日本農村医学会雑誌
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52 巻 , 1 号
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  • 山根 洋右, 米山 敏美, 塩飽 邦憲, 北島 桂子, 下野 久美子, 明石 秀伸, Erdembileg ANUURAD, Byambaa ...
    2003 年 52 巻 1 号 p. 1-30
    発行日: 2003/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    日本における牛海綿状脳症 (BSE) の発生経過を, 政策科学の視点から英国, EU諸国の政策と照合しつつ分析した。日本におけるBSE感染牛7頭の感染源, 感染経路の調査をレビューし, 疫学的調査の問題点を明らかにした。また, 英国, EU, WHOから日本における発生を再三にわたり警告されていたにもかかわらず, 行政対応がとられなかった経過についても政策科学の視点から検討した。これらのレビューにより, 関係省庁の危機管理意識や体制の欠如, 食品業界や市場のモラルハザード, 政府の失政, 消費者を擁護する食品安全監視体制の欠陥を明らかにし, 今後の安全な食品管理政策のあり方を論述した。
  • 峠田 和史, 西山 勝夫, 北原 照代
    2003 年 52 巻 1 号 p. 31-42
    発行日: 2003/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    滋賀県での農作業災害予防のための課題を明らかにする目的で, 県共済連の保険請求資料を基に, 1982年から1991年までの期間について, 主な農業機械を原因とした災害の発生実態を経年的に検討した。農作業災害は調査期間中に男性に914件, 女性に288件発生しており, 1983年が144件で最も多く, 以後, 年間100件程度で推移していた。災害発生に結びついた主な農業機械は, コンバイン, 草刈機, トラクター, 耕転機であった。コンバイン, トラクター, 耕転機による災害は, 減少ないしは横這いであったが, 草刈機による災害は増加していた。1989年以後, 60歳以上の年齢階層が被災者の中で最も高い構1成比であり, しかも, それは滋賀県の農業従事者の60歳以上構成比よりも高かった。コンバイン, トラクターでは, 機械の操作性や作業環境に起因する災害は減少していたが, 脱穀や耕転作業時の災害は減少していなかった。草刈機による災害増加には, 普及台数の増加や傾斜畦畔の拡大により使用頻度が増えたことが関与していることが考えられた。草刈機による災害予防のためには, 機械や作業環境の改善とともに保護具の導入が必要と考えられた。
  • 塩飽 邦憲, 乃木 章子, アヌーラド エルデンビレグ, 北島 桂子, 下野 久美子, 山根 洋右
    2003 年 52 巻 1 号 p. 43-52
    発行日: 2003/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    肥満, インスリン抵抗性, 高脂血症, 高血圧を合併した代謝症候群が, 心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患のハイリスク群として注目を集めている。40~65歳の男性はこれらの動脈硬化の危険因子を多く有することが報告されているが, これらの危険因子について農村と都市の住民での比較研究はない。島根県簸川郡佐田町および出雲市において, 2002年の定期健康診断受診者1,084人 (20~59歳) を対象に動脈硬化関連危険因子を比較した。危険因子数は加齢とともに増加し, 男性が女性よりも多かった。農村群の50歳代男性では地方都市群に比較して有意に危険因子数が増加していた。危険因子数は1~2個が多く, 3個以上は7%未満であったが, 農村群40~59歳 (壮年) の男性では, 肥満, 高脂血症, 高血圧, 糖尿病の危険因子のうち2個以上有する割合が地方都市群より有意に高かった。農村群壮年男性の危険因子数の多さは, 肥満, 高脂血症 (特に低HDLコレステロール血症), 高血圧と関連していた。女性では両群のBMIに有意な差を認めなかったが, 農村群男性のBMIでは地方都市群男性よりも1.0kg/m2の上昇を認めた。この原因として, 農村群男性での高い飲酒率や身体活動の低下が推察された。農村における代謝症候群の予防のために, 食生活や身体活動の改善やそれを支える健康教育や健康支援環境整備の強化, 健康政策の確立が重要と考えられる。
  • 曽我 佳代, 松本 典子, 佐保 由美, 足立 晶子, 中村 恭世, 明石 光伸
    2003 年 52 巻 1 号 p. 53-64
    発行日: 2003/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    国民が病気にならないための健康づくり戦略として, 現在さまざまな形で生活習慣改善指導が展開されている。これは, 病気ではないが, なんらかの検査異常値を示すいわゆる生活習慣病予備軍に対して, 検査異常値が不健康な生活習慣に起因するといわれていることにより, まず生活習慣の行動様式を改めさせることで健全化を図ろうとするものである。
    本調査研究では, 高脂血症者の地域住民を対象に, 血清脂質の改善を目的として, 栄養・運動を中心とした生活習慣改善指導を約1年間にわたって行い, この介入活動が対象者の意識・行動をどのように変化させ, また, 体重・体脂肪・血清脂質やその他生化学検査値にどう影響を及ぼしたかについて検討を行った。
    介入活動前後で生活習慣調査表を比較してみると, 食事や運動に対する関心が深まり, 食習慣では, 特に卵・野菜・間食・塩分の摂り方が改善し, このことは, 栄養分析結果でもほぼ確認できた。運動習慣では, 介入前より仕事以外の運動頻度が増加傾向を示した。
