日本農村医学会雑誌
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51 巻 , 1 号
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  • 川村 功
    2002 年 51 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 2002/05/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    米国をはじめ西欧諸国では, 近年とくに重症肥満の増加が著しく, その対策として積極的に外科治療法を導入している. 我が国では幸いにも, 肥満の問題は比較的大きくなかったので, 重症肥満に対する認識さえも殆ど必要がない程であった. 然るに最近になって肥満の増加が著しくなると, 重症肥満も増えてきており, その認識と共に, 対策が求められる事態に至っている. 本邦で肥満とはBMIが25以上のものをいうが, この内で何らかの疾病, 障害が引き起こされていて, 医学的に減量を求められるものを, 肥満症という. さらにその中で, BMIが40以上の高度肥満で, 合併する疾病・障害が複数あり, 重症化していると重症肥満と診断され, 早急に積極的な治療を求められる. 重症肥満の対策としては, まずそこまでに至らないように予防することが最も重要である. 重症肥満に至ると, 死亡率がたかくなり, 通常の内科的治療では難治性であり, 再発すなわちリバウンド現象が起きやすいことが問題となるため, 症例によっては胃縮小術, 胃バイパス術などの外科治療法が導入されるべきである.
  • 竹内 悟, 瀬沼 美保
    2002 年 51 巻 1 号 p. 6-11
    発行日: 2002/05/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    研究目的は卵巣悪性, 境界悪性腫瘍について検討を行い, 予後因子を調べることである.
    1993年4月から2000年9月の問に手術を受けた卵巣悪性, 境界悪性腫瘍患者がこの研究対象である.カルテより患者を後方視的に調査した.
    患者の平均年齢は60.0歳 (30-81歳) であった.漿液性腫瘍が最も頻度の高い組織型であった.最初の手術で24人中10名で肉眼的病変が残存した.全体で6名が死亡した.研究期間に26名の患者が登録された.24名が原発性腫瘍であった.最初の手術で不完全に終わった例で, 化学療法後2名が再手術で完全手術を施行された.
    推定5年生存率はIII期で53.7%, IV期で0%であった.進行期IIからIV期で完全手術症例は, 全て生存しており, 進行期H期からIV期で不完全手術症例は3年推定生存率は25%であった.
  • 深堀 耕平, 高橋 俊明, 大森 芳, 伏見 悦子, 関口 展代, 渡辺 一, 林 雅人
    2002 年 51 巻 1 号 p. 12-21
    発行日: 2002/05/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    われわれは1995年から2000年までの6年間に当院で発作性房室ブロック (PAVB) と診断された連続9例 (男性3例, 女性6例, 45-78歳) の臨床症状, 12誘導心電図, Holter心電図, モニター心電図, 心臓電気生理学的検査 (EPS) の結果を比較検討した. ブロック部位は5例でHis-Purki功e系ブロック (H-PSB), 3例が房室結節性ブロック (AHB), 1例は不明だった. H-PSBでは1) QRSはしばしばwideで軸偏位を示し, 2) 房室ブロックは伝導比が変動しやすく, 3) PAVBは日中に洞頻脈, PQ時間一定から突然生じ, 4) 心室停止時間は長く失神発作を起こし, 5) アトロピンで誘発されやすかった. AHBは1) QRSはnarrowで, 2) PAVBは夜間PQ延長やPQ変動が先行し, 3) 心室停止時間は3-10秒で, 4) 通常のEPS, 副交感神経刺激手技, 薬剤, head-uptilt試験などでも誘発できなかった. 治療として9例全例にペースメーカーを植え込んだが, 心室停止時間が3秒程度のAHB例には別の管理法があったかも知れない.
  • 倉持 元, 布施 和子
    2002 年 51 巻 1 号 p. 22-28
    発行日: 2002/05/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    透析導入時は, 慢性腎不全患者にとって情緒的にきわめて不安定な時期であり多大な心理的負担を伴う. 最近, 当院ではこの心理的負担の軽減をはかる目的にて, 週1回血液透析導入法を施行している. 今回, 血液透析導入期における心理的負担についての意識調査を行い, 週1回透析導入法の心理面へ及ぼす影響を検討した. 導入患者の83.3%に透析導入時に心理的負担がみられ, 特に生活制限, 食事や水分摂取制限 (39.1%), 繰り返される透析による拘束 (20.9%) および病気や生命の予後に対する不安 (15.5%) が多く全体の75.5%を占めた. また週1回透析導入法により, 導入患者の72.2%に心理的負担 [生活制限, 食事や水分摂取制限 (30.7%), 繰り返される透析による拘束 (23.1%), 身体的合併症, 肉体的能力の低下 (23.1%), 家庭での地位, 役割の変化 (15.4%) および経済, 社会的制約 (7.7%)] の軽減が認められた. これらのことから, 透析導入時においては, 予後に対する心理的カウンセリングの重要性と導入法の選択に対する配慮が求められると考えられた.
