日本農村医学会雑誌
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46 巻 , 2 号
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  • 甲田 茂樹, 大原 啓志
    1997 年 46 巻 2 号 p. 101-107
    発行日: 1997/07/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    高知県における農業災害発生状況を分析することで, 農業労働の安全衛生上の課題を検討し, 高齢農業者に発生している農業災害の特徴を明らかにすることを目的とした。
    1984~95年までの農業災害被害者の年齢構成の推移は60歳以上の高齢者の比率が年々増加し, 95年には60歳以上が6割, 70歳以上が2割近くに達していた。ついで, 1993~95年までの農業災害被害者 (n=333) の個別事例を分析すると, その平均年齢は57.3歳, 約4分の3が男性であった。発生月は8~9月の夏期に多く, 発生場所は圃場が52.3%であった。発生型別には墜落等30.3%, 挟まれ等17.4%, 切れ等16.2%と続き, 発生原因は農業機械40.2%と多いものの, それ以外の農業施設等による農業災害も認められた。発生部位では四肢が多く, 農業災害による入院日数等は長い傾向にあった。高齢者の農業災害の特徴は若・中年者に比べ, 通勤途上の道路上での災害, 墜落災害の比率が高く, 発生部位も体幹や複合部位に多く, 入院日数も長い傾向にあった。
    高知県の農業災害は, 農業機械以外にも農業施設や設備による災害が多いのが特徴であり, 高齢者の農業災害の増加や重症化などの深刻な課題を抱えていることが明らかになった。今後, 農業機械や施設に対する安全対策や作業標準の作成, 高齢者にも理解しやすい安全衛生教育やトレーニングの確立, 農業労働の安全衛生の担い手の明確化, 労災補償の普及などが必要となってくる。
  • 戸村 成男, 森永 郁代, 庄司 すみ, 井出 富子, 赤津 恵美子, 森 相子, 菊地 幸代, 成島 泰子, 椎貝 達夫
    1997 年 46 巻 2 号 p. 108-116
    発行日: 1997/07/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    骨粗髪症のリスクファクターに関して, 多くの遺伝的および非遺伝的研究がなされている。なかでも骨粗髪症と栄養, ライフスタイルの関連については, 種々の研究が行われており, カルシウム・蛋白質・ビタミンD摂取の不足, 喫煙, カフェインのとり過ぎ, アルコールのとり過ぎ, 日光の不足, 運動不足などが, 骨量減少・骨粗髪症の成因に関与していると報告されている。しかし, これらの研究は, 閉経期以後の生活と骨密度の関連の調査, あるいは, 若年者の生活とその時期の骨密度との関連を調べたものであり, 若い頃の食生活, ライフスタイルが閉経期以後の骨密度に及ぼす影響を調査した研究は少ない。当院では1993年7月より骨粗霧症専門外来を開設している。本研究では, 骨粗鬆症専門外来を受診した女性を対象として, 面接聞き取り調査を行い, 若い頃を中心とする食生活, 体格・初経・妊娠・出産などの生理的要因, ライフスタイルが, 現在の腰椎骨密度にどのような影響を及ぼしているかを検討した。
  • 竹内 徳男, 望月 吉勝, 杉村 巌, 福山 裕三
    1997 年 46 巻 2 号 p. 117-123
    発行日: 1997/07/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    北海道鷹栖町で毎年行われている住民健診のデータを基に1980年から1996年までのbody mass index (BMI) と貧血の状況について年次推移を観察した。BMIについては男性ではどの年齢層も22kg/m2以上を増加傾向で推移していた。女性では50歳以上では23以上を横這いで推移し, 49歳以下では23未満を減少傾向で推移していた。出生年代別の検討では男女ともどの群も加齢に伴うBMIの増加がみられた。血色素量の年次推移については, 中央値では男女とも横這いで推移していたが, 低値者の割合については, 閉経前の女性において増加傾向がみられ, 鉄欠乏性貧血者が増加している可能性が示唆された。
  • 坪崎 むつ子, 竹内 敦子, 追久保 文
    1997 年 46 巻 2 号 p. 124-128
    発行日: 1997/07/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    当手術室は新築移転を機に, 年々手術件数の増加および手術の複雑化, 長時間化の傾向にある。
    業務の効率化を図る上で「コンテナーシステム」に着目し, 機器セット・後始末に関わる時間をタイムスタディにより調査した。従来の方法と比較した結果, 約40%の時間短縮を図ることが出来た。
  • 飯尾 篤, 西尾 秀博, 川本 晋, 竹下 賢治, 篠原 真貴子, 芝 以久美, 二宮 利嘉, 光宗 知佐恵, 三宅 隆, 木村 浩之, 新 ...
