蘇生
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33 巻 , 1 号
蘇生33巻1号
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原著
  • 針馬 日出美, 金田 徹, 中島 芳樹, 鈴木 利保
    2014 年 33 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 2014/04/15
    公開日: 2014/05/02
    ジャーナル フリー
     悪性高熱症の既往をもつ女性が椎弓形成術を予定された。その際悪性高熱症に関する精査の希望があり術中に筋生検を施行した。その結果,高い悪性高熱症の素因があり子孫への遺伝の可能性が判明した。同時にそれが家族内で共有されたことが功を奏し,息子が緊急手術を受ける際,悪性高熱症の家族歴を自ら申告した。そのため悪性高熱症への十分な対策の下に安全に麻酔管理を行うことが可能となった。もしこの息子が悪性高熱症に対する認識がなかったら,今回の緊急手術時に悪性高熱症を発症した可能性が高かったと言える。
     悪性高熱症という疾患について,患者自身ならびにその家族が十分認識するような啓発活動は重要である。
レポート
  • 嶋田 文彦
    2014 年 33 巻 1 号 p. 6-9
    発行日: 2014/04/15
    公開日: 2014/05/02
    ジャーナル フリー
     救急救命士の業務は年々拡大している。これにともない,我々麻酔科医の気管挿管実習指導等の負担も年々拡大している。しかし果してこれらの「救急救命士業務拡大が患者の心肺蘇生・社会復帰率の向上に寄与しているか」結論は出ていない。麻酔科医不足が社会問題化する中で,「麻酔科医が救急救命士の業務拡大にともなう実習指導に多大な時間をさく」ことが正しいといえるのか,はなはだ疑問である。私の救急救命士気管挿管実習指導経験および所属メディカルコントロール内における心肺蘇生状況を紹介し,その中で感じた点を麻酔科医の今後への問題提起とする。
症例報告
  • Koji Sato, Takashi Horiguchi, Toshiaki Nishikawa
    2014 年 33 巻 1 号 p. 10-12
    発行日: 2014/04/15
    公開日: 2014/05/02
    ジャーナル フリー
     Pulmonary aspiration of gastric contents during induction of anesthesia is a serious complication. A 61-year-old male who had previously undergone esophagectomy, was scheduled resection of hypopharyngeal tumor under endoscopy. He was directed to abstain from food 16 hours and clear liquids 4 hours, respectively, before entering the operating room. Just after loss of consciousness on injection of propofol, the patient coughed before bag-mask ventilation, and administration of a volatile anesthetic and a neuromuscular blocking drug. As pulmonary aspiration was suspected, tracheal intubation was performed at once without the use of a neuromuscular blocking drug. Just after tracheal intubation, a large volume of brownish liquid was discharged through the tracheal tube with cough reflex, and the liquid was immediately removed. Arterial blood gas analysis showed hypercapnia without hypoxia. After operation, the patient was not extubated and aminophylline was administered, because hypercapnia persisted postoperatively. Because PaCO2 gradually decreased to normal range after administration of aminophylline, the patient was extubated 18 hours after induction of anesthesia. In conclusion, a patient with a past history of esophagectomy is likely to be at high risk of pulmonary aspiration during induction of anesthesia irrespective of 16 hour-preoperative fasting.
  • 工藤 良平, 長崎 剛, 堀口 剛, 西川 俊昭
    2014 年 33 巻 1 号 p. 13-17
    発行日: 2014/04/15
    公開日: 2014/05/02
    ジャーナル フリー
     妊娠29週にStanford A型急性大動脈解離を発症したMarfan症候群患者の帝王切開術の麻酔管理を経験した。症例は30歳,女性。妊娠29週に突然の胸背部痛のため当院を受診し,急性大動脈解離と診断された。可及的早期に帝王切開術と心大血管修復を予定したが,併発した肺炎に治療を要した。第9病日に帝王切開術とさらなる産科的出血を回避するための子宮全摘術が行われ,第20病日に上行弓部大動脈人工血管置換術が施行された。母子ともに術後経過は良好であった。大動脈解離を合併した妊婦に対して,二期的な外科治療を行うことにより安全な周術期管理を行うことができると考えられた。
  • 野坂 修一, 上野 裕美, 北川 裕利, 千原 孝志
    2014 年 33 巻 1 号 p. 18-20
    発行日: 2014/04/15
    公開日: 2014/05/02
    ジャーナル フリー
     症例は83歳の男性。腹部大動脈瘤の切迫破裂症例で緊急人工血管置換術が全身麻酔下で施行された。術中大量出血が認められたが,救命できた。術中出血量は約25,670mlで,主に,回収式自己血輸血,新鮮凍結血漿,赤血球製剤で対応したが,アルブミン製剤は使用しなかった。上記の輸血ならびに昇圧剤で対応したが,手術の後半の5時間は循環動態が不安定で低血圧状態であった。しかし,麻酔科医と術者側の頻回の対話などが,出血速度の予測を可能にし,術後,神経学的後遺症もなく救命できた。日本麻酔科学会のガイドラインに準じた3名の麻酔担当医などのマンパワーが役立ったが,術中の低体温は防止できなかった。
  • 鴛渕 るみ, 若松 弘也, 松田 憲昌, 松本 聡, 松本 美志也
    2014 年 33 巻 1 号 p. 21-25
    発行日: 2014/04/15
    公開日: 2014/05/02
    ジャーナル フリー
     コンパートメント症候群は,筋区画内圧測定により診断・治療を行う。筋区画内で適切な血液の潅流によって酸素運搬が行われることが重要であり,そのモニターとして,近赤外線分光法(near-infrared spectroscopy:NIRS)により筋区画内の局所酸素飽和度(regional saturation of oxygen:rSO2)を測定することは,理にかなった方法である。減張切開が必要となったコンパートメント症候群で,筋区画のrSO2を測定したところ低値を示した2症例を経験した。減張切開の適応判断に,NIRSが有用となる可能性がある。
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