蘇生
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19 巻 , 1 号
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  • William H. Montgomery
    2000 年 19 巻 1 号 p. 1-15
    発行日: 2000/04/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 齋藤 繁
    2000 年 19 巻 1 号 p. 16-22
    発行日: 2000/04/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    神経突起が再生するためには, 再生神経線維の成長円錐が崩壊, 退縮せず, 適切なマーカー分子に沿って伸展する必要があり, これが神経機能回復に決定的な因子となる。例えば, 脂質メディエーター, リゾフォスファチジン酸は損傷を受けた組織および血小板から放出され, 神経成長円錐の崩壊, 退縮を引き起こし, 神経組織の再生を阻害する。こうした阻害物質の除去は神経再生にとって不可欠のものと推察される。神経組織の再生に際しては, 単なる神経細胞の増殖・発育促進では意味がなく, 機能を回復へと繋げる, 制御された組織再生が必要である。再生における成長円錐の挙動メカニズムの解明は, この特殊な問題を解決するために必須のものと思われる。
  • 吉田 和市, 古屋 宗孝, 永井 亨, 大澤 昭義
    2000 年 19 巻 1 号 p. 23-27
    発行日: 2000/04/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    アデノシン三リン酸 (ATP) による低血圧麻酔が心筋虚血再灌流障害に及ぼす影響を, 循環動態の変動と心筋梗塞サイズを指標に検討した。ウサギを全身麻酔下に開胸し, 左冠状動脈前下行枝の結紮による30分の虚血と180分の再灌流を行った。動物はATPを投与した群と無投与群に分類した。研究中は連続的に循環動態をモニターし, ATPは虚血30分前から再灌流終了まで静脈内投与し, 収縮血圧が対照値の約80%になるように調節した。実験終了後には虚血域のサイズ (area at risk) を評価し, tetrazoliumの染色により心筋梗塞サイズ (infarct size) を算出した。左室に対するareaatriskは各群で有意な差はなかった。infarctsizeは無投与群に比較してATP群では有意に縮小した。ATPによる低血圧は心筋虚血再灌流障害を増悪させることはなく, 心筋に保護的に作用する可能性が示唆された。
  • 李 〓, 新藤 光郎, 袋谷 加恵, 森 正信, 浅田 章
    2000 年 19 巻 1 号 p. 28-33
    発行日: 2000/04/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    医学部新入生80名に対して心肺蘇生法講習会を開催した。指導前 (T0) と指導後 (T1) の2回, チェックリストに基づき, 心肺蘇生法の半定量的評価を行なった。T1ではBerden Scoreによる定量的評価も行った。合計得点はT0 (5.1±2.8) と比較してT1 (21.6±1.7) で有意に上昇し (P<0.0001) , 受講後の蘇生技術の向上が示された。評価した各項目でも, T1で有意に上昇した (P<0.05) 。T1におけるチェックリスト合計点とBerden Scoreの合計点は有意な負の相関関係を認め (P<0.001) , チェックリストによる技術面の評価も可能であった。しかし, 心圧迫と換気量の項目はチェックリストで満点であっても, 定量的評価では約半数で技術的に不十分と評価された。今後, 蘇生法を指導する際には定量的評価を取り入れる必要がある。
  • 荒武 香寿, 兒嶋 四郎, 森本 真理子, 松本 聡, 佐伯 仁, 松田 憲昌, 田中 裕子, 米井 昭智
    2000 年 19 巻 1 号 p. 34-37
    発行日: 2000/04/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    1994~98年の5年間に倉敷中央病院で行われた麻酔症例20, 616例で偶発症を検討した。偶発症の頻度 (/1万例) は, 心停止 (心室細動または心静止) 13.1, 高度低血圧 (s-BP<60mmHg) 136.8, 高度徐脈 (HR<40bpm) 66.9, 高度低酸素 (酸素化指数く80またはSpO2<90%) 26.7, その他13.6であった。麻酔が原因の偶発症頻度はそれぞれ1.9, 42.7, 23.8, 7.3, 1.9で, その発生時期は, 主に全身麻酔導入時 (61%) と脊椎麻酔後 (25%) であった。麻酔が原因の心停止は脊椎麻酔後によるものが75%であった。麻酔以外が原因の心停止は大量出血や心破裂などによるものが多く, 予後は不良であった。麻酔による偶発症を減少させるには, 全身麻酔導入時と脊椎麻酔後に注意することが重要と考えられた。
  • 川崎 一良, 星野 克信, 高橋 学, 川崎 由香里
    2000 年 19 巻 1 号 p. 38-40
