日本農村医学会雑誌
Online ISSN : 1349-7421
Print ISSN : 0468-2513
ISSN-L : 0468-2513
39 巻 , 5 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 酒井 潔
    1991 年 39 巻 5 号 p. 1009-1017
    発行日: 1991/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    わが国の農村における循環器疾患を考えると, 脳卒中の頻度が高く, とりわけ基礎疾患としての高血圧はそのむすびつきが強く, もっとも重要な危険因子といえる。そのほか肥満, 血清脂質などが重要であることが報告されている。その影響は地域により, また世代により一様でないと考えられる。今回, 埼玉県東北部の農村地域において, 循環器検診を実施し, 血圧, 体型, 血清脂質について解析を行なった。とくに血圧と体型, 血清脂質との関連について検討した。
    最大血圧は男女ともに加令とともに段階的に上昇を示した。高血圧者では男女ともに正常血圧者に比し, 肥満度20%以上, 高コレステロール血症, 高中性脂肪血症が有意に高率であった。男女ともに最大血圧と有意な単相関を示す検査値は年令, 肥満度, 皮脂厚, 最小血圧, 中性脂肪であった。男女ともに最小血圧と有意な単相関を示す検査値は肥満度, 皮脂厚, 最大血圧, 中性脂肪であった。次に主成分分析を行ない, 循環器検診成績の総合的評価を試みた。その結果, 男女間に主成分の異なったデータパターンを示した。測定された検査値のなかで, 血圧と関連する要因を段階的重回帰分析を用いて併せ検討した。血圧を目的変数とし, 年令, 肥満度, 皮脂厚, 総コレステロール, 中性脂肪の5項目を独立変数とした。その結果, 最大血圧は, 男では年令, 肥満度, 中性脂肪, 女では年令, 肥満度がいずれも有意な関連を示した。最小血圧は, 男では肥満度, 中性脂肪, 女では肥満度, 総コレステロールがいずれも有意な関連を示した。
  • 真田 勝弘, 岡本 浩平, 柴田 光一, 平沼 進, 関 和司, 滝口 典聡, 高島 格, 菅野 範英, 小林 広幸, 呉 鐵仁, 登内 真
    1991 年 39 巻 5 号 p. 1018-1030
    発行日: 1991/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    茨城県県南地方の農村地帯を診療圏とする土浦協同病院外科における胃癌症例の臨床的検討を行なった。
    昭和53年1月から昭和63年12月までの11年間に1,287例の胃癌の入院があり, そのうちの1,233例 (95.8%) で手術を施行した。切除数は1,059例 (切除率85.9%), 治癒切除数は863例 (治癒切除率70.0%) であった。胃全摘施行例は337例 (切除例の31.8%), 手術直接死亡率は2.35%, 切除直接死亡率は1.32%であった。昭和53年から昭和58年の間の症例の5年生存率は切除数に対して57.5%, 治癒切除数に対して69.3%であった。
    昭和55年5月以来, 間接撮影による施設胃集検を行ない, 昭和63年末までに, のべ54,455人の受診者から162例の胃癌を発見した (胃癌発見率0.30%)。そのうちの120例を当施設で手術し, 84例 (70.0%) が早期胃癌であった。
    われわれの症例を年次的にみると, 切除率, 治癒切除率, 早期胃癌の率, 5年生存率のいずれも次第に向上してきたが, 切除範囲 (全摘率, 合併切除率), リンパ節廓清程度などには年次的変化はなく, この向上は早期例の増加によるものであり, 胃集検, 人間ドックを含めた無症状期の健康診断の受診者の増加が胃癌の手術成績の向上に寄与していた。
  • 柴田 光一, 平沼 進, 真田 勝弘, 岡本 浩平, 登内 真
    1991 年 39 巻 5 号 p. 1031-1039
    発行日: 1991/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    過去15年間に土浦協同病院外科で手術-開腹または局所切除-された452症例を対象として検討を行なった。大腸癌手術症例は加令とともに男女差なく増加傾向を示し, 高令者の人口増加を考慮すれぽ絶対数の増加が推測される。手術死亡例は53才以上に限られ, 切除不能症例の死亡率が高く, 今後高令者の症例増加とともに早期診断および治療法への考慮が重要となる。
    手術症例の生存率は次第に良くなっているようにみえる。治癒切除例についての生存率は初期以後には大きな差はない。累積生存率は男より女が高い。累積生存率は加令とともに低くなる傾向のなかで40才代が悪く, 60才代がもっとも安定した経過を示していた。40才代には組織学的stage, Dukes分類でこれを裏付ける進行例が多く, またリンパ節転移例の割合が高かった。60才代はリンパ節転移著明例が少なかった。
    術後予後評価には組織学的stageがもっとも良い。次にDukes分類であるが長期予後判定には修正使用が必要である。さらに早期症例の的確な予後判定に脈管侵襲を考慮する必要がある。
