日本農村医学会雑誌
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40 巻 , 1 号
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  • 平井 和光, 坪井 敬文, 鳥居 本美, 一色 保子, 山中 千代子, 和田 尚子
    1991 年 40 巻 1 号 p. 1-11
    発行日: 1991/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    愛媛県農村地域の20才以上64才以下の男性266名について, 農業労働因子が栄養摂取, 高血圧症に及ぼす影響を検討するために, 栄養調査, 循環器検診および血清脂質測定を行なった。農業労働因子を量的に把握するために年問農業労働日数を指標にした。
    農労日数の増加は臓器障害高血圧症の発現率を高くした。そして, 非農業者に比較して高穀類, 高糖質, 高食塩, 低蛋白質, 低脂肪の摂食傾向を生じさせた。この傾向は専業農業従事者よりも一種兼業従事者に顕著であった。さらに農業従事者, とくに一種兼業従事者において血清総コレステロール, β-リポ蛋白が低値であった。一方臓器障害高血圧症においては, 正常群に比較して低蛋白質, 低脂肪で摂取食品種類数が少ない摂取傾向を示した。よって, 農業従事者の高血圧症が臓器障害高血圧症へ進展する背景に, 農業労働因子のみではなく彼らの食生活特性の関与が示唆された。そして農労日数は農民の階層特性を把握する簡便な指標となり得た。
  • 石田 邦夫, 山田 博康, 小出 和伸, 石田 和史, 久保 敬二, 石橋 不可止, 高科 成良
    1991 年 40 巻 1 号 p. 12-24
    発行日: 1991/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    農漁村における飲酒習慣の肝および膵臓に及ぼす影響ならびに糖, 脂質代謝へ与える影響を検討する目的で, アルコール摂取量と肝機能検査, 膵酵素, 75gブドウ糖経口負荷試験時の血糖およびインスリン, ならびに中性脂肪との関連について検討し以下の成績を得た。
    1.GOT, GPTおよびγ-GTPは飲酒量の増大に伴って有意に上昇し, かつγ-GTPがもっとも鋭敏であった。2.最近1年間の1日あたりの飲酒量の増加とともに, 血清アミラーゼは有意に低下しエラスターゼ1は有意に上昇した。また推定過去総飲酒量の増大に伴って血清アミラーゼには低下, エラスターゼ1とトリプシンには上昇の傾向がみられた。しかしこれらマーカーの平均値はいずれも正常範囲内にあり, 異常率も考慮するとアルコールによる膵障害の可能性をスクリーニングするためには, 血清アミラーゼよりも少なくともトリプシンやエラスターゼ1の方がより有用と思われた。3.摂取総カロリーに占めるアルコールカロリーの増加に伴って, 空腹時血糖および759ブドウ糖経口負荷後2時間血糖は上昇の傾向を示し, 中性脂肪は有意に上昇した。また759ブドウ糖経口負荷後1および2時間においては, アルコール摂取による相対的な高インスリン血症の状態が存在することが示唆され, 中等度の飲酒 (清酒1級酒換算2.15合/日) は, インスリン抵抗性を増大させ, 耐糖能を悪化させている可能性が推測された。
  • 佐々木 襄, 角 重信, 川口 正晴, 古川 一人, 中尾 達也, 高畑 修治, 季白 雅文
    1991 年 40 巻 1 号 p. 25-30
    発行日: 1991/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    手術胃癌478例について検討した。男294例, 女184例, 男女比1.6であった。70才以上群 (高令群) と69才以下群 (非高令群) とで比較すると, 高令群に男が多い傾向がみられた。全胃癌に占める高令群の割合は34.1%で全国集計より高かった。高令群では胃集検や健康診断による発見例は少なく, stage IVが多く, 非切除がやや多く, 胃全摘が少なく, 切除術がやや低かった。癌病巣数は多発傾向がみられた。占居部位や拡がりおよび組織型では, 上部が少なく下部が多く, 前壁・全周が多く, 高分化型の限局性のものが多い傾向がみられた。手術直接死亡率は差を認めなかったが, 5年生存率は不良で他病死の影響が示唆された。高令者では, 既往症, 術前合併症が92%に, 術前検査値異常は96%にみられ, 術後合併症は42%に発現した。術後は精神障害に対する配慮が必要である。高令者であっても手術可能な症例には積極的に根治手術を目指して手術に臨むべきであるが, 胃全摘には慎重に対応すべきであると考える。術前のリスク評価を慎重にして充分な前準備のもとに根治手術を施行すれば, 高令者も非高令者と比べて大差ない治療成績とQOLが得られるものと考える。
  • 佐々木 襄, 角 重信, 川口 正晴, 古川 一人, 中尾 達也, 高畑 修治, 季白 雅文
    1991 年 40 巻 1 号 p. 31-35
