日本農村医学会雑誌
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43 巻 , 4 号
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  • 大貫 稔, 土屋 滋, 加納 克己, 江口 清
    1994 年 43 巻 4 号 p. 939-944
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    高齢化社会に向かって今わが国の各自治体が一番望んでいるケア・システムは, それぞれの地域における保健・医療と福祉の分野が完全に渾然一体化した連携システムである。
    そのモデル的システムの完成を目指して昭和62年度から計画・実践を重ねてきた茨城県古河市の「福祉の森」事業も, いよいよ平成5年度に至って用地の取得さらに施設の設計図作成の段階を終わり, 平成6年3月から建築に着手した。
    ここまでに到達する間の研究経過を一つ一つ吟味しながら, 地方都市における保健・医療・福祉を一体化した包括的ケア・システム構築のための効果的戦略について纏めて示すことにする。
  • 対馬 伸晃, 木田 和幸, 三田 禮造
    1994 年 43 巻 4 号 p. 945-953
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    青森県住民に発生した950個の尿路結石につき, 成分による分類を行ない血中および尿中の各種成分の測定値との関係を検討した。さらにこのうちの310個の結石についてICP発光分析器を用いて20種類の金属の分析を行ない, 結石中の金属の役割について検討を試みた。
    得られた結果は次の如くであった。
    1. 青森県の尿路結石の疫学としての傾向は, カルシウム塩結石が全体の83%を占め, 尿酸結石は3.4%と少なかった。またリン酸マグネシウムアンモニウム結石の比率は11.4%と全国平均よりもかなり高かった。
    2. 尿酸結石保持者の血清尿酸, 血清クレアチニン値が高く, 尿酸結石と腎機能低下には関係があるように思われた。カルシウム塩結石保持者の尿中CaおよびP値は有意に高値であった。
    3. 同じ成分の結石でも金属濃度はかなり広範囲にわたって分布しており, カルシウム塩結石, リン酸マグネシウムアンモニウム結石に比べて尿酸結石, シスチン結石では各種金属含有量が少ない傾向があった。また, リン酸カルシウム結石中の多くの金属濃度はシュウ酸カルシウム結石の1.5倍以上の濃度であった。
    4. リン酸マグネシウムアンモニウム結石のCa含有量は数%から30%弱まで広範囲にわたり, X線透過性が異なる原因と考えられた。
    5. ほとんどの金属は, 結石中濃度が尿中濃度の数百から数千倍であったがMgは80倍と低くMgの結石形成における重要性が示唆された。
  • 佐藤 良美, 大川 浩永, 湯上 小百合, 坪内 治巳, 三輪 幸利, 荒川 忠男, 羽賀 達也, 長嶋 誠, 下村 尚一
    1994 年 43 巻 4 号 p. 954-957
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    当院では糖尿病患者教育指導の一環として簡易血糖測定機を用いた血糖自己測定指導を検査技師が実施している。従来の呈色法を用いた血糖測定機 (呈色型血糖測定機, 以下呈色型と略す) のほかに, バイオセンサーを用いた固定化酵素電極法による血糖測定機 (バイオセンサー型血糖測定機, 以下バイオセンサー型と略す) を導入したところ, 血糖自己測定の指導数も増加した。バイオセンサー型は次のような特徴が認められた。バイオセンサー型は呈色型に比べ扱いやすく, 高齢者でも操作が可能であった。測定に必要な血液量も少なく, 採血部位も限定されなかった。そのため, 呈色型からバイオセンサー型への使用変更者も多かった。来院時検査における血糖測定値とも良く相関し, 精度的にも優れていた。しかし, 電極チップのセット不備や残存消毒液による血液の希釈など操作法についての問題点も残った。
  • 藤原 秀臣, 田谷 利光, 徳永 毅, 雨宮 浩, 家坂 義人, 川田 健一
    1994 年 43 巻 4 号 p. 958-963
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    農業は, 近年各分野での機械化が進んできたとはいえ, 依然筋肉労働を主体とした産業のひとつである。土浦市は全国有数のれんこん生産地であるが, れんこん収穫労働は冬期には泥水田に腰まで浸かって掘り取り作業が行われ, 寒冷という外的因子に加えて強い筋肉労働を伴うため労働負担とくに循環器負担が大きいと考えられている。そこで, れんこん収穫作業中の循環諸指標を労働現場で測定し, 循環器負担の様相について検討した。対象は, れんこん生産農業者18例で, 男性11例, 女性7例, 年齢は41~66歳 (平均56.7歳) である。測定実施日前1週間以内に健康チェックと嫌気性代謝閾値 (AT) 測定を行い, 測定当日には, Holter心電図を装着し, 作業現場において, 血圧, 心拍数, 血液酸素飽和度, 12誘導心電図の測定を施行した。その結果, 心拍数は作業中, 有意に上昇したが全例で予測最大心拍数以下であり, 作業直後には前値に復していた。血圧, 二重積, 血液酸素飽和度とも作業前後で有意な変動は認めなかった。また, 労働において心電図上の虚血性変化はみられなかった。男女の比較では, 女性に作業直後に血圧はむしろ低下し, 二重積の上昇の程度も低い傾向がみられた。しかし60歳以上の2例では, 作業直後の血圧上昇, 不整脈がみられた。以上のことより, れんこん収穫労働は, 循環諸指標に著明な変動を惹起せず, 循環器負担は軽度であったが, 60歳以上の高齢者については充分な健康管理が必要であると考えられた。
  • 佐藤 英嗣, 東 清吾, 山口 潤, 辻野 一三, 稲葉 秀一, 吉川 隆志, 寺井 継男, 関下 芳明, 藤森 勝, 塩野 恒夫, 黒島 ...
