敗血症性ショックに対するVA-ECMOの有用性については一定の見解を得ていない。今回,前立腺膿瘍による敗血症性ショックから頻回の心停止に陥った症例に対しVA-ECMOを導入し救命した症例を経験した。
エンドトキシン吸着療法および持続血液濾過透析を開始し,VA-ECMOを導入し循環を維持した。導入2日目に脈圧の増大を確認し心収縮力の改善が見られたためドブタミンの少量投与を開始し,導入5日目に離脱した。
本症例ではVA-ECMOによる循環維持,抗菌薬投与,腎代替療法を行い,心筋障害の改善が得られた。敗血症性ショックにおいて経過,感染巣,基礎疾患によりVA-ECMOは選択され得る治療の一つと考える。
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