蘇生
Online ISSN : 1884-748X
Print ISSN : 0288-4348
ISSN-L : 0288-4348
19 巻 , 2 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
  • 下地 恒毅, 多賀 紀一郎, 〓 仁知, 冨士原 秀善, 本多 忠幸, 遠藤 裕, 福田 悟
    2000 年 19 巻 2 号 p. 93-108
    発行日: 2000/07/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    中枢神経蘇生法に関する研究の現状について, 麻酔科医の立場より私見をまじえて概説した。
    われわれ麻酔科医が術中・術後に扱う中枢神経蘇生法の対象病態の多くは, 急性循環障害からくる全脳虚血, 酸素不足からくる中枢神経低酸素である。中枢神経虚血/低酸素の病態やその回復能についてはいまだ十分に解明されていない。最近, 特に注目されているのはプログラムされた神経細胞死, すなわちアポトーシスである。虚血/低酸素がそのときは致命的でなくとも, それに引き続いて生じてくるアポトーシスの病態にもわれわれ麻酔科医として予後の面から注目すべきであろう。麻酔科としては, 短期決戦のみに目を奪われてはならず, 予防的蘇生, すなわち, モニターを駆使し, 虚血/低酸素の発生を未然に防ぎ, さらに, もし, 発生した場合は予後を念頭に入れた集中治療に徹するべきと考える。
  • 堀之 内節, 村上 憲孝, 松川 周, 加藤 正人, 橋本 保彦
    2000 年 19 巻 2 号 p. 109-116
    発行日: 2000/07/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    脊髄虚血は, 外科学の進歩による胸・腹部大動脈への手術術式の確立にともない, 対麻痺などの周術期合併症を生じるため問題となってきた。虚血再灌流障害については, 海馬CA1を含む脳での研究は多いが, 脊髄での研究は, そのモデルの確立の難しさから遅れていた。近年ZivinとDeGirolamiの方法を応用した再現性のあるモデル研究により, 一過性脊髄虚血後のselective motor neuron deathのメカニズムの一部が解析され, neuronal nitric oxide synthetase (nNOS) , 3-nitrotyrosine, superoxide dismutase (SOD) , Fasなどの関与が示唆されてきた。しかし, 虚血再灌流障害の機序の研究が進む反面, 脊髄保護法や虚血再灌流障害に対する治療法についてはいまだ十分であるとはいいがたく, この分野でのさらなる研究が望まれる。
  • 小林 芳幸, 稲川 利光, 佐藤 能清, 佐藤 重仁
    2000 年 19 巻 2 号 p. 117-122
    発行日: 2000/07/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    救急蘇生の手段としては, 一般に気道確保, 人工呼吸, 閉胸式心マッサージの組み合わせからなる基礎的救命処置が行われている。
    われわれは, イヌを用いた実験で, まず無呼吸時に気道系に酸素を吹き流すことで血液の酸素化が十分行われることを確認し, 次に閉胸式心マッサージが, 換気効果も合わせ持つことを確認した。
    この結果をもとに, 酸素を気道系に投与するための食道閉鎖チューブを考案し, 閉胸式心マッサージのみを行う心肺蘇生法を実験で試み, 臨床応用の可能性について考察した。
  • 後藤 英一, 岡本 育, 浅原 洋資, 田中 経一
    2000 年 19 巻 2 号 p. 123-126
    発行日: 2000/07/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    来院時心肺停止 (cardiopulmonary arrest on arrival: CPAOA) の症例では死因の記載に苦慮することが多く, 剖検は正確な死因を究明する最後の診断手段である。しかし, CPAOA症例の死因に関する正確さの報告は見あたらない。そこで34例のCPAOAを対象に死因に関する臨床診断と剖検診断について分析した。臨床診断と剖検診断との一致率は約65%とこれまでの集中治療部 (ICU) の患者を対象とした報告とほぼ一致した。臨床診断が不確実あるいは不明な症例でも, 剖検を行うことによって約90%の症例で死因の確定診断を得ることができた。CPAOA症例に対しても積極的に剖検を行い, 正確な死因を診断し医療の質を向上させる必要がある。
  • 藤林 哲男, 小野 靖志, 福田 悟
    2000 年 19 巻 2 号 p. 127-130
    発行日: 2000/07/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    各種等張輸液製剤 (酢酸リンゲル液, 乳酸リンゲル液, 6%ヒドロキシエチルスターチ, 生理食塩水, 5%ブドウ糖液, 4.4%ヒト血清アルブミン) による血液希釈が, 血液凝固能に及ぼす影響を, 健康成人の血液 (in vitro) で, ソノクロットTMを用いて検討した。