    1994 年 43 巻 4 号 p. 964-968
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    1991年4月から1993年3月までの2年間に, 帯広厚生病院皮膚科で経験した転移性皮膚癌9例を検討した。平均年齢は男性4例66歳, 女性5例63歳であった。原発巣としては肺癌4例 (44.4%), 子宮癌2例 (22.2%), 胃癌, 乳癌, 腎癌がそれぞれ1例 (11.1%) ずつであった。臨床型は結節型5例, 硬化型3例, 炎症型1例であった。原発巣確認から皮膚転移までの期間は平均約30±25か月であった。また, 皮膚転移後死亡までの期間は平均約6.8±5.6か月であった。診断時あるいは手術時の進行度と生存期間にははっきりした因果関係はなかった。なお, 転移巣が原発巣より先に発見された症例はなかった。
  • 真田 勝弘, 岡本 浩平, 柴田 光一, 平沼 進, 椿 昌裕, 登内 真
    1994 年 43 巻 4 号 p. 969-975
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    胃癌の術後に, 予後を最も大きく左右するのは, 手術の根治性, 癌の深達度, および進行程度である。われわれはこれらの3要素を踏まえた上で, さらに胃癌の長期予後に影響を与える因子を検討した。
    土浦協同病院外科で胃癌の手術を施行して, 5年以上経過した症例を対象として, 手術が絶対的治癒切除, 深達度がm, smの早期癌, 進行程度がstage Iであったのに5年未満で癌死した症例と, 反対に手術が非治癒切除, 深達度がsの進行癌, 進行程度がstage IVであったのに5年以上生存した症例を比較検討し以下の結果を得た。
    1. 手術が絶対的治癒切除であっても, 病巣自体の進行度が高いこと, 病巣がC領域にあること, 組織型が低分化腺癌であることは予後を悪くする因子である。
    2. 手術が非治癒切除であっても, P1, H1, ow (+), aw (+) による非治癒ならば, 主病巣の進行度が低く, 限局型であり, リンパ節転移がなく, R2の郭清が行なわれていれば, 良い予後が期待できる。
    3. 深達度がm, smの早期癌であっても, リンパ節転移のある場合には予後を悪くする。
    4. 深達度がsに達していても, 他臓器への浸潤がなく, P0で, 病型が4型でなく, R≧nであるなら, 良い予後が期待できる。
    5. 組織学的にstage Iとなっても, 肉眼的な所見で, 進行度の高い場合には, 予後が悪い恐れがある。
    6. stage IVであっても, リンパ節転移が軽度で相対的非治癒以上の治癒度の切除, R2のリンパ節郭清が行なわれていれば, 良い予後が期待できる。
  • 古澤 光浩, 西本 喜一, 松本 康孝, 森下 浩之, 猪口 聡, 上野 助義, 西村 龍一, 森下 昭治, 吉松 俊治, 高橋 睦正
    1994 年 43 巻 4 号 p. 976-980
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    1986年より1991年まで熊本県厚生連で腹部超音波検診を施行したのべ53,788名の中で悪性腫瘍が49例発見されている。今回これらの症例の追跡調査を行い1超音波検診の意義について考察した。悪性腫瘍49例の内訳は肝細胞癌12例, 転移性肝臓癌11例, 腎細胞癌11例, 胆嚢癌6例, 胃癌3例, その他6例であった。その他には卵巣癌や転移性膵臓癌などが含まれていた。そのうち予後の情報が得られたのは37例であった。最も予後が良好だったのは督細胞癌で2生率100%(7/7) であり最長45か月で経過観察中であった。肝細胞癌では1年生存率85%, 2年生存率33%, 転移性肝臓癌では11例中8例が消化管の悪性腫瘍よりの転移であったが1年生存率44%, 2年生存率37%と予後があまりよくなかった。検診で発見される腎細胞癌は早期であることは報告されており, また腎細胞癌の予後は手術時の進展度に依存するといわれているため予後が良好であったと推測された。また転移性肝臓癌は1年生存率44%, 2年生存率37%とステージが進んでいるため生存率は不良であった。胃癌はリンパ節転移や胃壁の肥厚で発見されており比較的進んだ症例が多かったことかが予後不良の原因と思われた。腹部超音波検診は簡易な方法であり時間も長くはかからない。今回の検討で検診によって発見された癌の患者の生存率は種類によっては有意に高くなっており超音波検診は有効なスクリーニング法であった。
  • 西尾 政則, 古田 善久, 伊藤 美智子, 宮地 雅典, 安藤 操, 沼田 正樹
