蘇生
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30 巻, 1 号
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総説
  • 坂部 武史
    2011 年 30 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2011/03/25
    公開日: 2011/09/12
    ジャーナル フリー
     平成21年(2009年)7月17日に「臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律」が公布されたことに伴い,15歳未満の小児の法的脳死判定及び臓器提供への途が開かれた。また臓器提供に係る意思表示のあり方も変更された。改正法の骨子は,1) 親族への優先提供が可能,2) 本人の生前の臓器提供の意思が存在しなくても,家族の承諾によって臓器提供が可能,3) 15歳未満の小児から臓器提供が可能,4) 虐待による事例は臓器提供者から除外する,である(表1)。平成22年7月17日(親族への優先提供については平成22年1月17日)をもって施行が開始された。
     法律施行に先立って,厚生労働科学特別研究事業として,小児の脳死判定及び臓器提供等に関する調査研究班が組織され,その班員の一人として現状の問題点の整理と小児法的脳死判定基準の作成に関わった。本稿では,その経緯と小児法的脳死判定基準について概説する。
  • 高村 政志, 斎藤 之弥, 中田 晃
    2011 年 30 巻 1 号 p. 8-14
    発行日: 2011/03/25
    公開日: 2011/09/12
    ジャーナル フリー
     日赤は海外での災害時,緊急救援の一環として医療救援を行っており,発災後のフェーズに応じて外傷治療からリハビリ・保健衛生まで,刻々変化するニーズに応じた様々な活動を展開している。さらに,発災直後の救援活動から復興までを切れ目ない一連のプロセスとして捉え,保健医療衛生や被災者の生活再建など,幅広い分野で継続した支援活動を国際赤十字と連携して行っている。発災直後に救援活動を開始するのは地域住民であり,ボランティアへの防災トレーニングや救急法の普及など,災害多発地域におけるコミュニティレベルでの災害対応能力の向上を図っている。赤十字の使命は,災害弱者など特に支援を必要とする人々に救援から復興まで手をさしのべることである。
原著
症例
  • 瓜本 言哉, 金田 徹, 鈴木 利保
    2011 年 30 巻 1 号 p. 20-22
    発行日: 2011/03/25
    公開日: 2011/09/12
    ジャーナル フリー
     特発性食道破裂は発症から24時間以上経過した場合死亡率が高く,早期診断・治療が重要となる。今回,発症から診断まで13日を要した特発性食道破裂に対し,緊急手術の施行により良好に経過した症例を経験した。症例は65歳女性。飲酒後の嘔吐,吐血を契機に発症,13日目に特発性食道破裂と診断,緊急に左開胸胸腔洗浄ドレナージ,穿孔部閉鎖・胃底部被覆術を施行した。手術は順調に経過し,術後11日間の人工呼吸器管理を要したが,28日目に独歩にて退院となった。新たな合併症の発症の予防を念頭に入れた管理を行い,加えて全身性炎症性疾患を合併することなく経過した点,縫合不全の発症がなかった点が良好な予後につながったと考えた。
  • 茂木 康一, 佐藤 正章, 瀬尾 憲正
    2011 年 30 巻 1 号 p. 23-26
    発行日: 2011/03/25
    公開日: 2011/09/12
    ジャーナル フリー
     我々は産科DIC を発症した子宮内反症の麻酔管理を経験したので報告する。症例は25歳の初産婦。自然分娩直後から子宮内反症による大量出血を来した。徒手整復術は奏功せず,救命目的に救急搬送された。意識下挿管後,麻酔はセボフルランとフェンタニルで維持した。産科DIC スコアは上昇し,収縮機能不全となった子宮からの止血が困難となった。そのため,原因子宮の摘出と輸血療法を行った。術後はICU 管理を行い,術後7日目には独歩退院した。内反症は必ずしも産科DIC と直結しない。しかし収縮機能不全に陥った子宮は産科DIC を惹起しうる。産科DIC には正確な臨床評価,他科との速やかな連携及び集学的治療が重要である。
報告
  • 田村 正徳
    2011 年 30 巻 1 号 p. 27-32
    発行日: 2011/03/25
    公開日: 2011/09/12
    ジャーナル フリー
     日本蘇生協議会の構成メンバーである日本周産期・新生児医学会は2007年7月から日本版新生児心肺蘇生法ガイドラインを周産期医療関係者に実技講習会を通じて修得させるプログラム(NCPR)を学会認定事業として開始した。2010年6月末現在で,新生児蘇生法「専門」コース(Aコース)指導医は1,246名,学会認定講習会受講者は18,786名に上っている。一方では,インストラクター数の地域偏在,インストラクターの活動度の格差,講習会開催の地域格差,低い認定手続き率,少ない再履修機会等の問題点が明らかとなっている。ILCORの新生児部会で33のワークシートに関して検討作業が進められてきたConsensus2010に対する日本版ガイドラインの準備経過についても報告する。
紹介
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