    25%希釈ではどの輸液製剤もソノクロットTMによる活性凝固時間 (SonACT) およびクロット形成速度 (Clot Rate) ともに正常範囲であった。50%希釈では, 5%ブドウ糖液, 6%ヒドロキシエチルスターチおよび4.4%ヒト血清アルブミンで, SonACTおよびClot Rateはいずれも異常を認め, SonACTは延長し, Clot Rateは低下した。以上より, 5%ブドウ糖液, 6%ヒドロキシエチルスターチおよび4.4%ヒト血清アルブミンを用いて大量急速輸液を行う場合, 血液凝固能低下に留意する必要があることが示唆された。
  • 山崎 信也, 川合 宏仁, 田中 一歩, 杉田 俊博, 奥秋 晟, 岩間 裕
    2000 年 19 巻 2 号 p. 131-134
    発行日: 2000/07/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    頸部郭清手術で内頸静脈や頸部リンパ節を除去したときの脳合併症が問題となっている。頭蓋内圧の変化が関与している可能性を考え, 硬膜外腔圧が頭蓋内圧をよく反映することに着目し, 頸部郭清術8例を対象に, 術中に頸部硬膜外腔圧を連続的に測定した。また, 術後の頭痛・顔面浮腫の程度について経過を観察した。
    症例はすべて片側の頸部郭清術であり, 内頸静脈切除後に硬膜外腔圧は全例で上昇した (平均15mmHg, 最大37.5mmHg, 最小5.5mmHg) 。また, 硬膜外腔圧の上昇が著しい症例は, 術後の顔面浮腫や頭痛が強い傾向が見られた。
    頸部郭清術による内頸静脈や頸部リンパ節の切除が脳循環に影響を与え, 頭蓋内圧を亢進させる可能1生が示唆された。硬膜外腔圧モニターは頸部郭清術後の脳合併症の予測の一助となる可能性があり, 脳蘇生時のモニターにも応用可能と考えられる。
  • 田中 正史, 西田 真希, 倉田 豊, 赤井 良太, 鳥海 和弘, 谷藤 泰正
    2000 年 19 巻 2 号 p. 135-137
    発行日: 2000/07/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    Hurler-Scheie症候群 (H-S症候群) の30歳女性が心不全による呼吸困難を来した。種々の治療でも呼吸困難は改善されず, 翌朝, 気管内挿管を試みたが挿管困難のため麻酔科に依頼された。喉頭展開でCormack分類グレードIIIであったため, 手術室に搬送した。耳鼻科医による気管切開は短頸のため困難を極めた。気管切開後, カニューレが気管後壁にあたり挿入できず, 内径5mmのラセンチューブを挿入した。
    2日後パイプ部分の短い気管切開チューブに入れ替えた。H-S症候群の気道確保は緊急対応では安全に施行するのは困難で, 弁膜症が悪化し呼吸困難が出現するようになれば, 家族の了解のもとに気管切開を施行すべきである。
  • 香取 清, 東 佳織, 比嘉 和夫
    2000 年 19 巻 2 号 p. 138-139
    発行日: 2000/07/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    気管切開後に重篤な縦隔気腫と両側気胸を来した1症例を経験した。68歳の喉頭癌患者に対して, 局所麻酔下に気管切開を行い, 酸素・亜酸化窒素・セボフルランで麻酔を維持し, ラリンゴマイクロサージャリーが行われた。手術終了直後のチューブ入れ換え時にパッキングが生じ, 縦隔気腫と重篤な両側気胸を来した。本症例はパッキングにより高度の胸腔内陰圧が生じ, 頸部の筋膜層から空気が縦隔に引き込まれ, 縦隔気腫に伴い縦隔胸膜が破綻し, 両側気胸が発症したと考えられた。
  • 山崎 浩史, 西山 謹吾, 片岡 由紀子, 阿部 秀宏, 山崎 史幹, 真鍋 雅信
    2000 年 19 巻 2 号 p. 140-142
    発行日: 2000/07/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    1年間で当院に搬入された80歳以上の心肺停止 (CPA) 症例27例について検討した。原因疾患は心疾患が12例 (疑い症例を含む) と最も多かった。bystanderによるcardiopulmonary resuscitation (CPR) が行われている症例はなかった。心拍再開症例は8例であったが, 全例1週間以内に死亡した。入浴に関係したCPAは7例あったが, いずれも自立した高齢者であった。要介護の高齢者の場合は臥床中のCPAが最も多かった。介護保険制度が導入され, 高齢者のquality of life (QOL) の維持・向上が求められているなかで, 介護者の認識を深め, 蘇生法に関する知識・技術の向上のための講習会の実施が必要である。
  • 小林 康夫, 南波 仁, 小林 巌, 森近 雅之, 松崎 貴史, 新山 俊幸, 住田 臣造
    2000 年 19 巻 2 号 p. 143-145
    発行日: 2000/07/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    偶発性低体温による心停止2症例において心マッサージを行いながら静脈脱血・静脈返血式単純体外循環 (S-VVECC) による復温を行った。S-VVECCは透析用回路のカラム部分に挿んだ輸血加温用コイルを温水に浸し, 血液浄化装置を用いて行った。1例は大腿静脈脱血, 外頸静脈送血のS-VVECCを行い32℃まで復温し, 心拍再開に成功した。もう1例は体表加温と胃・膀胱灌流では3時間で31℃までしか復温しなかったが, ダブルルーメンカテーテルを用いたS-VVECCを開始した40分後には35.1℃まで復温でき, この時点で死亡と診断した。S-VVECCは手技や装置が簡単であり, 心マッサージにより血液を循環させれば偶発性低体温症による心停止例でも復温に有用である。
