日本農村医学会雑誌
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48 巻 , 1 号
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  • 安 玉善, 崔 正和
    1999 年 48 巻 1 号 p. 1-12
    発行日: 1999/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    本研究は韓国農民の健康管理手法に関する基礎資料を得る目的で, 農民74名を対象に体格要素と運動適性および防衛体力 (局所寒冷血管反応) を測定し相互関連性を調査した。男性の場合は運動適性の水準の高い被験者に局所寒冷血管反応が強く現れたが, 女性の場合は運動適性の低い者に局所寒冷血管反応が強く現れた。また, 男性の場合, 体格と寒冷血管反応との相関は弱かったが, 女性の場合, 肥満した者に局所寒冷血管反応が強く現れた。年齢別に調査した結果, 男性の場合, 30, 40, 50代では身長, 胸囲等が小さく運動適性のよい者が耐寒性がよく, 60代の場合は腰囲と腰部横径の大きいものが耐寒性がよいことがわかり, 運動適性と寒冷血管反応との関連性を確認することはできなかった。反面女性の場合, 30代は大腿部位の皮下脂肪の厚さが小さい者が寒冷血管反応に有利な反応を示し, 運動適性は寒冷血管反応と負の相関を示した。40, 50代では体格および運動適性と寒冷血管反応との相関が弱いことがわかった。女性60代は他の年齢層と比べて体脂肪率が高いグループであるが, 同じ60代の中では体重および体脂肪率が低く運動適性の優れている者が寒冷血管反応に有利であることがわかった。
  • 甲田 茂樹, 大原 啓志
    1999 年 48 巻 1 号 p. 13-20
    発行日: 1999/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    臭化メチルを用いたハウス内の土壌薫蒸作業に従事する農業者の臭化メチル曝露に伴う健康障害を予防するために, 薫蒸作業前後の臭化メチルのモニタリングと個人曝露測定, 薫蒸方法や保護具の使用, 自覚症状等に関するアンケート調査を実施した。
    ハウス内の環境モニタリング結果によると, ハウス開放時でも1,000ppmを超える極めて高い臭化メチル濃度が観測された。ハウス開放に従事した農業者への個人曝露測定結果では57ppmと25ppmと, 許容濃度を遥かに超えていた。高知県内6地区の園芸農家で臭化メチルを用いた土壌薫蒸を行っている農業者164名のアンケート調査結果から, 8割近くがハウス全面薫蒸方式を採用しており, 行政の指導している使用量を遥かに超える臭化メチルを使用しており, 9割以上が薫蒸後5日以内にハウスを開放していた。さらに, 臭化メチル高濃度曝露を防ぐ防毒マスクや防除衣の着用を行っているものはわずかに10%程度であった。薫蒸作業後の自覚症状では, 眼や呼吸器などの刺激症状を訴える農業者が2~6%程度認められた。
    現状の臭化メチルを用いた薫蒸作業では短時間で高濃度の臭化メチルに農業者が曝露することが懸念された。臭化メチルによる健康障害を予防するためにも, 臭化メチルの有害性や健康障害に関する教育や安全な使用量の徹底や作業方法の訓練等を実施することが重要である。
  • 高橋 宏, 近藤 司, 松宮 直樹, 浅野 千代子, 真田 勝弘
    1999 年 48 巻 1 号 p. 21-25
    発行日: 1999/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    1986年1月~1997年12月に当院麻酔科を受診した癌性疼痛患者322人について, 1年ごとの疼痛治療の変化を調べた。また, 院内の年間悪性腫瘍患者数と年間製剤別のモルヒネ消費量を調査し, 国内におけるモルヒネ消費量と比較した。経口モルヒネ消費量の増加と共に最近5年間の当院麻酔科を受診した癌性疼痛患者は20人前後に減少した。麻酔科を受診した癌患者の殆どが神経ブロックを施行されていた (90%) が, 1996年以降, 神経ブロックの施行率は減少した (1996年79%, 1997年50%)。麻酔科での鎮痛補助薬の併用状況は最近12年間で大きな変化はなかった。当院でのモルヒネ消費量の増加率は, ほぼ国内と同様であったが, 院内における癌性疼痛管理の啓蒙と工夫がより一層必要であると思われる。
  • 山際 幹和, 新山 玲子
    1999 年 48 巻 1 号 p. 26-30