    1997 年 46 巻 2 号 p. 129-134
    発行日: 1997/07/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    超音波法による骨質測定を用いた骨粗鬆症巡回検診に参加した女性9,459人, 男性260人を対象とし, 得られた3種類のパラメータ: BUA (超音波の減衰率), SOS (速度) およびStiffness (標準化したBUAとSOSの平均値) は, 女性では測定した最も若いグループ (15~17歳) で最高値を示し, 各々116±9, 1,572±23および97±11, 男性ではSOSとStiffnessは最も若い15~16歳, BUAは22~29歳で最高値を示し, 各々1,590±20,107±11,124±14であった。これらパラメータは, 年齢の増加とともに減少し, Stiffnessの減少率は, 女性では51~55歳の間が1.0%/年と最大であった。またStiffnessやSOSの加齢による減少に比べBUAの減少は軽度であった。
    閉経後の3つのパラメータの減少率は最初の5年間が最も大きくStiffnessで2.0%/年であった。閉経の遅かったグループ (53歳以上) の骨量は, 閉経の早かったグループ (45歳以下) に比べて, 50歳代後半から60歳代後半で有意に高く, 70歳代以後では有意差が認められなかった。
    また各パラメータと身長, 体重, 肥満度との間には, SOSと肥満度との間を除いて, 全て有意な正相関が認められた。
  • 高橋 徹, 林 雅人, 三浦 亮
    1997 年 46 巻 2 号 p. 135-141
    発行日: 1997/07/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    We performed a retrospective study on the clinical data of 13 remission failure cases in 53 patients who had received remission induction therapy for acute leukemia (AL) in our hospital over the past seven years.
    The outstanding clinical manifestations of the remission failure cases, as compared with the successful cases, included (a) disseminated intravascular coagulation (DIC) syndrome (b) complex chromosomal abnormalities (c) leukocytosis over 100, 000/μl and (d) markedly elevated seum LDH level and thymidine kinase activitis at the time of initial admission.
    The greater majority of these cases (10 out of 13) resulted in death within 90 days after the start of induction therapy.
    The causes of death were predominantly hemorrhagic events associated with DIC syndrome, cerebral hemorrhage and severe infectious diseases such as sepsis and pneumonia.
    Earlier death within 14 days after therapy was caused from hemorrhagic events and later one was severe infections.
    In the G-CSF treated group, the febril term of over 38°C was shorter and the number of days taken for the neutrophil counts to be restored to the 1, 000/μl level was fewer than in the non G-CSF treated group.
    Thus, it was suggested that G-CSF was expected to be one of the useful supporting agents to prevent infections in remission induction therapy for acute leukemia.
