日本農村医学会雑誌
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36 巻 , 5 号
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  • 松原 昌世, 中川 秀昭, 奥村 義治, 倉本 安隆, 中川 秀幸, 河野 俊一
    1988 年 36 巻 5 号 p. 1013-1022
    発行日: 1988/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    昭和50年以降, ずい道工事出稼ぎ者の中から多数の重症な珪肺患者が発生し, 社会問題となっている。
    われわれは昭和52年~54年に富山県東部 (黒部保健所管内) 5地区の30才以上の全男性住民を対象に職歴に関するアンケート調査と珪肺検診を実施した。調査地区の30才以上の男の27%にあたる580人にずい道工事などの粉塵作業の出稼ぎ歴があり, 16%にあたる424人が珪肺患者であった。病型別内訳は一型46%, 二型29%, 三型14%, 四型11%であった。
    出稼ぎ珪肺患者の多くは離職し帰郷後に発見されており, われわれの調査で初めて珪肺罹患を知った者は70%と高率であった。この要因として患者が出稼ぎ者のため労働現場で健康診断や健康管理, 職場教育を十分受けられず, 初歩的防塵対策もなされていなかったこと等が考えられた。
    アンケート回答者を昭和58年末まで追跡調査したところ, 粉塵作業出稼ぎ者の死亡率は1,000人年対22.3であり, 粉塵作業以外の出稼ぎ者 (同14.9), 非出稼ぎ者 (同901) より有意に高く, 年令別では40~60才代でこの傾向が顕著であった。
    粉塵作業者の死因別死亡率人年は30才以上人口1,000人年対肺結核4.3, 悪性新生物4.3, 心疾患3.8, 肺炎・気管支炎3.0, 脳血管疾患2.7, じん肺2.1であり, 非出稼ぎ者に比べて呼吸器系の疾患で有意な超過死亡が認められた。
  • 保田 仁資
    1988 年 36 巻 5 号 p. 1023-1029
    発行日: 1988/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    瀬戸内海の離島はミカンの生産地が多く, 大量の肥料および農薬を施す。さらに, これらの島の土質は花崩岩の風化土壌よりなり透水性が高くて良質の飲料水を得ることは困難である。
    ここでは興居島北浦地区における8本の井戸水の調査を行ない内陸部の井戸水と比較した。調査した項目は亜硝酸態窒素, 硝酸態窒素, アンモニア態窒素, 硫酸イオン, 塩素イオンであり, これらの陰イオンは内陸部の肱川町の2.5~13倍の濃度でありメトヘモグロビン血症の発生も予想される。硝酸態窒素と硫酸イオンはともに施肥時期より約一か月遅れて井戸水中に検出される。塩分濃度とNa/Cl比を検討した結果, 海水の浸入は考えられない。濃度相関マトリックスおよび土質柱状図から5→1→2, 8→7→2と低い2号井の方向に水が移動していることが推察される。
  • 野田 喜代一, 伊藤 政志, 進藤 多妃子, 林 雅人, 細谷 賢一, 藤原 秀臣, 野尻 雅美, 関 博人, 真島 三郎, 磯村 孝二, ...