    発行日: 1999/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    1998年9月から1999年3月までの問に, 耳鳴, めまい, 咽喉頭異常感, 舌痛を訴えて受診した240名 (男性117名, 女性123名, 18~83歳, 平均± 標準偏差57.7±14.5歳) を対象に, Cornell Medical Index健康調査 (CMI), Self-rating depression scale (SDS), Self-rating questionnaire for depression (SRQ-D) を同時に行い, それらの質問に対する回答を比較することにより, CMIによる抑うつ状態の簡便評価の有用性を検討した。
    CMI判定とSDSおよびSRQ-D判定の関連性をカイ2乗検定で検討し, CMIの抑うつの項の6問に対する「はい」の回答数0, SDS得点39点以下, SRQ-D得点10点以下を陰性, それ以外を陽性とした際の陰性・陽性の一致率を算出したところ, CMI判定とSDS判定 (カイ2乗値=39.6, P<0.0001, 陰性・陽性の一致率=65.0%) およびCMI判定とSRQ-D判定 (カイ2乗値=25.2, P<0.0001, 陰性・陽性の一致率=69.6%) の間には有意の関連性が認められた。ちなみに, SDS判定とSRQ-D判定の間にも有意の関連性が認められた (カイ2乗値=77.7, P<0.0001, 陰性・陽性の一致率=74.6%)。
    以上より, 患者の心身両面の健康状態のスクリーニングを行う上で有益な方法であるCMIは, 抑うつ状態の簡便評価にも利用できると結論した。
  • 伊藤 優子, 藤田 郁子, 鈴木 純子, 佐藤 信徳, 糸賀 寛, 小松 和男, 野口 篤子, 長沼 雄峰
    1999 年 48 巻 1 号 p. 31-36
    発行日: 1999/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    小児気道感染の細菌分離をする上で最も効果のある培養材料を用いるために, 1997年12月から1998年4月までの5か月間に当院小児科入院患者より提出された咽頭ぬぐい液, 上咽頭擦過液, 鼻汁吸引液について検討した。陽性率は咽頭ぬぐい液145例中38例 (26.2%), 上咽頭擦過液74例中53例 (71.6%), 鼻汁吸引液27例中25例 (92.6%) で, 咽頭ぬぐい液に比較し上咽頭擦過液, 鼻汁吸引液で高かった。また, 咽頭ぬぐい液の1菌種分離例38例中30例 (78.9%) に対し, 上咽頭擦過液, 鼻汁吸引液では2菌種, 3菌種の複数菌分離例が約半数を占め, 上咽頭擦過液53例中24例 (45.3%), 鼻汁吸引液25例中13例 (52.0%) だった。これらのことから, 小児気道感染症の菌検出精度を高めるためには, 培養材料として鼻汁吸引液あるいは上咽頭擦過液の採取が望まれる。
    次に, 小児科入院・外来患者の上気道材料からの検出菌頻度をもとに使用培地の見直しを計った。その結果, 小児気道材料から有意菌としてBTB寒天培地で検出し得るグラム陰性桿菌の分離頻度は314株中1株 (0.3%) にすぎず, それは非選択培地の血液寒天培地でも検出可能だった。このことからグラム陰性桿菌の選択培地として用いられるBTB寒天培地は省いても菌分離に影響はないと思われた。
  • 山口 満, 山瀬 裕彦, 野坂 博行, 山田 昌弘, 吉田 正樹, 藤本 正夫, 三谷 幸夫, 朝田 啓明, 栗田 慎一
    1999 年 48 巻 1 号 p. 37-40
    発行日: 1999/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    1994年~1997年の4年間で, 東濃地域におけるCPA (cardioplumonary arrest: 心肺停止) に対するbystander CPR (cardioplumonary resuscitation: 心肺蘇生) を調査したが集計されていない市が認められた。CPR率は11.2%であった。一方, CPR教育 (応急手当講習) の受講者は人口の11.3%であった。さらに県防災ヘリコプターの訓練及び利用状況の調査においても, 訓練さえなされていない市が見うけられた。
    当地域での救急医療に対する意識の低さを示すものであり, 市民, 救急隊員の意識改革にはCPR教育, 啓蒙活動に, 医療機関のさらなる協力が必要と思われた。
  • 鈴木 敬久, 常盤 英文
    1999 年 48 巻 1 号 p. 41-43