    術後の予後を左右する因子はリンパ節転移, 漿膜浸潤および遠隔転移である。とくに長期予後はリンパ節転移により左右される。リンパ節転移陽性例の治癒のめどは10年と考えたい。今後大腸癌の良好な生存率を得るために, 啓蒙による早期発見, 適切なリンパ節郭清, 残存癌細胞に対する新しい強力な免疫, 化学療法などが必要である。
  • 岡村 敏弘, 佐藤 寛明
    1991 年 39 巻 5 号 p. 1040-1044
    発行日: 1991/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    私どもは昭和45年に, 農村社会の都市化に伴う現象として農村小児の肥満に着眼してきたが, 今回新たに調査した小学生学童の肥満度を20年前の研究調査と比較検討することができた。調査対象児童は10,606名であり, 20%肥満児は839名 (7.91%) で, 前回の調査に比べて全体で約9倍の増加を示した。
  • 萬田 芙美
    1991 年 39 巻 5 号 p. 1045-1052
    発行日: 1991/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    オクラ栽培に起因する皮膚障害について, 鹿児島県南部のオクラ栽培地帯における実態を現地調査した。
    オクラ栽培作業者89名のうち48名 (53.9%) がオクラによる皮膚障害を経験している。障害部位は, 腕 (43.8%), 手背 (35.4%), 首 (33.3%), 手指 (29.2%) など皮膚の露出部位に生じやすい。症状は, 収穫作業時は主に掻痒 (85.4%), 発赤 (45.8%) であり, 袋詰作業時は掻痒 (66.7%) のほか, 手指の指紋消失 (50.0%) や亀裂 (50.0%) がみられる0これらは, 適切な予防措置を講じない場合にはほぼ全員に発症し, またその発症は作業開始後まもなく出現する。
    オクラ爽果成分の皮膚貼付試験では, オクラ群 (12.4%) が非オクラ群 (3.4%) に比べ陽性率が若干高い傾向がみられた。
    これらの成績から, オクラ栽培に伴う皮膚障害は主にオクラの一次刺激作用によるものと考えられるが, オクラ成分によるアレルギー性接触皮膚炎の可能性も示唆された。
  • 中村 方哉, 棚田 成紀, 中村 武夫
    1991 年 39 巻 5 号 p. 1053-1059
    発行日: 1991/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    パラコート中毒治療を目的としてパラコート吸着除去量より経口吸着剤としての活性炭の評価を行なった。10種粉末活性炭についてパラコートの吸着除去実験を行なった結果, 活性炭の種類により吸着除去量が異なった。表面pHが5-9の活性炭が高い吸着除去量を示し, なかでも表面pHが8-9を示す塩基性の活性炭がとくに高い吸着除去量を示した。吸着除去量と10種活性炭の表面pHとの間に有意な相関性が認められた。
    また, 経口吸着剤投与時によく併用される下剤の吸着除去量に対する影響を検討した結果, ソルビトール添加によりパラコート吸着除去量が若干減少した活性炭もあったが, 概して吸着除去量に対して大きな影響は認めなかった。
    活性炭の表面pHが, パラコート吸着除去量の支配因子の一つであることが示唆された。このため活性炭の表面pHは, パラコート中毒治療に用いる適切な吸着剤を選定するための一つの指標になると思われる。
  • 森本 哲雄, 村上 不二夫, 三好 弥寿彦, 三谷 郁生, 川野 博章, 岡崎 幸紀
    1991 年 39 巻 5 号 p. 1060-1062
    発行日: 1991/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    昭和60年以降3年間に当院内科へ入院した肝疾患患者331例の男女比を検討した結果, 性差によって影響を受ける因子は飲酒歴およびHBs抗原陽性率の2点であった。そこで当院で経験した慢性肝炎, 肝硬変症, 肝細胞癌の3群の症例から, 大酒家およびHBs抗原陽性者を除外し, 再び男女比を検討した。その結果, 肝硬変症の男女は1.3対1, 肝細胞癌4.1対1, 慢性肝炎2.0対1であり, 肝細胞癌で男性例が際立って多かった。そこで一般に肝細胞癌の前段階と考えられている肝硬変症患者において, 男女間で有意差を認める検査項目があるか否かを検討した。非A非B型肝硬変症例について検討したが, 両群間に明らかな差は認められなかった。
  • 1991 年 39 巻 5 号 p. 1063-1071
    発行日: 1991/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
  • 1991 年 39 巻 5 号 p. 1072-1080
    発行日: 1991/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
  • 1991 年 39 巻 5 号 p. 1081-1086
    発行日: 1991/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
feedback
Top