日本農村医学会雑誌
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52 巻 , 4 号
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綜説
  • 山根 洋右, 塩飽 邦憲, 北島 桂子, 下野 久美子, 樽井 惠美子, 米山 敏美, ANUURAD Erdembileg, ENKHMA ...
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2003 年 52 巻 4 号 p. 677-700
    発行日: 2003年
    公開日: 2005/03/29
    ジャーナル フリー
    激しいグロバリゼーションや地方分権の動きを背景として, 市町村自治体の健康なまちづくりは, 21世紀の日本の健康福祉政策の重要な課題となっている。
    WHOをはじめとする健康なまちづくりの国際的な動向, 成果, 課題をレビューし, 日本の農村と都市の共生を志向した健康のまちづくりに向けた戦略と方法論, ならびに理論と実践を政策科学の視点から提起した。
  • 渡部 誠一, 福田 睦夫, 渡辺 章充, 清水 純一
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2003 年 52 巻 4 号 p. 701-708
    発行日: 2003年
    公開日: 2005/03/29
    ジャーナル フリー
    1998年1年間の当院の小児科救急外来受診者11,714名を分析して以下の結果を得た。年齢は年少児が多く, 1歳以下が33.6%, 3歳以下が54.5%であった。受診時間は17時から24時に一日の50.8%, 夜間の75.3%が集中していた。受診患者は2~3つの二次医療圏から来院し, 対象人口は80万人, 対象小児人口は12万人と推計された。小児科の外来患者の26%, 入院患者の43%は救急外来経由であった。小児ICUは年間110人が入室し, 45人に人工呼吸を行い, 一日平均在室人数は7.4人であった。
    20年間の当院の小児救急医療体制の変遷を分析した。1983年に新生児集中治療室を開設, 1986年に小児科集中治療室を開設, 1993年に24時間体制の小児科医による救急医療を開始, 1996年に在宅人工呼吸療法を開始, 1997年にレスパイトケアを開始と, 徐々に発展してきた。すなわち集中治療室からプライマリーケア, そして在宅医療へ発展してきた。この変遷は年少児の増加, 小児科医の不足, 担当医療圏の広域化, いつでも小児科医の診療を希望する等のこの地域の特色と需要に対応してきた結果である。
    まとめると, 小児救急医療は患者がより広い地域からひとつの病院へ集中化しており, そしてプライマリーケアと集中治療と在宅医療を含む総合小児医療へ変化してきている。
原著
  • 城野 世津子, 岩本 美江子, 水津 久美子, 原田 規章
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2003 年 52 巻 4 号 p. 709-716
    発行日: 2003年
    公開日: 2005/03/29
    ジャーナル フリー
    農村生活総合研究センターで開発された「農業従事者のための疲労調査票」を用い柑橘類栽培従事者における疲労状況を評価することを目的として調査を行った。柑橘類栽培従事者約300名を対象に, 農閑期および農繁期の農作業疲労に関するアンケート調査を行い, 自覚疲労, 労働負担, 満足度, 健康優先度に関する疲労評価得点を算出し, 農繁閑期の疲労状況について検討した。また農村生活総合研究センターによるイチゴ農家およびニラ農家の調査結果との比較により農作目の違いによる疲労状況について分析した。調査年は収穫量が例年に比べ少なく, 農繁期であっても作業量が少なく, 農繁期の疲労症状は例年より小さかった。柑橘類農家においては, 自覚疲労, 労働負担, 満足度, 健康優先度の各評価得点の農繁期および農閑期の差はあまりみられなかったが, 男女間で異なる疲労状況がみられた。「農業従事者のための疲労調査票」により, 農作目による疲労状況の違いが認められた。
  • 新妻 義文, 川崎 恒雄, 津久井 一, 高橋 良延, 前田 正光, 石橋 敦, 玉田 一敬
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2003 年 52 巻 4 号 p. 717-725
    発行日: 2003年
    公開日: 2005/03/29
    ジャーナル フリー
    リンパ節郭清が必要な早期胃癌に対する低侵襲手術として, 腹腔鏡補助下幽門側胃切除術 (Laparoscopy-Assisted Distal Gastrectomy ; 以下LADGとする。) が提唱されている。しかし, すべての手術操作を腹腔鏡下に行なうLADGは, 手術手技の複雑性, 困難性のため, いまだ一般に普及した手術術式とはなっていない。
    LADGでも胃切除後の消化管再建のために最終的には5cm前後の小切開創が必要なことから, われわれは手術のはじめから6cmの小切開創をおいて, 左手を挿入し, hand assist (用手補助) 下に腹腔鏡手術を行なう用手補助腹腔鏡下幽門側胃切除術 (Hand-Assisted Laparoscopic Distal Gastrectomy ; 以下HALDGとする。) を施行してきた。通常の開腹手術と同等の左手の感触, 自由な運動能を有するHALDGは, LADGに比べ手術時間は短縮され, 開腹幽門側胃切除術 (Open Distal Gastrectomy ; 以下ODGとする。) との術後成績の比較で同等の安全性と有用性を示した。
    胃癌患者の術後QOLの向上を考えたとき, HALDGは今後さらに普及させるべき術式と考える。
  • 朱宮 哲明, 国政 陽子, 菱川 千鶴, 藤井 真穂, 大場 陽子, 澤田 智恵美, 林 幸子, 西村 直子, 野木森 剛, 尾崎 隆男
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2003 年 52 巻 4 号 p. 726-732
    発行日: 2003年
    公開日: 2005/03/29
