蘇生
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22 巻 , 1 号
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  • 赤松 繁, 小澤 修
    2003 年 22 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    American Heart Association (AHA) は, 2000年に心肺蘇生法に関するガイドラインを改訂した。新しいガイドラインは, Evidence Based Medicineに基づき科学的根拠を明確にし, 標準的処置を単純化して心肺蘇生法が普及するように改訂された。そのガイドラインのAdvanced Cardiac Life Support (ACLS) では心肺蘇生に用いる薬としてバソプレシンが登場した。バソプレシンの受容体はV1受容体とV2受容体の2種類の存在が知られ, バソプレシンの作用もまたV1作用とV2作用に大別される。血管平滑筋に直接作用し収縮を促すV1受容体を介した作用はV1作用であり, 抗利尿作用はV2作用である。
    心肺蘇生時に, バソプレシンはβアドレナリン作用をもたないため心筋酸素消費量を増加させることなく冠血流量と脳血流量を増加させる。また心停止が遷延した場合, アシドーシスによってアドレナリン受容体を介した作用が減弱するのに対し, バソプレシンではその影響を受けないためエピネフリンより有効であると考えられる。心肺蘇生時に主として用いられる薬はエピネフリンであるが, バソプレシンも有用な薬であり, 今後の展開次第では繁用されるようになる可能性がある。本稿では, バソプレシンによる血管平滑筋細胞での作用およびその細胞内情報伝達機構に関する著者らの基礎的知見を含め紹介する。
  • 北村 晶, 小林 克也, 本郷 卓, 小川 龍
    2003 年 22 巻 1 号 p. 8-12
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    糖尿病性自律神経障害をもつ患者の全身麻酔中の体位変換が循環動態に与える影響について, 自律神経機能との相関を調査した。対象は50-65歳の全身麻酔予定患者で, 基礎疾患のない群 (コントロール群) および糖尿病患者群 (DM群) に分類した。自律神経機能の評価として, 麻酔前に深呼吸時の心拍変動およびhead-up tilt試験を施行した。セボフルランをもちいた全身麻酔中に20度のtilt upを行い, 循環動態と心拍変動および血圧変動の周波数解析を行った。Tilt upにより, 自律神経機能異常を示したDM群で血圧は有意に低下し, 心拍変動解析でLF/HF比, 収縮期血圧変動でLFが低値であり, エフェドリンによる昇圧効果は不十分であった。糖尿病性自律神経障害者では交感神経系の反応が低下して, 低血圧の状態が発生しやすく, さらに昇圧薬の反応も不十分で, 循環不全の発生, 悪化に留意する必要がある。
  • 瀧 健治, 加藤 博之, 平原 健司, 大串 和久, 戸塚 和敏, 岩村 高志
    2003 年 22 巻 1 号 p. 13-18
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    AT-IIIの臓器保護作用を検討する目的で, 家兎の肝臓低灌流モデルの門脈遮断前に生理食塩水あるいはAT-IIIを静脈内投与し, 血圧, 肝臓局所血流量, 白血球数, 血小板数, 血清肝細胞逸脱酵素, 血管作動因子のPGI2, NO, エンドセリン, 並びに動脈血ガスの推移を調べた。AT-III投与群では遮断解除後に肝血流量とBEが著明に回復して, 白血球数は低下しなかった。また, 肝細胞逸脱酵素LDHの上昇が比較的小さかった。これらのことから, AT-IIIは肝臓内血流を改善して門脈遮断解除後に白血球が肝臓へ集積するのを防ぎ, 肝臓の低灌流障害に予防効果があると示唆された。
  • 孫 弘樹, 小谷 順一郎
    2003 年 22 巻 1 号 p. 19-24
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    脳皮質静脈梗塞における脳血管反応性と脳組織の器質的変化を知る目的で, 家兎の局所脳静脈梗塞モデルを用いて, 急性期の当該静脈還流領域における脳血管の二酸化炭素 (CO2) 反応性と脳浮腫発現を検討した。さらに亜急性期における血液・脳関門 (BBB) の破綻状況と, 組織学的所見を検討した。その結果, 静脈閉塞1時間後には脳血管のCO2反応性は減少した。また, 3時間後の梗塞領域大脳皮質の組織比重は低値を示し脳浮腫発現が示唆された。5日後の亜急性期では, cortex optics領域に限局した出血性変化とエバンスブルーの血管外漏出が認められ, BBBの破綻が推定された。組織学的にも顕著な出血性梗塞が認められた。以上より, 脳静脈梗塞においては, 急性期に脳血流量の減少が認められない部位であっても広範な障害に進展する可能性があることが示唆された。
  • 戸田 寛
    2003 年 22 巻 1 号 p. 25-27
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    脊髄麻酔後, 病棟で徐脈・血圧低下を2度にわたり来した症例を経験した。症例は, 55歳, 男性。右そけいヘルニア根治術が予定された。1年前, 脊髄麻酔下に同じ手術を受け, 術後翌朝トイレで排尿後, 意識が消失した。心拍数は40回/分台で, アトロピンの投与により意識, 循環動態は速やかに回復した。今回も脊髄麻酔下で, 尿道カテーテルを留置し合併症なく手術を終了した。帰室2時間20分後, 嘔気を訴え, 収縮期血圧が50mmHg台に低下し, エフェドリンの投与で心拍数血圧は約15分後に安定した。本症例のように, 脊髄麻酔後には病棟に帰室して数時間後に徐脈・血圧低下を認めることがあり十分な観察と迅速な処置が必要である。
  • 大竹 一信, 新庄 康孝, 森本 康裕, 石田 和慶, 松本 美志也, 中木村 和彦, 坂部 武史
    2003 年 22 巻 1 号 p. 28-30