    1994 年 43 巻 4 号 p. 981-986
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    糖尿病治療の基本は, 血糖コントロールにあることはいうまでもない。しかし長期にわたり理想的にコントロールすることは, 極めて難しい。そのため, 神経障害, 網膜症, 腎症などの合併症が問題となる。その中でも神経障害は, ポリオール (ソルビトール) 代謝障害が成因の1つであると考えられている。その症状は比較的早期より発症し, 罹病期間が長くなるにつれて高い併発率を示し, 組織が広く障害された患者の苦痛は計り知れない。そこで発症メカニズムに沿ったアルドース還元酵素阻害剤のepalrestatについて, 神経障害自覚症状, 赤血球内ソルビトール値, 振動覚閾値の3点から効果を見た。
    [対象] 自覚症状として自発痛・感覚異常・自律神経障害が持続的に認められるか, 赤血球内ソルビトール含量, 振動覚閾値に異常が認められる外来治療中の患者でepalrestatを1回1錠50mgを食前に6か月以上服用している男性7名, 女性4名を対象とした。期間は平成4年10月から平成5年3月までとした。[方法] 自覚症状については, 患者に主旨を説明し承諾を得て薬の待ち時間内に医薬品情報管理室で, 赤血球内ソルビトール含量, 振動覚閾値に関しては, 患者カルテから調査した。[結果とまとめ](1)(自覚症状改善度) 《自発痛》 …75.0%《感覚異常》〈手足のしびれ感〉…57.1%〈手足の先の冷え〉…40.0%〈ほてり〉…33.3%〈感覚鈍麻〉…75.0%〈かゆみ〉…50.0%《自律神経障害》〈立ちくらみ〉…75.0%〈発汗の異常〉…33.3%(2)(罹病期間からみた効果) 罹病期間の短い程, 改善度は良好であった。(3)(赤血球内ソルビトール値改善度) 全体に見てあまり改善度は良くなかった。(4)(振動覚閾値改善度) 全体的に見てかなりに改善された。糖尿病性神経障害は, 比較的初期の段階からみられ原因としては, 慢性的高血糖状態が最も重要な因子であると考えられている。血糖値の是正が治療において重要であると思われるが, 是正されない状態では, 今回の結果からepalrestatの投与は, 症状の改善を示し罹病期間の短い程, 改善度が良好であったことから, できるだけ発症早期に投与することにより患者の苦痛を和らげることができると考えられる。
  • 亀谷 富夫, 堀上 健幸, 郭 文治, 森田 達志, 田中 功, 五十嵐 豊, 越田 英夫, 永井 忠之, 加藤 正義, 池田 謙三
    1994 年 43 巻 4 号 p. 987-990
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    ST合剤とステロイドの併用が有効であったWegener肉芽腫症の1例を報告する。症例は62歳の女性。主訴は咳と血尿。胸部写真では, 左肺尖部に不正形の淡い肺炎陰影を認めた。肺炎は抗生剤にて軽快したが蛋白尿は1日2.5g認め, 血尿も改善せず, 血清クレアチニンも2.5mg/dlと上昇を認めた。C-ANCAは58EIA unitsと陽性で, 腎生検では糸球体の67%に細胞性半月体形成を認め, 蛍光抗体法ではIgA, IgG, C3の沈着は認めなかった。以上よりWegener肉芽腫症と診断した。ステロイドとST合剤の併用にてC-ANCAは陰性化し蛋白尿と血尿は消失し血清クレアチニンも正常化した。ST合剤の減量にて一時血尿の悪化を認めたが, 増量にて10か月後現在も完全寛解したままである。
  • 小谷 和彦
    1994 年 43 巻 4 号 p. 991-993
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    急性タバコ中毒の2成人例を報告した。成人例は, 意図的にタバコを摂取する場合があり, 小児に多い誤飲例などに比べ中毒症状を発現しやすい要因を有すると考えられた。自験例1では重症化し得る量や条件で摂取したと思われたが, 受診までに時間を経ており, 初期治療なしで観察し, 軽症で経過した。患者のニコチンへの耐性や体内の溶出程度が影響した可能性が推測された。自験例2では比較的大量の摂取であったが早期に対応でき, この点が軽症で経過した一因になったと考えた。
  • 1994 年 43 巻 4 号 p. 994-1027
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
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