  • 白井 悦子, 森内 尋子, 佐伯 久子, 坪野 由美, 金森 朱美
    2002 年 51 巻 1 号 p. 29-34
    発行日: 2002/05/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    喫煙者に節煙または禁煙をサポートするために, 喫煙者と禁煙者の実態を知る目的で, 日帰りドックを受診し, 喫煙している人及び禁煙した男女500人に「NHKきょうの健康」5日間の禁煙法を参考にして独自のアンケート調査を行った。その結果を喫煙群 (284人) と禁煙群 (216人) に分類した。対象者の平均年齢は男性58.4歳, 女性49.8歳, 全体では57.8歳だった。喫煙群の喫煙指数 (肺がんの危険度) 400以上は208人 (73.2%) であった。また禁煙希望者は120人 (42.2%) であった。禁煙群で禁煙による自覚的効果があった人は165人 (76.4%) であった。たばこの有害物質は主流煙よりも副流煙に2~3倍も多く含まれていると言われており, 私達はこれらのことを喫煙者自身に知識として知らせる責務があると考えた。2001年4月から私達は, アンケート結果と喫煙の健康影響 (喫煙者自身, 受動喫煙) をパネルに展示した。そして日帰りドック待ち時間中にミニ講演として, 喫煙の健康影響についての知識を普及している。
  • 大林 浩幸, 蓑谷 淑子, 鷹野 千賀子, 磯貝 直子, 中西 繁子, 島中 小百合, 槙本 智景, 前田 春美, 池本 悦子, 長瀬 真理 ...
    2002 年 51 巻 1 号 p. 35-40
    発行日: 2002/05/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    JA岐阜厚生連看護専門学校の全校生徒101名を対象に, 無記名アンケート形式の喫煙状況調査を行った。平成13年 (2001) 7月時点の同校学生の喫煙率は17.8%(18名) である。喫煙学生のほとんどはニコチン量0.9mg/本以下のタバコ15本以内/日の喫煙量であり, Fagerstrom Tolerance Questionnaire (FTQ) 指数は1.94±1.51とニコチン依存度はそれ程高くなく, 喫煙学生の約8割が禁煙を希望・意識している実態が把握された。又, 非喫煙学生の約8割が周りの喫煙に不快感を抱く一方, 約2割の学生は機会により, 容易に喫煙を開始し得る可能性が示された。同校学生に対し, 今後十分な啓蒙が必要であり, カリキュラムの一貫としての禁煙教育の必要性が示唆された。
  • 永井 敬之, 鳥島 竜太郎, 中嶋 宏, 阿部 寿徳, 溝口 博本, 大河原 均, 藤富 豊, 明石 光伸
    2002 年 51 巻 1 号 p. 41-46
    発行日: 2002/05/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    症例は60歳女性。主訴は頸部, 項部, 腋窩部, 腹部, 陰部, 鼠径部の色素沈着および掻痒感で, 皮膚生検にて黒色表皮腫と診断された。上部消化管内視鏡検査にて胃体上部後壁にBorrmannIII型進行胃癌を認めた。胃全摘術を施行したが, 術後1年9か月後に癌性腹膜炎にて死亡した。黒色表皮腫は悪性腫瘍の合併率が高く, 特に胃癌との合併が多く報告されている。皮膚症状は胃癌の発見につながるもので, 黒色表皮腫に対しては, 特に胃癌の合併を念頭に置いた定期検診を行うべきであると考える。
  • 平原 典幸, 渡部 広明
    2002 年 51 巻 1 号 p. 47-51
    発行日: 2002/05/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    急性虫垂炎の診断にて緊急手術を施行し, 術中所見より回腸魚骨穿孔と確定診断された症例を経験したので報告する。症例は49歳, 男性。右下腹部痛を主訴に近医受診。当院へ紹介された後, 精査にて急性虫垂炎を疑い, 緊急開腹術を施行した。開腹所見で虫垂は発赤, 腫脹し, 虫垂間膜の肥厚も認め, 虫垂炎の所見を認めた。また, 小腸内に多量の血液の貯留を認め, 回腸末端より約20cm口側の腸管が右総腸骨動静脈の内側に癒着しており, 同部位の剥離にて魚骨を認めた。以上より回腸魚骨穿孔から虫垂へ波及したものと判断し, 虫垂切除術, および回腸部分切除術を施行した。本症では胃全摘後, Roux-en Y法にて再建されており, 胃酸の分泌がないため魚骨の消化が悪く, 幽門輪などの生理的関門がないため, 小腸への排出が容易であったが, 癒着による狭窄した腸管があるため, 穿孔したと考えられた。
  • 水野 樹, 湧田 暁子, 松岡 裕士, 岡原 正幸, 松木 美知子, 森田 翼, 阿河 直子, 合田 吉徳
    2002 年 51 巻 1 号 p. 52-58
    発行日: 2002/05/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    症例は87歳, 女性。不明熱の精査目的にて内科入院となった。理学的所見, 血液, 尿検査, 細菌学的検査, 体幹部のX線, 超音波, CT, MRI検査で不明熱の原因を特定できなかった。炎症所見は各種抗生物質に抵抗性であった。ガリウムシンチグラフィーで両鼡径部にRIの異常集積像を認めた。両嵐径部超音波, 造影CT検査で両大腿骨頸部腹側に腫瘤を認めた。骨シンチグラフィー (99mTc) で両股関節にRIの異常集積像を認めた。右鼡径部腫瘤摘出術を施行し, 腫瘤は右大腿骨頸部前面で股関節包に連続している大きさ30×20×20mmの乾酪壊死様の充実性物質であった。採取標本からLanghans巨細胞を含む結核性肉芽組織であることが判明した。不明熱から診断に難渋した両股関節結核の1症例を経験した。股関節結核の診断においては各種画像診断の重要性が認識させられた。不明熱や各種抗生物質に抵抗性の関節病変では, 関節結核の可能性を念頭に入れるべきである。
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