蘇生
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25 巻, 1 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 内野 博之, 諸田 沙織, Chen Li, 高橋 俊明, 工藤 佳久, 池田 幸穂, 石井 脩夫, 芝崎 太
    2006 年 25 巻 1 号 p. 1-11
    発行日: 2006/03/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    脳は非常に繊細な臓器であり, 短時間の虚血によって容易に障害を受ける。麻酔科医は, 通常業務の中で脳障害を引き起こす病態に遭遇することが少なく無い。
    脳をさまざまな侵襲から守るためには, 脳の生理的な特徴と脳障害を引き起こす病態の把握が重要となる。脳が虚血となるときの脳血流, 動脈血酸素分圧, 脳潅流圧はどのくらいなのか。脳を障害する病態と脳障害の基礎的なメカニズムおよび二次的に派生する障害の重要性とは何かについて概略を述べた。
  • 金田 徹, 関 博志, 勝又 澄
    2006 年 25 巻 1 号 p. 12-16
    発行日: 2006/03/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    8-ヒドロキシデオキシグアニジン (B-OH-dG) は活性酸素によるDNA損傷のマーカーとして考えられている。今回手術侵襲, 麻酔と酸化ストレスとの関連を検討するため硬膜外麻酔併用プロポフォールTCI麻酔下腹腔鏡下胆嚢摘出術 (Lap-C) 5症例の尿中8つH-dGをクーロアレイメディカルシステムを用いて測定した。採尿は導入直後, 気腹5分, 30分後, 手術終了時, 手術翌朝とした。8-OH-dG値は5症例でばらつきが大きく, 気腹に伴う大きな変動はなく経時的にはおおむね同様に推移した。Lap-C中の酸化ストレスはさほど大きくないと考えられ, 適切な深度の麻酔が手術侵襲による酸化ストレスを抑制させた可能性が考えられた。すなわち十分な深度の麻酔は抗酸化作用を持つ事が示唆された。
  • 門井 雄司, 後藤 文夫
    2006 年 25 巻 1 号 p. 17-22
    発行日: 2006/03/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    敗血症性ショックにおけるvasopressinとnorepinephrineの各種臓器血流量への影響を比較検討した。
    ラットにエンドトキシン (LPS) 静脈内投与を行い, 30分後からvasopressin0.05IU/min (n=10) またはnorepinephrine0.2μg/kg/min (n=10) の持続投与を開始した。平均血圧のほかに, 超音波プローベを用い心拍出量, 内頚動脈, 腎動脈そして腸間膜動脈の血流量を測定し, LPS投与後4時間まで観察した。Vasopressin (v群) とnorepinephrine (n群) 持続投与は, エンドトキシン (LPS) 静脈内投与により低下した平均血圧や心拍出量を回復させた {平均血圧: LPS投与後v群, n群は各々52±5mmHg, 51±6mmHgへ低下し, 各薬剤投与後1時間後に91±7mmHg, 88±8mmHgとなった (平均値±標準偏差, p<0.05) 。心拍出量: LPS投与後v群, n群は各々6.9±0.5ml/min, 6.7±0.6ml/minへ低下し, 各薬剤投与後1時間後に9.3±0.8ml/min, 9.6±0.8ml/minとなった (p<0.05) 。}
    一方, 臓器血流の変化は, vasopressinの持続投与により, 内頚動脈では投与前値と比較して1時間後88±8%, 腸間膜動脈では1時間後61±8%, 腎動脈では投与前値の1時間後80±8%と臓器により効果は一定していなかった。norepinephrineの持続投与は, 腎動脈 (投与前値と比較して1時間後66±6%) および腸間膜動脈 (投与前値と比較して1時間後56±6%) の血流量を低下させたが内頚動脈の血流量 (投与前値と比較して1時間後84±6%) は回復させた。
    敗血症性ショックに対するvasopressin0.05IU/minとnorepinephrine0.2μg/kg/minの臓器血流に対する効果は一定しておらず, 両薬剤とも腹腔内血流量を低下させた。
  • 武内 有城
    2006 年 25 巻 1 号 p. 23-27
    発行日: 2006/03/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌手術中に肝静脈からの血栓と空気の流入による肺塞栓ショック症例2例を経験したので報告する。症例1は70歳台男性で肝前後下区域の6.5cm肝細胞癌にて2002年9月に手術施行。肝切離中に突然ショックとなり, 肺塞栓を疑い手術中止。肺血流シンチにて右肺末梢の血流低下とTAE追加時に肝静脈内に血栓を確認。症例2は60歳台男性で肝前上区域の2cm肝細胞癌にて2003年4月手術施行。肝切離開始直後に末梢肝静脈よりの空気流入による肺塞栓にて手術中止。肺血流シンチにて左肺の血流低下を確認。肝細胞癌切除手術中の肺塞栓はショックを伴い非常に重篤となるため, 予防または発症後の適切な対応が重要である。
  • 原田 英宜, 大竹 一信, 山下 理, 中村 真之, 石田 和慶, 松田 憲昌, 坂部 武史
    2006 年 25 巻 1 号 p. 28-32
    発行日: 2006/03/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    妊娠中毒症から病態が進行し, HELLP症候群 (Syndrome of hemolysis, elevated liver enzyme and low platelet) に子癇発作を合併した症例の帝王切開術を全身麻酔下に行なった。高血圧を合併し, 分娩後, 1日目に著明な血小板数低下を生じ, 脳出血をきたした。しかし, 出血部位が側脳室に接した尾状核で, 脳室に出血したため脳実質の圧迫が軽度であったことと, 血圧管理, 血小板管理エダラボン, フェニトインの投与により, 中枢神経障害を残さなかった。
    HELLP症候群では, 分娩後も血小板の減少が続くため, 周術期を通して血小板数の維持, 血圧管理を含めた細心の全身管理が必要である。
  • 小山 照幸, 武田 聡, 笠井 督雄, 太田 眞, 吉田 和彦, 小川 武希
    2006 年 25 巻 1 号 p. 33-37
    発行日: 2006/03/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    一般市民のAED (Automated external defibrillator, 自動体外式除細動器) 使用が可能となった現在, 病院職員が心肺蘇生を正しく実施できることは義務であるとも考えられる。当院では心肺蘇生法教育の重要性を認識し, 2004年6月より毎月院内BLS (Basic life support, 一次救命処置) +AED講習会を開催してきた。開始後9か月経過し受講者は228人となった。そこで職員の心肺蘇生に対する意識と知識がどう変化したかについてアンケート調査を行った。心肺蘇生についての関心および知識はどちらもやや増加していたが, まだすべての職員に行き渡っていなかった。今後は関心の低い職員の多い部署を中心に講習会を開催するなど, 医療に身近な病院職員が正確な心肺蘇生法を習得し, その知識と技術を継続させる必要がある。
  • 井川 修
    2006 年 25 巻 1 号 p. 38-43
    発行日: 2006/03/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 2006 年 25 巻 1 号 p. 79
    発行日: 2006年
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
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