    発行日: 1991/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    1978年から1989年までの12年間の大腸癌手術症例304例について検討した。結腸癌56.8%, 直腸癌43.2%で, 比率1.3と結腸癌が多かった。男女別では性差はない。年令区分では60才代28.0%がもっとも多く, 70才代24.0%が次ぎ, 50才以上が86.5%を占めた。有症状の外来症例が95.1%と大部分で, 検診などの無症状発見例は少数であった。癌の占居部位別頻度では, 結腸癌ではSが39.4%でもっとも多く, Aが次ぎ, 直腸癌ではRbが50.7%であった。大腸を左右に分けて比較すると, 左側が74.8%を占めた。切除率は91.5%, 治癒切除率は71.8%であった。組織学的病期分類では, stage I11.7%, II30.9%, III21.8%, IV11.7%, V23.8%であった。5年生存率は平均57.1%であった。術前検査でのCEA陽性率は46.6%に過ぎず, とくに早期のものの陽性率はきわめて低く, 補助診断としての有用性は認めなかった。
  • 今木 雅英, 三好 保, 棚田 成紀, 中村 武夫, 棚田 昌俊
    1991 年 40 巻 1 号 p. 36-39
    発行日: 1991/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    血清AL-P活性値は肝胆疾患の生化学的検査の重要な指標として診断に有用に用いられている。本報告では, 血清AL-P活性値について体内ビタミンC量の指標としての有用性を人において明かにするための指標的な実験として, 多量のビタミンCの付加による血清ビタミンC, 尿中ビタミンC, 血清AL-P活性値の変動をみたので報告する。
    健康な6名の男性を被験者に, 自由食10日間, 自由食にビタミンC1g/日を10日間, ビタミンC10g/日を10日間を摂取させ, 血清中ビタミンC, 尿中ビタミンC, 血清AL-P活性値を測定した。
    血清AL-P活性値について被験者全員, ビタミンCを付加することにより活性値は上昇傾向を示した。ビタミンC無付加期間は5.9±2.3単位であったが, 付加終了時には6.8±2.1単位まで上昇した。すなわちAL-P活性値は, 健常な人において体内ビタミンC量の指標として用いることができる可能性が認められた。
  • 森本 哲雄, 村上 不二夫, 三好 弥寿彦, 三谷 郁生, 川野 博章, 岡崎 幸紀
    1991 年 40 巻 1 号 p. 40-41
    発行日: 1991/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    当院が農村地区で行なった集団検診のなかから選び出した, 年令が40才以上, 69才以下の男性116例を対象として, 飲酒と喫煙の同時習慣が血圧に及ぼす影響について検討した。これを次のような5群に分類した。第1群: 飲酒も喫煙もしない群 (23例), 第2群: 1日飲酒量1合または2合で喫煙習慣のない群 (31例), 第3群: 1日飲酒量2合以上で, 1日喫煙量10本以上の群 (32例), 第4群: 1日飲酒量1合で, 1日喫煙量が10本以上の群 (16例), 第5群: 飲酒習慣がなく, 1日喫煙量が10本以上の群 (14例)。
    第1群を対照群として第2, 3, 4, 5群との比較検討を行なった。その結果, 第3群において収縮期および拡張期血圧ともに有意差をもって上昇していた。第2群および第5群では有意差がなく, 第4群では収縮期血圧のみ有意に上昇していた。このように飲酒と喫煙の同時習慣は, 収縮期および拡張期血圧ともに上昇させる可能性が示唆された。
  • 宮原 伸二
    1991 年 40 巻 1 号 p. 42-46
    発行日: 1991/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    高知県西土佐村内の四万十川, およびその支流の流域における肺吸虫症の実態を明らかにすることを目的にモクズカニとサワカニへのメタセルカリアの寄生と人への感染調査を行なったので報告する。
    Aカニの調査
    モクズカニは四万十川の2か所から59匹を捕獲し, 2匹 (3.4%) にメタセルカリアの寄生を認めた。
    サワカニは四万十川の支流6か所から178匹を捕獲し, 105匹 (59.0%) にメタセルカリアの寄生を認めた。
    人への感染調査
    西土佐村民2,274人に対して, 1次から5次調査まで順次対象者をしぼり込みながら感染調査を行なった。
    1次調査は肺吸虫病に関するアンケート調査, 2次は皮内反応検査, 3次は胸部レソトゲン検査, 4次は喀痰検査, 5次は血清検査を行なった。
    この結果, 1人にウェステルマン肺吸虫 (二倍体型) を認めた。
    この調査により四万十川, およびその流域では肺吸虫は実在の疾患であることを明確にすることができた。また, モクズカニ, サワカニやイノシシの生食は危険であることを村民に啓蒙するための具体例を示すことができた。
  • 1991 年 40 巻 1 号 p. e1
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
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