日本鼻科学会会誌
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53 巻, 1 号
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原著
  • 西田 直哉, 高橋 宏尚, 青石 邦秀, 暁 清文
    2014 年 53 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/19
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    腎細胞癌の鼻副鼻腔転移は,比較的まれとされている。今回われわれは,腎細胞癌治療後9年経過して鼻副鼻腔に転移した症例を経験したので報告する。症例は82歳,女性。繰り返す鼻出血を主訴にX年1月,近医を受診。右鼻腔後方に暗赤色・易出血性の腫瘍を認め,精査加療目的に1月下旬当科初診した。生検の結果,淡明細胞癌であった。9年前に腎細胞癌で腎摘出術,3年前に腎細胞癌の肝転移で肝切除の既往があり,腎細胞癌の副鼻腔転移と診断した。原発巣,肝転移ともに制御されており,鼻出血を繰り返していることから外科的切除術を行う方針とした。腎細胞癌は血流豊富な腫瘍であり術中の大量出血が予想されるため,術前日に栄養血管である右蝶口蓋動脈塞栓術を施行した。塞栓術後,腫瘍への血流は著しく減少した。2月下旬,内視鏡下に鼻副鼻腔腫瘍摘出術を施行,術中出血は300mlで輸血は行わなかった。術後,他臓器への転移が認められたが,術後1年6ヶ月経過した現時点では,担癌生存中で,経過中鼻出血の再発は認めていない。鼻副鼻腔領域に他臓器からの転移性腫瘍が発生するのはまれであるが,転移性鼻副鼻腔腫瘍の原発巣としては腎が最も多いとされる。鼻副鼻腔腫瘤を認めた場合,腎細胞癌の転移の可能性も考慮する必要がある。
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