歯接触群の3群が全被験者の7割以上を占めていた. 混合接触群では, 一側の小臼歯と反対側の大臼歯との間における両側性接触パターンが多かった.
    結論: 第一小臼歯あるいは第二大臼歯が後方運動時の誘導部として特に重要であることが判明した. また, これらの接触部位は歯列弓内で明確に特定化されており, たとえ混在する場合でも比較的シンプルな対角線的接触関係を示す傾向が強かった.
  • 顎関節症を主訴としない患者群
    高山 慈子, 滝新 典生, 細井 紀雄, 湯浅 雅夫, 小林 馨
    2003 年 47 巻 2 号 p. 343-352
    発行日: 2003/04/10
    公開日: 2010/08/10
    ジャーナル フリー
    目的: 本研究は, 顎関節症を主訴とせず, 歯や歯周組織などの観察を目的に撮影されたパノラマX線像を対象に, 下顎頭骨変化の出現頻度を調査し, 骨変化と年齢, 性別, 欠損型や咬合の支持との関連について検討を加えたものである.
    方法: 1999年12月から2000年3月の間に鶴見大学歯学部附属病院で, 各科から依頼され, 画像検査部においてパノラマX線撮影を行った25歳以上の患者, 970名を対象として調査を行った. 下顎頭の骨変化としてErosion, Osteophyte, Deformityを評価し, さらに年齢, 性別, 欠損型, 咬合の支持 (Eichnerの分類に準じた分類) について検討を加えた.
    結果: 調査対象970名中, 骨変化を認めたものは113名 (11.6%) で, 出現頻度は男性よりも女性に高かった (有意差あり, 女性14.4%, 男性7.8%).女性では, 骨変化の出現頻度は各年代ともに大きな差はなく, 年齢, 欠損型, 咬合の支持では有意差は認められなかった. 男性では咬合の支持の減少と65歳以上の年齢で骨変化の出現頻度が高くなる傾向にあった. 骨変化所見はDeformityが最も多く, Deformity, Erosionは若い層に, Osteophyteは高齢者層に多かった.
    結論: 顎関節症を主訴としない患者の11.6%に下顎頭の骨変化が認められ, 出現頻度は性別によって大きく異なることが判明した.
  • 齋賀 明彦, 市川 哲雄, 友竹 偉則, 蟹谷 英生, 本釜 聖子
    2003 年 47 巻 2 号 p. 353-360
    発行日: 2003/04/10
    公開日: 2010/08/10
    ジャーナル フリー
    目的: インプラント上部構造には精度の高い適合性が要求されるため, さまざまな適合性の評価法が提唱されている. 著者らは, 上部構造連結部のスクリュー締め付け回転角/トルク計測装置を考案し, この装置を用いて, スクリュー固定式インプラント上部構造の適合性を作業模型上で評価した.
    方法: スクリュー固定術者可撤式上部構造を装着し, 術後良好に経過している患者14名, 計24上部構造 (単独植立3, 部分欠損20, フルブリッジ1) のスクリュー連結部について, 作業模型上で締め付け回転角/トルク値を計測し, 適合性を評価した. また, 締め付け順序の違い, ユニット数の違いによる影響について評価した.
    結果: すべてのスクリュー連結部の, 締め付け回転角/トルク値の平均は約2.6° (SD: 0.6°)/Ncmで, コントロールとしてアバットメントにスクリューのみを締め付けたものより有意に大きかった. 締め付け順序, ユニット数の違いによる締め付け回転角/トルク値の有意差は認められなかった.
    結論: スクリュー締め付け回転角/トルク値は, 上部構造の適合性評価に用いることが可能であると考えられた. 今回計測した上部構造の適合性は, acceptable fit内できわめて高かったことが示唆された.
  • 三浦 美文
    2003 年 47 巻 2 号 p. 361-362
    発行日: 2003/04/10
    公開日: 2010/08/10
    ジャーナル フリー
  • 小林 康二
    2003 年 47 巻 2 号 p. 363-364
    発行日: 2003/04/10
    公開日: 2010/08/10
    ジャーナル フリー
  • 櫻井 直樹
    2003 年 47 巻 2 号 p. 365-366
    発行日: 2003/04/10
    公開日: 2010/08/10
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 政弘
    2003 年 47 巻 2 号 p. 367-368
    発行日: 2003/04/10
    公開日: 2010/08/10
    ジャーナル フリー
  • 村田 容子
    2003 年 47 巻 2 号 p. 369-370
    発行日: 2003/04/10
    公開日: 2010/08/10
    ジャーナル フリー
  • 濱 仁隆
    2003 年 47 巻 2 号 p. 371-372
    発行日: 2003/04/10
    公開日: 2010/08/10
    ジャーナル フリー
  • 坪田 健嗣
    2003 年 47 巻 2 号 p. 373-374
    発行日: 2003/04/10
    公開日: 2010/08/10
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 冨士雄
    2003 年 47 巻 2 号 p. 375-376
    発行日: 2003/04/10
    公開日: 2010/08/10
    ジャーナル フリー
  • 黒岩 昭弘
    2003 年 47 巻 2 号 p. 377-378
    発行日: 2003/04/10
    公開日: 2010/08/10
    ジャーナル フリー
  • 喜多 誠一
    2003 年 47 巻 2 号 p. 379-380
    発行日: 2003/04/10
    公開日: 2010/08/10
    ジャーナル フリー
  • 佐嶌 英則
    2003 年 47 巻 2 号 p. 381-382
    発行日: 2003/04/10
    公開日: 2010/08/10
    ジャーナル フリー
  • 田中 誠也
    2003 年 47 巻 2 号 p. 383-384
    発行日: 2003/04/10
    公開日: 2010/08/10
    ジャーナル フリー
  • 鎌田 幸治
    2003 年 47 巻 2 号 p. 385-386
    発行日: 2003/04/10
    公開日: 2010/08/10
    ジャーナル フリー
  • 添野 光洋
    2003 年 47 巻 2 号 p. 387-388
    発行日: 2003/04/10
    公開日: 2010/08/10
    ジャーナル フリー
  • 平 曜輔
    2003 年 47 巻 2 号 p. 389-390
    発行日: 2003/04/10
    公開日: 2010/08/10
    ジャーナル フリー
  • 大安 努
    2003 年 47 巻 2 号 p. 391-392
    発行日: 2003/04/10
    公開日: 2010/08/10
    ジャーナル フリー
  • メインテーマ「新しい歯科補綴のパラダイム-歯科補綴の専門性-」
    川添 堯彬, David A. Felton, 赤川 安正, 川和 忠治, 崔 大均, 石橋 寛二
    2003 年 47 巻 2 号 p. 393-413
    発行日: 2003/04/10
    公開日: 2010/08/10
    ジャーナル フリー
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