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    ペースメーカーを装着した患者の冠動脈バイパス術で, Bispectral index (BIS) と近赤外線分光法 (NIR) による脳組織酸素飽和度 (rSO2) をモニタした。麻酔はフェンタニル, プロポフォールで行った。人工心肺離脱後, 自己心拍とペーシングが競合し血圧が低下した。この時急激なBISの低下 (55→0) とSuppression Ratio (SR) の上昇 (2→99) を認めた。このときrSO2も51~53%から27~28%に低下した。一時的な人工心肺の再開で, BISとrSO2は速やかに回復し, 以後の経過に問題もなく中枢神経障害を残さなかった。BISは本来鎮静レベルのモニタであるが, 本症例のように循環不全時には, 脳血流の低下に伴う脳波の変化を鋭敏に捉え, 心臓手術中の脳虚血モニタとしても有用と考えられた。
  • 水野 樹, 高崎 正人, 西山 友貴, 花岡 一雄
    2003 年 22 巻 1 号 p. 31-35
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    二次的に偶発性低体温症をきたした4症例を経験し, 患者背景と転帰を検討した。全症例が高齢者 (66~82歳) で冬季に, 3症例が屋内で1症例が屋外で発見された。原因として, 胃潰瘍穿孔後腹膜炎, 脊髄小脳変性症, 飲酒酩酊による転倒後大腿骨頚部骨折, 脳出血が考えられた。心電図上, Osborn波を2症例で認めた。高CK血症を3症例, 腎障害を2症例, 高アミラーゼ血症を3症例, 代謝性アシドーシスを2症例に認め, 持続的血液濾過透析 (CHDF) を2症例に施行した。全症例に体表加温法と保温輸液による体腔内加温法を施行した。死亡は2症例であった。屋内発見の高齢者偶発性低体温症は致死的となりうる。適切な加温方法と早期の基礎疾患の検索と処置が必要である。
  • 門井 雄司, 国元 文夫, 斎藤 繁, 後藤 文夫
    2003 年 22 巻 1 号 p. 36-38
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    胸椎圧迫骨折により1週間の安静にしていた78歳の女性が症例。離床時に突然の呼吸困難が出現した。SpO2が60%と著明に低下を認め, 血圧低下 (収縮期圧で50-60mmHg台) を認め, 肺血栓塞栓症を疑われ, 当院緊急入院となった。肺動脈造影を行い, 左右の肺動脈主幹部に血栓を認めたため, 機械的除去を試みたが, 除去出来ず, 組織プラスミノーゲンアクチベータ (t-PA) を2400万単位投与した。処置中に心停止となり, 蘇生後IABPおよびPCPSを装着した。その酸素化および血行動態は改善し, 2日後の肺動脈造影では主幹部の血栓に縮小が認められた。血行動態も改善したため, 発症後3日後にPCPS離脱となり, 6日後に気管内チューブの抜管にいたった。
    今回の症例は心停止となったが, 循環補助装置による速やかな循環・呼吸状態改善を計り, 蘇生することができた。
  • 小山 照幸, 宮野 佐年
    2003 年 22 巻 1 号 p. 39-42
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    22歳男性, 突然の頭痛.意識障害で発症し心肺停止したが蘇生された。小脳動静脈奇形の破綻による小脳出血と後頭蓋窩硬膜下血腫およびそれに伴う硝子体出血と診断された。緊急血腫除去術を行い.動静脈奇形に対してはガンマナイフ治療を行った。小脳宍調に対してはリハビリを行った。両眼の視覚障害の改善と網膜症発症予防のため硝子体手術を考慮したが, 動静脈奇形の再出血が危惧されたため, 保存的に経過観察し, 視力の徐々なる改善をみている。急激な頭蓋内出血による硝子体出血をテルソン症群と呼び, 早期の硝子体手術が必要であるが, 動静脈奇形による場合には再出血の危険性があり保存的治療が妥当と考えられた。
  • 村田 智彦, 金澤 正浩, 福山 東雄, 鈴木 利保
    2003 年 22 巻 1 号 p. 43-46
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    急激な血清CPK値の上昇を認めた亜型悪性高熱症を2例経験した。両症例共に体温上昇は軽度であったが, 著明なミオグロビン尿および10万IU/Lを超える血清CPK値を認めたため, 筋融解による急性腎不全を防ぐために1例目では発症から24時間後に, 2例目では8時間後に血液濾過を施行した。以後, 腎機能の悪化は認められず良好な経過を得た。悪性高熱症において急激な筋融解が原因で起こる急性腎不全は未だ重要な合併症であり, 適切な予防や治療が必要である。臨床症状や筋融解を示す血中逸脱酵素の変化を遅れることなく把握し, 早期からの血液浄化法の施行も治療のオプションであると考えられる。
  • 灘 英世, 高木 信良
    2003 年 22 巻 1 号 p. 47-50
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    心肺機能停止では, 時間の経過とともに同復の機会は減少する。従って, いかに早く正しい心肺蘇生法を行うかが重要になってくる。著者らは心肺蘇生法の普及・教育は早い年齢段階から行うことが必要であると考え, 高学年児童 (5, 6年生) に心肺蘇生法の講習会を実施し, 実践能力がどの程度あるのか, また, 心肺蘇生法についてどのように感じているのかを評価した。
    その結果, 児童でも心肺蘇生法の実施においては十分な効果が望めることが明らかになった。また, 児童自身が心肺蘇生法の必要性を感じており, これからの小学校の教育課程に心肺蘇生法を導入しても十分な効果が得られるものと考えられた。
  • 2003 年 22 巻 1 号 p. 51-64
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
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