    1988 年 36 巻 5 号 p. 1030-1039
    発行日: 1988/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    農村における脳卒中は, 医学的にも社会的にも, きわめて重要な疾病である。脳卒中のうち高令者に多発している脳梗塞の多くは, 脳動脈の粥状硬化症を基盤として, 発症する疾病である。その粥状硬化症の進展において, 高血圧症はもっとも重要な危険因子である。また, その発症に関連して, 高血圧症のほか, 糖尿病, 高脂血症とくにHDL/TCh値の低値, 血液ヘマトクリツト (Ht) 値の増大, 冠木全, 心不全および不整脈とくに心房細動等が, 重要であることが報告されてきた。私ども研究班はこれらの危険因子, とくに最近増加している心房細動について, 脳塞栓・血栓ともに関係が大であることをあらためて知ることができた。しかし, 脳出血において高血圧症の持続による動脈硬化の進展, そこにいちじるしい血圧変動が起こることが直接的あるいは近接的発症因子となる, そのような因子については, 脳梗塞においてはまだ明らかでない。この点について, 今回の研究は, 高血圧と加令による心力の低下すなわち心不全傾向, それを助長する病態生理学的および外界諸要因が, 近接発症因子として重要であることを明らかにした。またそれを知るための臨床指標, そしてその予防対策についても知見を加えることができたものと思われる。
  • 真島 三郎
    1988 年 36 巻 5 号 p. 1040-1045
    発行日: 1988/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    農協共済加入者は契約件数で約1,800万件 (昭和60年), 脳率中死亡率は0.35%1で, 国民の人口に訂正して0.92%である。脳卒中死亡は年令とともに急増, 男子に多いが, 70才以上では男女差が少なくなる。地域的に東北地方および高令者の多い地方で多い。死亡診断書上の病名によると脳出血41%, 脳梗塞27%, クモ膜下出血13%, その他19%であり, このうち脳梗塞は高年層に多かった。発症より死亡までの日数は脳出血例に短いものが多く, また年令が若いほど短い傾向があった。共済加入時に医師の診査を受けた有診査群と, 受けなかった無診査群とを比較すると, 各年代層で有診査群の方が死亡率が低かった。有診査群の方が死亡率が低かった。有診査群のうち, 契約時の血圧が高かった例では契約から死亡までの期間が短いことが示された。
  • 伊藤 政志, 進藤 多妃子
    1988 年 36 巻 5 号 p. 1046-1050
    発行日: 1988/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    20年間のわれわれの連続剖検例1921例 (剖検率91%) を中心に一部臨床例, 検診例を加え, 秋田県農村における脳卒中病型, 病巣の年次推移, 最近の動向について述べ, さらにその発症要因についても言及した。
    近年の脳梗塞の比較的増加は高令者の心房細動を伴う大梗塞であり, 高血圧と密接な関係があり, 欧米でいわれているような高脂血とは関係が無く, 若い頃脳出血を免れた人達が今心房細動を介して大梗塞をおこしているのである。これの予防には若年からの高血圧管理が今もなお重要であることを強調した。
    検診の成績をみると高血圧管理の普及とともに心房細動も次第に減少し, 剖検例での脳動脈硬化, 冠動脈硬化も近年軽くなっているが, これは独り秋田だけでなく全国的なものと思われる。近年の全国各地での脳卒中病型の検討や発症要因の比較はこれを裏付けているのである。
  • 進藤 多妃子, 伊藤 政志
    1988 年 36 巻 5 号 p. 1051-1056
    発行日: 1988/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    真性多血症のように血中の赤血球濃度が異常に高い場合に脳卒中を起こす危険性が高いことはよく知られていることである。最近社会環境の変化に伴い, ストレスによる多血症や, 喫煙によると思われる多血症が増加してきている。さらに, 農村地帯の栄養改善の効果めざましく, 今までとくに貧血を問題にしてきたが, 今後はむしろ多血症に目を向ける必要があろう。血中Ht値の上昇は, 血液粘度の上昇をも意味しており, 動脈硬化の高い高令者においては、脳梗塞発症の直接的な引き金となり, 重要なriskfactorである。
