日本鼻科学会会誌
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53 巻 , 2 号
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原著
  • 長谷川 雅世, 吉田 尚弘, 松澤 真吾, 金沢 弘美, 飯野 ゆき子
    2014 年 53 巻 2 号 p. 77-84
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/09/09
    ジャーナル フリー
    鼻副鼻腔神経鞘腫は頭頸部原発のうち約1%と稀である。今回我々は鼻副鼻腔原発神経鞘腫の3例を経験したので報告する。症例1:59歳女性。右鼻閉を主訴に近医を受診し右鼻ポリープの生検で神経鞘腫と診断され紹介となった。鼻中隔に基部を有する表面平滑な腫瘤を認め,副鼻腔CTで鼻中隔の骨破壊はなかった。内視鏡下に経鼻的に腫瘍を摘出した。病理標本では神経鞘腫Antoni A型の診断であった。症例2:72歳女性。人間ドックで行った頭部MRIで右篩骨洞内の腫瘤を指摘され当科を受診した。副鼻腔CTで右前篩骨洞に占拠性病変を認め,右眼窩内側壁の骨欠損を認めた。内視鏡下に腫瘍を切除した。病理診断は神経鞘腫Antoni A型であった。症例3:34歳女性。右鼻閉を主訴に近医を受診し,右総鼻道に充満するポリープ状の腫瘍性病変を認められ紹介となった。副鼻腔CTでは右鼻腔,上顎洞,前頭洞,篩骨洞に軟部陰影を認めた。生検で神経鞘腫の診断であった。内視鏡下に鼻腔腫瘍切除術を行い,鼻中隔前上方に腫瘍基部を確認した。病理標本で神経鞘腫Antoni A, B混合型と診断された。3症例いずれも現在まで再発を認めず,内視鏡下鼻内手術で腫瘍を完全切除できたと考えられた。
  • 大塚 雄一郎, 花澤 豊行, 岡本 美孝
    2014 年 53 巻 2 号 p. 85-91
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/09/09
    ジャーナル フリー
    IgG4関連疾患は全身性の慢性炎症性疾患であり,IgG4陽性形質細胞の浸潤と高度の線維化が組織学的な特徴である。全身の複数の臓器が障害され,自己免疫性膵炎,後腹膜線維症,Mikulicz’s 病,Küttner腫瘍やそのほか多数の疾患が知られている。近年鼻副鼻腔におけるIgG4関連疾患が報告されている。我々は鼻腔に病変を来した2例のIgG4関連疾患について報告する。症例1,56歳男性,Mikulicz’s病で加療中に鼻閉と鼻出血を訴えた。鼻粘膜は痂皮で覆われ易出血性であった。病理組織学的検査では鼻粘膜にIgG4陽性形質細胞の浸潤を認めた。血清のIgG4は最高で2,500mg/dlであった。症例2,76歳男性。Küttner腫瘍で加療中に鼻閉と鼻出血を訴えた。鼻粘膜は痂皮で覆われ易出血性で,小さなポリープを認めた。血清のIgG4は最高で1,260mg/dlであった。2症例とも点鼻の副腎皮質ステロイド薬(以下ステロイド薬)は効果がなく,経口ステロイド薬で唾液腺腫脹,涙腺腫脹,口渇とともに鼻症状も改善した。易出血性の鼻粘膜に痂皮が付着するような,通常とは異なる所見を示す鼻炎ではIgG4関連疾患も鑑別疾患に入れる必要があると考えられた。
総説
  • 黒木 知明, 吉本 信也
    2014 年 53 巻 2 号 p. 92-101
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/09/09
    ジャーナル フリー
    眼窩吹き抜け骨折に対する経皮的アプローチとして,われわれは,下壁骨折には下眼瞼切開,内壁骨折には内眼角切開を選択している。下眼瞼切開は,睫毛下と眼窩下縁の中間付近を自然皺襞に沿って切開する。これにより,広い術野が得られ,術後瘢痕も目立たない。内眼角切開では,内眼角靱帯,前,後篩骨動脈の切断を要する。眼窩の剥離は,骨欠損の全周を確認できるまで行う。これは,眼窩内容物を全て眼窩内へ還納するためと,眼窩壁を再建する移植片を確実に骨欠損の辺縁に載せて,副鼻腔に脱落させないようにするためである。眼窩壁の再建は,眼窩内容物の再脱出による再拘扼や外眼筋の下垂,眼球陥凹などを防ぐために必要である。再建は骨欠損を移植片で閉鎖することで行うが,生理的な眼窩容積に影響を及ぼさないよう,移植片はできるだけ薄い再建材料であることが望ましい。腸骨内板は,薄く,生着することにより半永久的な支持性をもつものと考えられ,移植片として適している。経皮的アプローチの最大の欠点は,顔面に瘢痕を残すことであるから,縫合に際しては手術瘢痕を目立たせないような配慮が必要である。とくに内眼角切開後は,内眼角靭帯の正確な再縫合が内眼角部形態の再現に重要である。
急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン 2010年版(追補版)
エラータ
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