日本農村医学会雑誌
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48 巻, 5 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 百瀬 義人, 畝 博
    2000 年 48 巻 5 号 p. 695-709
    発行日: 2000/01/31
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    近年, 直接法という新しいlow density lipoprotein cholesterol (LDL-C) 測定法が開発された。本研究では, この直接法によるLDL-C値 (LDL-C/d) が, 農村健康成人の生活習慣とどう関連するかを明らかにすることを目的とした。また, LDL-C/dと比較するため, Friedewaldの計算式による推定値 (LDL-C/f) についても併せて検討を行った。資料は1998年度の基本健康診査データを用いた。LDL-C/dはコレステスト (第一化学) を用いて測定した。対象者は, 40~65歳の中高年男女678名。生活習慣と脂質レベルとの関連の検討には共分散分析法を用いた。その結果, LDL-C/dは, 飲酒と負の関連が男女ともに認められた。Body mass indexとの間には正の関連が女性に認められた。また, 間食との正の関連を男性に認めた。これらの生活習慣とLDL-C/dとの関連はLDL-C/fにおいても同様にみられたが, LDL-C/dの方がより強かった。LDL-C/dレベルはLDL-C/fに比べて有意に高く, これら2つのレベルの違いは, すなわち, 高脂血症者の割合に差が生じることを示唆した。本研究の成果は, 直接法によるLDL-C値の有効性を裏付けるものと考えられた。今後は, この直接法によるLDL-C値を用いた高脂血症分類の標準化に焦点を当てて検討すべきである。
  • 早川 富博, 浜田 茂彰, 林 香月, 都筑 瑞夫, 池戸 昌秋, 安藤 寿代, 林 美往, 河合 由加里, 斎場 寛子, 鈴木 智穂
    2000 年 48 巻 5 号 p. 710-719
    発行日: 2000/01/31
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    目的と対象・方法: いわゆる中山間部における在宅ケアに関する現在の問題点を明らかにすることを目的とし, 愛知県の東に位置する厚生連足助病院の訪問診療を受けている患者 (平成8年7月1日~平成10年12月31日までの利用者149名: 男59名, 女90名, 平均年齢は81歳: 19~103歳) を対象に, 日常生活自立度, 主な介護者, 患者・利用者宅への片道所要時間, 利用者の経過について調査した。また, 在宅ケアにおける介護者の抱える問題点を知るために, 平成9年10月31日現在, 訪問診療・看護を利用していた47名の主たる介護者を対象にアンケートを実施した。
    結果: 平成8年度の全国訪問看護ステーション利用者の実態との比較から, 1) 年齢構成は90歳以上の占める割合が23.4%と高かった。2) 日常生活自立度はBが多かった。3) 主な介護者は女性が8割を占め, その内訳は嫁が52%と全国の2倍であった。4) 利用者宅への片道所要時間は31~60分が32%で全国の3倍であった。5) 利用者の転帰のうち死亡は66名で病院死が44名 (67%) 在宅死が22名 (33%) であった。アンケートの結果では, 1) 介護者は60歳以上が半数を占め, 介護年数は45%が5年以上の介護をしていた。2) 介護で大変だと思うことでは, 精神的負担と食事・排泄介助が多かったが, 3) 手伝って欲しいことの中では, 食事・排泄介助は少なく, 希望するサービスは1日預かり施設, おむつの回収が多かった。4) 在宅死については希望する, 出来れば在宅で, 協力があれば在宅でを合わせると23名 (61%) が在宅死を希望された
    結論: 以上の結果は, 高齢者が高齢者を介護し, かつ地形の問題から患者・利用者が過疎に点在するという, 中山間部である当地区の在宅ケアの実態を明らかにし, 今後のより良き在宅ケアのシステム作りへの手がかりを与えるものと考える。すなわち, 医療・福祉 (介護) サービス提供者間の密接な連携 (人のネットワーク) と, 在宅ケアの利用者・介護者と医療・福祉 (介護) サービス提供者の両者が, 共に安心・満足の得られるような医療情報通信システムの構築が必要である。
  • 戸村 成男, 平野 千秋, 柳 久子, 椎貝 達夫
    2000 年 48 巻 5 号 p. 720-725
    発行日: 2000/01/31
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    慢性透析患者の病状や死亡に大きな影響を及ぼす因子として, 透析導入前の医療の質と透析導入の時期が注目されている。血清クレアチニン値が男性で2.0mg/dl, 女性で1.5mg/dlに達すると, 末期腎疾患 (ESRD) (慢性腎不全) の前期, すなわち前末期腎疾患期 (前ESRD期) に入ったとみなされる。米国では, 腎疾患に関する早期検査が普及しているわけではなく, そのため, 腎機能不全の発見がかなり遅れることがあり, 蛋白尿や血清クレアチニンの増加があっても, 腎疾患が記録されていないことが多い。また, 糖尿病患者でアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬が使用されていない, 高血圧患者で血圧コントロールが不適正であるなど慢性腎不全の進行を遅らせるための早期の介入の不足, 患者の全般的健康状態の低下, 低アルブミン血症, 高度の貧血, 恒久的血管アクセス作製の遅れ, そしてなかには透析療法の選択に関する教育をなんら受けずに透析に導入される患者がいるなど, 米国の前ESRD期の医療は多くの課題をかかえている。
  • 2000 年 48 巻 5 号 p. 726-755
    発行日: 2000/01/31
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
  • 2000 年 48 巻 5 号 p. 756-767
    発行日: 2000/01/31
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
  • 2000 年 48 巻 5 号 p. 768-778
    発行日: 2000/01/31
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
  • 2000 年 48 巻 5 号 p. 779
    発行日: 2000年
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
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