    常時高Ht値を示す者のriskは非常に高く, 70才以上の高令者ではHt49%以上群は脳卒中発症率50%, Ht52%以上群からは100%であった。高令者ほど脱水などによるhaemoconcentrationに弱く, わずかのHt値の上昇でも発症につながる。脳卒中予防の立場から, 高令者のHt値は43%以下が好ましいと考える。
  • 林 雅人, 細谷 賢一
    1988 年 36 巻 5 号 p. 1057-1064
    発行日: 1988/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    脳梗塞発症の危険因子としての心房細動の重要性に関する報告は多くあるが, 心房細動の内容, とくに心室停止時間, 心拍数, その変動幅等から虚血性脳血管障害の発症率に差があるかどうかという報告はない。今回, 心房細動432例, 脳梗塞182例を対象に, この点を念頭におき危険因子としての重要性を検討した。また, 脳卒中発症例の発症前データを2年前にさかのぼって検討し, 脳卒中の近接予知として重要な項目について考察した。さらに, 一過性脳虚血発症 (TIA) 41例を追跡調査し, 脳卒中発症時期についても若干の検討を加えた。
    Holter心電図解析を導入し, 最長心室停止時間を検討したところ注目すべき結果が得られた。すなわち, 虚血性脳血管障害の発症率は心室停止時間が長く, 徐脈傾向の著しいものほど高く, 最長心室停止時間が2.5秒以下と4秒以上の間には有意差がみられた (p<0.05)。また, 徐脈傾向の著しい心房細動例ではCa-antagonist, β-blockerの使用率およびその併用率が有意に高く使用上の注意が必要と思われた。
    心房細動患者の虚血性脳血管障害合併率は23.2%であり, 虚血性脳血管障害患者の心房細動合併率は23.6%と高率であった。また, 心房細動合併群の脳梗塞は非合併群に比し大梗塞が多く, 出血性梗塞となるものが多かった。急性期死亡率も高かった。
    脳出血の近接予知上の重要項目としては, 既往歴で高血圧, 糖尿病, 症状で夜間頻尿, 倦怠感, めまい, 不眠, 心電図での肥大所見, 生化学検査での空腹時血糖, HbAl, 総コレステロール, BUNの異常が注目された。
    脳梗塞の近接予知上の重要項目としては, 既往歴で高血圧, 心房細動, 症状で夜間頻尿, 肩こり, 易疫労感, もの忘れ, 心電図の肥大所見, 生化学検査での空腹時血糖, 総コレステロール, HDL-ch, HDL比, 中性脂肪, 尿酸値の異常が注目された。
    TIAでは心房細動が危険因子として注目され, 観察期間 (平均16.5か月) 中の脳梗塞発症率は17.1%で, TIA発症後15.8か月で発症している。脳梗塞発症がTIA発作より15.8か月と比較的遅かったのは, 全体の75.2%が抗血小板療法または抗凝固療法を受けていたことに起因している可能性が考えられる。
  • 磯村 孝二
    1988 年 36 巻 5 号 p. 1065-1071
    発行日: 1988/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    高血圧は脳卒中の最大の危険因子として, 従来から数多くの報告がある。長野県佐久地域におけるWHO国際協同研究, 地域における脳卒中調査からも, 脳出血'脳梗塞とも高血圧の既往はきわめて高率で, かつ治療中断・放置群が多い結果であった。しかし, 70才以上の高令者においては, 高血圧の既往率は高いが, 治療中断・放置群の治療群との差は認められなかった。季節的変動と発症の関連をみると冬から春先に多発しているが, 脳出血は秋と春先の季節の変動期にもっとも多い。近年, 農村においても食生活の欧風化と農業労働の軽減によって'肥満度, 血清コレステロールの上昇がみられるが'長野県八千穂村のような山間農村でも例外ではない。同村においては長年にわたる高血圧管理によって, 血圧がよくコントロールされ, 脳卒中とくに脳出血が激減している。しかし, 高令者の脳梗塞は減少を示していない。佐久地域の中核病院である佐久総合病院の症例でも脳出血は減少し'脳梗塞とくに高令者の多発性脳梗塞が予想以上に多い。従来の疫学研究において, 血清総コレステロールは脳出血と負の相関を示していたが'秋田, 長野, 茨城, 大阪の中核病院の比較研究から現在は相関は認められず, また脳梗塞との正の相関も認められていない。
  • 野尻 雅美, 中野 正孝
    1988 年 36 巻 5 号 p. 1072-1078
