茨城県大穂町は筑波研究学園都市の一地域にあって, 農村地帯が主体を成し, 近代化の影響を受けつつも, ここ10年余り, 人口構成など大きな変化をみていない。人口13,000余人で国保加入率65.8%, 40才以上の人口比44.0%, 65才以上の人口比12.3%である。
昭和56年度から茨城県の脳卒中予防対策重点地区指定にあわせて, 筑波大学社会医学系, 谷田部保健所などとともに3年計画で脳卒中半減を目指して組織的対応を試みた。
町に対策推進協議会を育成し, 対策の企画立案からの参加, 専門部会での検診判定基準, 管理指導方針などを検討した。検診成績などの経年的整理検討と検診から管理への受け渡しの円滑化を計った。
町の衛生概況, 基礎的資料の整理検討と共に, 検診受診率の向上, 事後指導の強化と生活指導の重視に努めた。
その結果, 検診受診率は著しく向上し, 老人保健法施行以降は検診成績のコンピューター入力化を行い, 種々の面から分析を行うとともに経年的資料を各委員会に提出している。
住民および地元医師会, 保健関係者など次第に参加協力意識が増してきている。
結果的には, 経年的にみて各種検診成績の改善, とくに血圧値関係, 高度の肥満者, 二次検診対象者の指導区分上での改善などがみられ, 脳血管障害による死亡率も低減をみ, その死亡年齢も高齢化している。
今後は健康づくり推進協議会の中で幅広く活動を続けてゆく。
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