  • 貝沼 関志, 藤井 航, 山田 守正, 伊藤 立志, 渡辺 伸一, 三宅 聰行, 神野 哲夫
    2000 年 19 巻 2 号 p. 146-150
    発行日: 2000/07/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    くも膜下出血発症当日に救急外来に搬送され, 右前大脳動脈脳動脈瘤が見つかったためクリッピング術が予定された患者で, 手術室入室後にtorsades de pointesを発症した症例を経験した。心マッサージで洞調律に戻ったが, 手術から帰室後にはQT時間が0.509秒に延長し, T波に重なる異常U波の増高とT波の交代現象が見られた。翌日も頻回のtorsades de pointes, 心室細動を繰り返したが, 心マッサージ, 除細動で軽快した。くも膜下出血発症24時間はQT延長症候群となる症例が多く, 経時的な12誘導心電図の記録, 持続心電図モニタリングの必要, β遮断薬の投与, 血清Kの補正, 血中カテコラミン濃度の上昇を最小限に抑える麻酔管理, 硫酸マグネシウムの準備などが必要である。
  • 小倉 明, 今永 和幸, 吉河 達〓, 輪嶋 善一郎, 益田 律子, 井上 哲夫
    2000 年 19 巻 2 号 p. 151-155
    発行日: 2000/07/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    胃全摘術中に高カリウム血症により心停止が出現した1症例を経験した。麻酔は硬膜外麻酔に静脈麻酔を併用して行った。術中に心電図上QRS幅が増大し, Kは7.OmEq/1であった。CaCl2投与直後に高度の徐脈が出現し心肺蘇生を開始した。しかし心室細動となり, 除細動も無効で心静止となった。開胸心マッサージを施行して, グルコース・インスリン療法, 胃管からポリスチレンスルホン酸ナトリウム (ケイキサレート) 投与を行い, 心室ペーシングを試みたが無効で蘇生できなかった。術前にALT, ASTの上昇と24時間クレアチニンクリアランス低下を認め, 肝腎障害が疑われたが, 高カリウム血症の原因とは断定できない。剖検を行ったが心肺蘇生に反応しない心停止の原因は不明であった。
  • 高橋 毅, 原口 知子, 末藤 久和, 宮尾 雄治, 藤本 和輝, 宮城 宏生, 宮崎 久義, 佐藤 宏之
    2000 年 19 巻 2 号 p. 156-159
    発行日: 2000/07/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    57歳男性が作業中に心肺停止を来したが, 搬送中の救急車内での救急救命士による3回の直流通電除細動の後, 心拍は再開した。患者は本院到着後意識は清明となった。心臓超音波検査では著明な左室肥大と右房内腫瘤を認め, 経食道超音波検査で右心房より右心室内へ漂う, 柔らかな腫瘤が確認された。冠動脈造影で左冠動脈前下行枝は起始部で閉塞しており, 右冠動脈より側副血行を受けていた。2週間後の経食道超音波検査では腫瘤は消失しており, その間, 肺塞栓などの合併症は認めなかった。従って腫瘤は血栓であったと考えられた。左室肥大と心筋虚血により, 心室細動が誘発され, 心拍再開までの間に右房内血栓が形成されたものと思われた。患者は現在完全に社会復帰している。
  • 鈴木 昭広, 長島 君元, 高畑 治, 岩崎 寛
    2000 年 19 巻 2 号 p. 160-163
    発行日: 2000/07/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    医学生82名を対象とし, 蘇生手技に関する正しい知識の評価が質問紙を用いて可能かどうかを検討した。検討の項目は蘇生手技ABCの中のCに限り, 心拍動の確認部位と心マッサージの圧迫部位を質問紙を用いて調査し, 実技では蘇生訓練の人形を用いて頸動脈拍動触知ができるかどうか, 閉胸式心マッサージで胸壁圧迫部位が正しいかどうかを調査した。
    その結果, 心拍動の確認部位は知っていても正しく拍動を触知できる学生は少なく, 知識と実技が一致しなかった。一方心マッサージについては知識と実技に有意の相関を認め, 質問紙により誤った心マッサージを行う者を抽出することができることを示唆した。以上より, 質問紙により一度に多人数の蘇生手技のCについての知識と実技の程度を知ることができる可能性が示された。
  • 相原 啓二, 蒲地 正幸, 渡辺 浩行, 郡山 一明, 佐多 竹良, 重松 昭生
    2000 年 19 巻 2 号 p. 164-166
    発行日: 2000/07/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 越智 元郎, 畑中 哲生, 白川 洋一, 新井 達潤
    2000 年 19 巻 2 号 p. 167-170
    発行日: 2000/07/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
feedback
Top