    発行日: 1988/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    昭和40年より60年までの20年間にわたり, 毎年実施されてきた静岡県賀茂村の高血圧集団検診成績より, 後向きにコホートを作成し, 予後を追跡し, 脳死, 心死および病型別に脳梗塞, 虚血性心疾患による死亡の相対危険を算出, リスク要因を検討した。コホートの構成は昭和40年に30~69才 (30~49才一中年, 50~69才一高年) であった男女1,659人である。
    1) 脳死, 心死とも, 中年に比し高年に有意に高い死亡率であった。性差はみられなかった。
    2) 初回各検査項目別 (要因別) に相対危険を, 高年について算出した結果, 男女ともに大きな差を示した項目は, 脳死では血圧, 眼底, 心房細動, 肥満, 喫煙 (既往), 飲酒 (既往) および無職で, 有意差があった。脳梗塞については心房細動, 喫煙 (既往), 飲酒 (既往) に差がみられた。心死については血圧, 尿蛋白, ST変化, T変化, 喫煙 (現在, 既往) に有意差があり, 尿糖, Q波にも差があった。虚血性心疾患については眼底, ST変化, T変化に有意差, 血圧, 喫煙 (現在, 既往), 無職にも明らかな差があった。
  • 関口 善孝
    1988 年 36 巻 5 号 p. 1079-1084
    発行日: 1988/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    脳卒中患者の発症前1年以内の検査成績を検討し, 以下の結果を得た。
    1) 男女とも収縮期血圧・拡張期血圧の上昇, 尿酸値上昇, 尿素窒素上昇, 心電図異常 (心房細動・T波異常・QRS高電位・異常Q波) のある者からの脳卒中発症が多かった。・また, 男性はやせて貧血があり, 低蛋白血や高血糖を示すものから, 女性は肥満者で中性脂肪が高値を示し, クレアチニンの上昇している者から脳卒中が多く発症していた。
    2) 病型別には脳梗塞は高血圧・高血糖・低蛋白・腎機能障害例から, 脳出血は高血圧・高中性脂肪血・男の貧血から発症していた。
  • 藤原 秀臣
    1988 年 36 巻 5 号 p. 1085-1089
    発行日: 1988/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    心疾患と脳卒中発症の関連としては, 心内血栓や脳循環障害と脳梗塞の関係で心臓弁膜症, ペースメーカー植込み症例および心房細動などがあるとされている。しかし, 両者間の明確な関連性は必ずしも証明されていないのが現状である。そこで最近の症例で経過を把握しえた脳梗塞症例に認められた主な心疾患を検討し, さらに脳卒中および心筋梗塞における危険因子の比較, とくに脂質の遺伝学的解析などを試みた。その結果, 脳梗塞発症25例中11例に心疾患を認め, 心筋症が3例, 弁膜症が3例, ペースメーカー植込み症例が2例であった。一方, 心エコー図にて心内血栓を認めた14例中3例で脳梗塞発症が認められた。またペースメーカー植込み症例122例中死亡例は32例で, 内6例が脳卒中であった。心筋梗塞と脳梗塞の危険因子についてみると, 高血圧は両者で高頻度に認められたが, 高脂血症は, 脳梗塞では低率であった。脂質代謝と関連の深いとされているアポリポプロテインE (アポE) では心筋梗塞において特異的遺伝子表現型が認められたが脳梗塞では認められなかった。今回の検討は自施設だけの少数例であり, 多くを論じることはできないが, 心房細動や心内血栓と脳梗塞との関連は必ずしも明らかでなく, ペースメーカーに関連した脳梗塞も必ずしも多くはないことが注目された。一方, 危険因子の検討では, 高血圧, 糖尿病の関与は心筋梗塞, 脳梗塞ともに高いが, 高脂血症は様相が異なった。
  • 関 博人
    1988 年 36 巻 5 号 p. 1090-1094