  • 戸村 成男, 川波 公香, 細川 美和, 田中 キミ子, 柳 久子, 土屋 滋, 天貝 均, 加藤 邦彦, 椎貝 達夫
    1997 年 46 巻 2 号 p. 142-147
    発行日: 1997/07/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    骨粗鬆症の診断には, 骨量, 特に腰椎骨量の測定が重要である。骨量測定法のうち, 皮質骨を反映するcomputed X-ray densitometry (CXD) 法と, 海綿骨を多く含む部位を反映し骨粗鬆症の診断に有用とされる腰椎定量的CT (腰椎QCT) 法を比較検討した。骨粗鬆症外来を受診した93例 (女性90例, 男性3例, 平均年齢64.3歳 (42~86歳)) を対象として, 同一時期にCXD法とQCT法で測定を行なった。CXD法は, 手部X線画像の第2中手骨中央部を測定の関心領域とし, 中手骨骨密度 (ΣGS/D), 骨皮質幅指数 (MCI) を算出した。QCT法は, ファントムと一緒に腰椎椎体をCTスキャンし骨密度を求め, 第3腰椎の骨密度 (L3値)(CaCO3相当量: mg/cm3) を指標として用いた。(1) ΣGS/D, MCIおよびL3値と年齢との間には負の相関が認められたことから, 加齢とともに皮質骨および海綿骨の骨量が減少すると考えられた。(2) L3値75mg/cm3以下を腰椎骨量減少の基準として, 腰椎骨量減少に関するΣGS/Dの感度・特異度を検討した。骨粗鬆症のスクリーニング値の一つであるΣGS/D=2.30を用いると, 感度は69.8%, 特異度は75.0%であり, その他のΣGS/D値を用いても, 感度, 特異度ともに優れたΣGS/Dの値は得られず, ΣGS/D値とL3値の間には, しばしば乖離が認められた。
  • 左右田 昌彦, 柴田 康孝, 舟橋 恵二, 野田 由美子, 西尾 諭美香, 後藤 武雄, 田中 克己, 斉藤 二三夫
    1997 年 46 巻 2 号 p. 148-153
    発行日: 1997/07/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    連続231例の不安定狭心症患者を対象に症状, 受診時心電図及び安定化後の症候制約トレッドミル運動試験心電図所見が有意狭窄を有する不安定狭心症患者を診断しうるかを検討した。胸部症状を訴えて来院した患者を詳細な問診及び理学的所見により不安定狭心症と診断し, 更に患者を悪化型, 新規労作型及び安静時型に分類した。受診時心電図による不安定狭心症全例での有意狭窄例の診断感度は55.2%, 特異度は63.2%と不十分であった。病型別有意狭窄例の診断感度及び特異度は, 悪化型では52.2%, 50.0%, 新規労作型では46.7%, 57.1%, 安静時型では69.0%, 68.3%であった。受診時心電図は安静時型の診断に有用であるが, 悪化型と新規労作型では有用ではなかった。運動試験心電図による有意狭窄例の診断能は, 運動試験可能であった全例では感度66.0%, 特異度89.2%と有用であった。病型別有意狭窄例の診断感度及び特異度は, 悪化型では80.0%, 66.7%, 新規労作型では70.8%, 87.8%と有用であった。安静時型では診断感度は48.3%と低いが特異度が91.4%と高く有意狭窄例の除外診断に有用であった。本研究に於いて, 詳細な問診, 受診時心電図所見及びトレッドミル運動試験心電図所見が有意狭窄を有する不安定狭心症患者の診断に有用であることが示された。
  • 小野 満也, 菊池 万知子, 新井 道子, 柳沢 朱美, 清水 茂文
    1997 年 46 巻 2 号 p. 154-158
    発行日: 1997/07/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    平成4年から当院において寝たきり在宅患者の介護者に対して介護者会を開いた。平成8年6月時点までで計39回開かれ, のべ出席者は168名 (1回平均4.3名) であった。内容は介護者同志の話し合いが12回, 褥創や腰痛などの学習会が16回, 介護者宅の訪問や介護機器の実演が4回, 介護者手当てなど福祉関係の学習会が3回であった。在宅医療において介護者の役割は重要であり, 多様な援助が必要である。介護者を精神的に援助していく上で介護者会がひとつの役割を果たし得ると思われた。
  • 高野 康二, 細谷 晶志, 田中 弘彦
    1997 年 46 巻 2 号 p. 159-163
    発行日: 1997/07/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    病院内のME機器の効率的な運用および保守管理を目的として, 各病棟医師および看護婦を対象に, ME機器中央管理のアンケート調査を行い, 78%の賛成が得られた。この結果をもとに, 一部の機器から中央化を開始した。中央管理開始から1年後, 中央管理の是非を問うアンケート調査で, 反対意見はみられず, 中央化をさらに進め13種類, 142台まで管理台数を増やした。ME機器が中央化されていなかった時の病棟スタッフ希望台数と, 実際におこなった中央管理台数の差から, 購入費用を算出した結果, 62,220,000円の費用の削減が可能になった。故障機器を院内修理した時と, 外注修理依頼した時の修理に要する費用を, 1年間調査した結果3,016,000円の経費削減ができた。以上のことから, 中央管理はME機器の効率的運用と経済効果で有用な方法と考えられた。