    発行日: 2000/04/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    心疾患のある100歳女性の人工骨頭置換術の際に, 骨セメントが原因と思われる心停止を経験した。骨セメントによる循環虚脱の原因として, 空気, 脂肪塞栓, あるいは, セメントそのものの毒性, アレルギー反応などが言われている。原因が何であれ, 心疾患のある者や高齢者では, 骨セメントの使用により急激な血圧低下, 場合によっては心停止が生じる。したがって, このような患者の人工骨頭置換術では, 骨セメントの使用は極めて慎重でなければならず, できるかぎり避けるのが望ましい。
  • 長瀬 清, 竹田 智雄, 飯田 宏樹, 大畠 博人, 土肥 修司
    2000 年 19 巻 1 号 p. 41-44
    発行日: 2000/04/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    虚血性心疾患を認めない患者の硬膜外麻酔併用全身麻酔の開腹術中に発生した難治性の致死的不整脈に対して, 電気的除細動を繰り返すとともに, 胸骨圧迫式心マッサージ法を施行した。しかし, 呼気終末二酸化炭素分圧 (ETCO2) が10mmHg程度と血液循環が不十分であり, 自己心拍も回復しないためただちに横隔膜を切開し, 開胸式心マッサージ法を導入したところ, ETCO2は20mmHgに上昇した。蘇生に約1時間を要したが神経学的後遺症や臓器不全もなく回復した。術後の冠動脈造影検査から, 心停止の原因として冠攣縮が示唆された。本症例は, 開腹術中の心停止症例の蘇生においてETCO2が20mmHg以上を維持できないときは速やかに開胸式心マッサージ法を選択する重要性を示した。
  • 坪 敏仁, 鈴木 朗子, 大川 浩文, 石原 弘規, 松木 明知
    2000 年 19 巻 1 号 p. 45-47
    発行日: 2000/04/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    経皮的心肺補助 (PCPS) を行い, 乳頭筋断裂患者を蘇生することができた。患者は64歳の男性で, 心筋梗塞による乳頭筋断裂の診断で集中治療部へ搬送された。入室直後に心停止となり, 気管挿管し, 心マッサージ下にPCPSを開始した。PCPS下に手術室へ搬送し, 緊急僧帽弁置換術を施行した。術後は大動脈内バルーンパンピング, カテコラミン投与で心機能を補助した。最終的には多臓器不全を合併し救命できなかったが, PCPSは乳頭筋断裂による心停止患者に対しても, 開心術による修復を可能にし有用であった。
  • 佐伯 仁, 山下 敦生, 名草 芳亮, 岡 英男, 宮内 善豊
    2000 年 19 巻 1 号 p. 48-51
    発行日: 2000/04/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    自殺目的でマラソンを服毒し, 呼吸障害が長期間遷延した症例を経験した。患者は56歳男性。意識障害, 呼吸不全で来院した。硫酸アトロピン, 2-ピリジルアルドキシムメチオダイドを投与し, コリンエステラーゼ値の回復に伴い全身状態は改善したが, 間欠的に意識障害・縮瞳・血圧低下を伴った自発呼吸消失がみられ, 約2週間にわたり繰り返した。これは有機リン中毒のintermediate syndromeと考えられ, 服毒量が多く, 腸管内に長時間残留していたためと思われた。本症例のように長期間にわたり自発呼吸が突然消失する状態を繰り返した報告はこれまでにない。有機リン中毒では急性期以降も呼吸状態に十分な注意が必要である。
  • 若松 弘也, 鶴田 俊介, 河田 竜一, 中木村 和彦, 坂部 武史
    2000 年 19 巻 1 号 p. 52-55
    発行日: 2000/04/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    われわれは麻酔導入後にアナフィラキシー様反応を呈し, ショック状態になり手術を延期し, 原因薬物を検索した3カ月後に無事手術を終えた1症例を経験した。患者は60歳, 男性で, キアリ奇形のため後方減圧術が予定された。チオペンタール, ベクロニウム, イソフルランで麻酔を導入した。気管内挿管17分後に全身発赤と著しい血圧低下を来し, 下肢挙上, 酢酸加リンゲル液の大量輸液, エピネフリンとメチルプレドニゾロンの静注により症状が改善したが, 手術を一旦延期した。翌日の皮内試験は使用薬物すべて陰性であったが, 6週間後の再検査ではベクロニウムとパンクロニウムが陽性であった。3カ月後にベクロニウムとパンクロニウムを使用せずに麻酔を行い, 無事手術を終了した。急性期の皮内試験では偽陰性となることがあるので, 原因薬物の同定は4~6週間以降に行うのが望ましい。
  • 間宮 秀樹, 野村 仰, 阿部 耕一郎, 櫻井 学, 杉山 あや子, 一戸 達也, 金子 譲
    2000 年 19 巻 1 号 p. 56-58
    発行日: 2000/04/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    東京歯科大学で学生に行っている心肺蘇生術教育の内容を紹介し, 有用性を検討した。
    大学病院において, 治療中の患者が脳貧血様発作を発症した際, 患者を担当していた学生が教育内容を思い出して, 正しく診断して必要な行動をとることができたかどうかをアンケート調査した。その結果, 正しい診断がつけられた学生は全体の3分の1程度, バイタルサインをみることができた学生は全体の40%であった。また救急事態に際して半数の学生は緊張感を自覚していた。約70%の学生が蘇生実習を“有用”と答えたが, 実際の場面で診断と行動ができた学生の割合は低く, より実用性の高い実習へ改良する必要があると考えられた。
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