    発行日: 1999/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    個人注射箋を使用している特殊注射剤 (高薬価薬剤, 抗癌剤, 血液製剤) について, 医事課のデータとの照合時間の短縮と請求漏れの改善を図る目的で, 市販のソフト (アクセス) を利用して, 簡単に処理できるようシステム化し, このデータベースを活用して得られた帳票と, 医事課のデータとを, 毎月保険請求前に照合することによって, 特殊注射剤の保険請求漏れを, 前年度金額の約1割にまで減らすことができた。以上の結果から, このシステムを活用することにより, 請求漏れの改善並びに作業時間の短縮など, 当院にとっては, 充分役に立っている。
  • 河内 英子, 河村 寛子
    1999 年 48 巻 1 号 p. 44-47
    発行日: 1999/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    当院では, 経尿道的切除術 (以下TURと称す) の症例が年間約100例余り行われている。TUR施行時は体温程度に加温した大量の泌尿器科用灌流液 (以下ウロマチックと称す) を使用するが, 当院手術室では設備的な関係によりウロマチックの加温及び運搬に時間を要していた。そのため, 術中に患者の傍を離れることが多いことに対して不安を持ち改善の必要性を感じていた。このことから, 布団乾燥機の温風を利用して加温する方法を考案し, 運搬に便利なキャスター付の加温庫を作成した。この独自の加温庫によりウロマチックの加温方法が簡便になり, より安定した温度のウロマチックを使用することができるようになった。また, 自由に加温庫が移動できることで運搬の必要もなくなった。この過程を通してウロマチックの加温及び運搬方法が改善され, 業務改善とともに私たちの看護も見直すことができ, 看護の向上につながることができた。
  • 戸島 敏, 安田 洋, 新井 正, 伊東 祐二, 早川 和良, 高屋 忠丈, 土井 百恵, 渋谷 智顕, 伊藤 俊哉, 樫木 良友, 吉見 ...
    1999 年 48 巻 1 号 p. 48-53
    発行日: 1999/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    今回我々は, 転移性が疑われた肺腫瘍の診断をきっかけに, 子宮頸癌 (腺扁平上皮癌) にカルチノイド腫瘍が混在していたと考えられた一剖検例を経験した。その細胞像および組織像について検討したので報告する。症例は43歳の女性。不正出血が持続したために来院, 子宮頸部細胞診が施行された。細胞像は, 扁平上皮癌細胞と腺癌細胞が混在してみられた。子宮頸部の生検においても同様の所見を認め腺扁平上皮癌と診断された。広汎子宮全摘および所属リンパ節郭清術が施行され, 化学療法を行い定期的に経過観察されていたが, 術後約4年3か月経過時の胸部レントゲン写真において異常陰影を指摘され, 精査目的にて気管支鏡が施行された。気管支鏡検査時に採取されたポリープの病理組織像および電子顕微鏡所見より, 肺カルチノイドと診断された。同時に作製した捺印による細胞診像においてもカルチノイド腫瘍を強く疑う所見が得られた。このためretorospectiveに初診時の子宮頸部の細胞診像および病理組織像を検討したが腺癌および扁平上皮癌の所見を認めるのみでカルチノイド腫瘍を疑う所見は得られなかった。しかし, 神経内分泌マーカーであるNSE, chromogranine Aの免疫組織染色を施行した結果, 子宮頸部組織の腺癌様の一部分に陽性所見が認められたことより, 子宮頸部癌は腺扁平上皮癌に神経内分泌性の性状を有する腫瘍が混在していたものと考えられた。このことから組織診, 細胞診上, 低分化の腺癌および扁平上皮癌を疑う場合は, 子宮頸部のカルチノイドを含めた神経内分泌腫瘍も鑑別診断の一つとして考慮すべきであり, 免疫組織染色, 電子顕微鏡的検索を加えて確定診断することが重要であると考えられた。
  • 1999 年 48 巻 1 号 p. 54-63
    発行日: 1999/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
  • 1999 年 48 巻 1 号 p. 64-69
    発行日: 1999/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
  • 1999 年 48 巻 1 号 p. 70-79
    発行日: 1999/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
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