  • 森 雅樹
    1997 年 46 巻 2 号 p. 164-167
    発行日: 1997/07/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    肺癌の肺外進展の一形態である胸膜播種のCT診断能について検討した。病理学的に腫瘍の胸膜播種が認められた肺癌18例を対象とした。CT所見として, 葉間部: 葉間部に存在する数mm大までの (多発) 小結節影および葉間の肥厚像, 胸壁・縦隔面: 胸膜陥入像とは離れて胸壁面に認められる数mrn大までの凹凸不整像に注目して読影した。葉間部に存在する (多発) 小結節影や葉間の肥厚像は, 14/18例 (78%) に認められた。胸壁・縦隔面の凹凸不整像は9/18例 (50%) に認められた。これらのCT所見は, 胸膜播種の存在を指摘するためには有用な診断根拠となりうると考えられた。
  • 水谷 由紀子, 大橋 昭任, 山本 直人
    1997 年 46 巻 2 号 p. 168-172
    発行日: 1997/07/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    脳ドックにおいて無症候性脳梗塞と診断され, 薬物治療を受けている外来患者の服薬意識の向上を目的とし, 患者説明用リーフレットを用いて服薬説明を行い, その後アンケート調査を行った。『薬のことで一番知りたいことは何ですか』の問いに対しては, 副作用が最も多く, 次いで薬効であった。しかし, 治療方針に関してはすべて医師に任せてあるので, 薬について特に何も知りたいとは思わないと答えた患者もいた。
    さらに, 一度服薬説明を行った患者の服薬コンプライアンスなどを確認するため追跡調査を行った。その結果, 用法・用量については全員が正しく理解していたが, 患者説明用リーフレットはあまり活用されていないことがわかった。
    各施設で病棟業務が充実していく反面, 適切なフォローを必要とする外来患者への対応が大きな課題となっている。その対応の一端として今回の体験や病棟業務を役立てていきたい。
  • 中津 裕臣, 安原 克彦
    1997 年 46 巻 2 号 p. 173-177
    発行日: 1997/07/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    1993年4月から1996年7月までに, 熊谷総合病院泌尿器科において施行した前立腺肥大症や腎良性疾患に対する手術, 前立腺癌, 膀胱癌の根治術を受けた患者119例を対象とし, 貯血に伴う影響や自己血輸血の意義を検討した。対象の平均年齢は69歳, 平均循環血液量は4,110m1, 平均貯血量は687.9mlであった。貯血量の増大に伴い, 貯血後のヘモグロビン値は低くなる傾向を認めたが, 10g/dl以下となる症例はなかった。又, エリスロポエチン (r-EPO) を併用することにより, 貯血後のヘモグロビンの低下を減少させることができた。
    悪性疾患の手術における同種血輸血回避率は68%で, 今後貯血量を増やすなどの工夫が必要と思われた。一方, 良性疾患の手術では全例で同種血輸血を回避でき, 自己血輸血の意義は大きいと思われた。
  • 小林 一久, 柏木 愛子, 井出沢 剛直, 金井 隆, 高山 一郎, 北原 史章, 依田 芳起, 塩澤 全司
    1997 年 46 巻 2 号 p. 178-183
    発行日: 1997/07/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    患者は77歳, 男性, 約7年前 (平成元年頃) から頭重感や言葉を出しづらい等の自覚症状が出現し, 色々な病院を受診していた。平成元年に当センターで撮影した頭部CTでは, 脳室の拡大と皮質の萎縮が目立ち, 左の放線冠部に小さな低吸収域が見られた。平成2年3月に脳出血発作があり, 左後頭葉の皮質下に出血巣が見られ, 約1か月後吸収された。その後しだいに言語障害, 歩行障害等が増悪し, 固縮, 手指の振戦, 嚥下障害等も出現してきた。平成6年から在宅での訪問管理を開始した。症状から脳血管性パーキンソニズムを考え, 当初L-ドーパの投与を試みたが効果はなかった。次いで視床下部を中心とした血管運動中枢になんらかの影響を与えるというThyrotropin Releasing Hormone (TRH, ヒルトニン) を投与してみたところ, 無気力や発声困難嚥下障害に効果があった。投与法は点滴静注または筋注で行ったが, 在宅では筋注の方が実施し易く, 1回0.5mgを10日~14日筋注して投与期間と同じ日数休むサイクルで行い, これにより死亡までの約1年間ほぼ良好に管理することが出来た。
  • 1997 年 46 巻 2 号 p. 184-192
    発行日: 1997/07/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
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