    発行日: 1988/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    脳卒中の早期予知に, STIを用いることの正当性を確かめるため, 年令分布17才から80才までの男女120例を対象として, ヤコビイ法による主成分分析を行なった結果, 変量 (変数) を年令age, 収縮期圧sp, et/ict, 一回心拍出量KV, 指先細動脈波コンプライアンスcomp, 収縮期心半径scrad, 心力係数fi, 心拍数hrなどのSTIを用いると, 対象を健康群である第一主成分と, 高血圧, 心機能低下群である, 第二主成分に分離することができた。このことは循環動態の分析にSTIを用いることは理にかなったことであると考えられる。また後負荷が経過とともに増加する高血圧や, 拡張期長さが, RR間隔が不定のため, 心拍ごとに変化し, 心機能低下がみられる心房細動でSTIで測定した心拍出量, 指先細動脈波のコソプライアンスの低下が証明された。このような状態の持続が, 脳卒中発症の誘因となり得ると推測されるものである。
    脳卒中発作発症前1年前から, 6か月前, 3か月前, 1か月前と4回にわたりSTIで経過を追った。その結果脳卒中発作6か月前に, 指先細動脈波のコンプライアンスが低下し, ついで発作3か月前に等容縮期ICT収縮期心半径SCRADが増加すると同時に, 心拍出量KV, ET/ICT, 心力係数FIが低下した。そして発作1か月前に収縮期圧が上昇した。以上脳卒中予知に有意と思われるSTIは, 指先細動脈波のコンプライアンスの低下, 心収縮力, 心拍出量の低下, 収縮期心半径の増加などである。
  • 野田 喜代一, 関 博人, 岡田 芳子, 大野 知俊
    1988 年 36 巻 5 号 p. 1095-1106
    発行日: 1988/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    脳卒中とくに脳血栓は, 脳動脈の粥状硬化症を基盤として発症する疾病である。脳動脈粥状硬化症発症の三大因子は加令, 高血圧, 糖尿病である。そこで, この三大因子の終着像を心機図法による血行力学的因子について観察し, 脳血栓発症の近接危険因子あるいはトリガー因子を検討してみることにした。その結果, 三大因子のいずれにおいても, 終着像としては全末梢血管抵抗そして動脈硬化度の増大と心不全の進展とを推定することができた。そして, この心不全が発症のトリガーとして重要であることが考察された。なお, 三大危険因子が終着像にいたる過程において, 血液脂質の増加とたん白質の減少がみられるということもわかった。脂質/たん白質比の増大の持続は, やがて脳梗塞の基盤となる粥状硬化症の進展にかかわるものと思えるのである。
    農村においては, 都市よりも脳卒中が多発するが, これは農村の高血圧者は同年代の都市の高血圧者の場合よりも, 心機能の低下がいちじるしいことに, その原因をもとめうるものと考えることができた。そして, その心機能低下の要因は栄養の問題にもとめうるものと思えた。
    したがって, 脳梗塞発症の近接的予防法としては, 高令者, 高血圧者, 糖尿病者等, 脳卒中素因のある者における心不全の早期発見とその予防および治療が重要であると考えるものである。
  • 関 博人, 藤原 秀臣, 伊藤 政志, 進藤 多妃子, 林 雅人, 細谷 賢一, 野尻 雅美, 真島 三郎, 磯村 孝二, 関口 善孝, 野 ...
    1988 年 36 巻 5 号 p. 1107-1113
    発行日: 1988/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    脳卒中は農村において死亡率の高い疾患として, 臨床上, 疫学上重要な疾患であるが, その事前予知, 事前予防が可能ならば, 農民のみならずすべての人にとっても大きな利益となるのである。1985-1986年度にかけ全共連委託研究 [農村における脳卒中発症の近接予知ならびに事前予防についての研究] の一部として脳卒中患者の発症前の, 自覚症状, 心電図所見, 血液所見等についてのアンケート調査を行なった。アンケートは秋田県厚生連由利組合総合病院, 秋田県厚生連平鹿総合病院, 長野県佐久総合病院, 茨城県土浦協同病院, 広島県厚生連広島総合病院など5研究機関から回答があった。その結果脳卒中発作1年前とくらべ3か月前の成績が推計学的に有意に増加した自覚症状は, 脳卒中全体では, 倦怠感, もの忘れ, 早朝覚醒であり, 脳梗塞だけに限定すると, 息切れ, 狭心症, もの忘れ, 夜尿などであった。これらの自覚症状は脳卒中に特有のものではないが, 脳卒中の前兆である可能性があることに注意しなければならない。
  • 1988 年 36 巻 5 号 p. 1114-1131
    発行日: 1988/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
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