    また, 一般検査・血液検査では, 総コレステロール0体重・肥満度・空腹時血糖において, 介入活動後有意に減少効果がみられた。
    以上のことにより, 今回の介入活動が, 対象者の意識改革・行動変容をもたらし, 体重や. 血浩脂質の改善に少なからず寄与したことがうかがえた。
  • 栗原(若狹) 律子, 桂 敏樹
    2003 年 52 巻 1 号 p. 65-79
    発行日: 2003/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, Smithの4つの健康モデルに基づいてひとり暮らし高齢者の健康状態を測定し, その変化が外出能力に及ぼす影響を追跡的に検討することである。宮城県栗駒町在住のひとり暮らし高齢者224名を対象とし, 記名自記式調査票または面接による追跡調査を行なった。多変量解析の結果, 外出の有無に関連する要因: 健康状態のうち健康生活習慣の変化は外出の有無と有意な関連を示し, 健康生活習慣の改善が外出を促進した。健康状態の変化以外では, 独居期間が長くなると外出を抑制し閉じこもることが明らかになった。社会活動指標に関連する要因: 健康状態のうち現病歴の変化および健康度自己評価の変化は, 社会活動を低下させる影響を及ぼした。健康状態の変化以外では, 独居期間の長いことが社会活動を低下させた。外出時間に関連する要因: 健康状態のうち現病歴の変化および健康生活習慣の変化は, 外出時間を短縮させる影響を及ぼした。健康状態の変化以外の要因では, 独居の自己決定, 外出手段が有意な関連を示した。
  • 奥村 昌志, 齋場 寛子, 早川 富博
    2003 年 52 巻 1 号 p. 80-89
    発行日: 2003/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    [目的と対象] 中山間部において, 介護力が低下している高齢者世帯の在宅療養に対するサポートの在りかたを明らかにするため, 愛知県東北部に位置する足助町, 下山村, 旭町, 稲武町の介護保険サービス利用者502人 (男;160人, 女;342人。平均年齢;83歳: 54~100歳) を対象に, 独居世帯・高齢者世帯・その他世帯の3類型から介護保険給付実績 (平成14年2月分) の比較分析を行った。
    [結果] 対象者502人中, 独居世帯は79人, 高齢者世帯は82人, その他世帯は341人であった。3世帯間に要介護度の差はなかったが, 在宅サービス利用者は独居世帯で37人 (46.8%), 高齢者世帯で62人 (75.6%), その他世帯で262人 (76.8%) であった。独居世帯では, 要介護度の重度化に伴い在宅サービス利用者が激減したが, 高齢者世帯とその他世帯では重度化しても比較的安定した利用率であった。高齢者世帯とその他世帯における在宅サービスを種類別にみると, 訪問看護は, 介護度の重度化に伴い, 両世帯ともに等しく増加した。一方, 通所介護は, その他世帯で介護度の重度化により減少したが, 高齢者世帯では終始高い利用率を維持していた。また,「介護保険サービス利用者アンケート」において, 各種在宅サービスに対する高齢者世帯の主観的満足度は高く, その期待度も極めて肯定的な結果が示された。
    [結論] 当地では, 高齢者世帯の在宅療養が比較的高く維持されており, この背景には,「安心感」を提供する訪問看護と, 介護者の休息を保障する通所介護の高い利用率があった。
  • 花岡 利安, 栗原 かおる, 日向 康子, 佐藤 美智子, 久保田 道子, 鳥山 俊英, 金井 彬
    2003 年 52 巻 1 号 p. 90-94
    発行日: 2003/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    介護保険導入前後の脳卒中患者および大腿骨頸部骨折患者の退院時動向調査では両疾患とも入院日数が増加し家庭退院率が低下していた。
    地域リハビリテーション業務については, 従来の機能訓練事業から撤退する自治体が増加, 徐々に介護保険事業者による通所リハ, 通所介護, 訪問リハなどへの移行が進んでいるが, 今後, 補装具, 福祉機器, 住宅改修なども含めて十分なネットワークを構築していくことが求められている。
  • 石浜 みち子, 関 千代子
    2003 年 52 巻 1 号 p. 95-99
    発行日: 2003/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    [目的] FS (フェイススケール) はがん患者の倦怠感を, 看護師が把握する測定ツールとして有用であるか否か。この研究は看護師の認識面の変化を通して評価, 検討する。[方法] 消化器内科病棟とがんセンター病棟の看護師41名は倦怠感のあるがん患者に対しFSを使ってその程度を判定した。看護師はFSを使って倦怠感の程度を毎日の検温時に5か月間記入した。
    [結果] 調査対象看護師の65.9%は倦怠感の症状把握が容易となったと答えている。両病棟の看護師の間でこの認識に有意差はみられなかった。がん患者の倦怠感をFSによって評価することは, 看護師と患者および看護師問の倦怠感に関する共通の理解が可能となり, また, 援助後評価もしやすくなった。FSは患者の主観である倦怠感を看護師が客観的に共通の尺度で表現できるようになった。臨床看護師の倦怠感に対する認識面を引き出すという目的も達成された。看護師の観察意識・アセスメント意識・ケア意識をも高めることができた。
  • 2003 年 52 巻 1 号 p. 100-107
    発行日: 2003/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
  • 2003 年 52 巻 1 号 p. 133
    発行日: 2003年
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
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