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者教育の目標は, 患者が疾病及び治療をより深く理解し, 自発的に生活行動を改善できるようにすることである。今回我々は, 糖尿病患者の心理状態を把握する心理調査が教育効果を上げるために有用であるかを検討した。対象は当院通院治療中の糖尿病患者75名 (15~85歳 : 平均66歳)。心理調査は, 平成14年2月26日の糖尿病教室開催日に, 自記式の調査票を用いてうつスケール調査 (The Center for Epidemiologic Studies Depression Scale) と対処行動調査 (Coping Inventory for Stressful Situation) を行った。
    うつスケール調査では16名 (21.3%) が20点以上であり, 糖尿病患者にうつ傾向の高いことが示された。対処行動調査では, 課題優先対処であるT尺度が他の尺度に比べ高く(P<0.05), 糖尿病患者の継続治療に対する意識は高いと考えられた。
    グリコヘモグロビンA1C値別の検討では, コントロール不良群 (8%以上) にうつスケール値が高く (P<0.05), また回避優先対処であるA尺度も高かった (P<0.05)。うつ状態の持続と血糖コントロールの悪化との関係が示唆された。糖尿病患者に対する心理調査成績は, より効果的な教育を行うための非常に有用な指標と考えられた。
報告
  • 中泉 愛, 本多 佳弘, 中根 健, 山田 直樹, 三谷 幸生, 鈴江 孝昭
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2003 年 52 巻 4 号 p. 733-736
    発行日: 2003年
    公開日: 2005/03/29
    ジャーナル フリー
    私達は, 平成12年10月の病院全面新築移転の際, 移転前の医療機器管理方法に関しての反省点を挙げ, 医療機器管理システムを作成して医療機器の中央管理を導入した。この結果, 所有機器が明確になり, 機器の稼動状況の把握や, 故障・修理原因の分析, 修理費用の把握が可能になった。今後は, このシステムを更に改良し, 看護師に対し, 機器の貸し出しについての省力化を図ることや, 施設課との情報の共有化, また, 医療機器管理システムのデータを利用して稼働率や修理率を算出し, 医療機器の購入や更新, 破棄に関しての参考資料としていくよう考えている。
    医療現場においてME機器の使用は必要不可欠であり, このような状況下での機器による事故防止, 適正機器台数の把握と共に, 適切な保守業務によるコスト削減に対してME機器管理システムを用いた中央管理は効果があると思う。
  • 塩谷 純子, 川瀬 正裕, 山本 弘一, 白井 博美, 桜井 迪朗, 長嶋 孝昌
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2003 年 52 巻 4 号 p. 737-743
    発行日: 2003年
    公開日: 2005/03/29
    ジャーナル フリー
    近年, 小児科領域では, 注意欠陥多動性障害 (以下ADHDと略す) の子どもと出会う機会が増えている。今回は, こうしたADHD児の行動に注目して研究をすすめていくことにした。
    本研究では, 「ADHDの症状チェックリスト」を用いて, 心理相談室での臨床心理士との1対1の場面と, 小児科主催のキャンプでの集団場面のADHD児の行動評価及び観察をおこなった。
    その結果, 心理相談室内での子どもの行動は, 心理療法開始時と比べ, 治療後には「注意欠陥」「衝動性」「多動性」「友人関係」の全ての尺度において改善が認められた。薬物療法と心理療法を併用して継続することによって, 1対1の場面での行動改善や成長がみられると考えられた。しかし, キャンプのような刺激の多い集団場面では, 「多動性」の得点が高くなった。こうした行事や不慣れな場所などいつもと違った場面では, 1対1の場面とは異なる注意が必要であり, それを周囲が理解していることが重要だと考えられた。
症例報告
  • 山田 暢夫, 渡部 博之, 三浦 雅人, 佐藤 敏博, 堀川 洋平, 戸嶋 雅道
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2003 年 52 巻 4 号 p. 744-748
    発行日: 2003年
    公開日: 2005/03/29
    ジャーナル フリー
    症例は72歳, 男性。2001年9月29日急に口渇, 頻尿, 高熱が出現。同日近医を受診し, 尿路感染症の診断で治療を受けたが症状は改善せず, 10月3日から嘔吐出現, しだいに意識混濁が出現したため救急車で当院に搬送。入院時検査成績で, 血糖1,110mg/dl, 血液ガス分析でpH7.167, HCO3-7.6mmol/l, 尿中ケトン体陽性。血清アミラーゼは軽度上昇していたが膵炎の所見は認めなかった。糖尿病性ケトアシドーシスの診断でインスリン治療を開始したところ, 翌日に症状は改善した。入院時のHbA1cは5.3%であり, これまで糖尿病を指摘されたことはなかった。また, 尿中C-peptideが2.4μg/dayと著明なインスリン分泌の低下を認めたが, 抗GAD (Glutamic acid decarboxylase) 抗体, IA-2 (Insulinoma associated protein-2) 抗体, ICA (Islet cell cytoplasmic antibody) などの糖尿病関連自己抗体は陰性であった。以上より本例は劇症1型糖尿病であると考えられた。高齢者であっても尿路感染症や感冒症状に高血糖症状を呈する場合は劇症1型糖尿病を念頭において速やかに対処する必要がある。
  • 高橋 俊明, 井根 省二, 竹内 雅治, 伏見 悦子, 関口 展代, 木村 啓二, 林 雅人, 斉藤 昌宏, 高橋 さつき
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2003 年 52 巻 4 号 p. 749-754
    発行日: 2003年
    公開日: 2005/03/29
    ジャーナル フリー
    1995年から2001年の6年間に4例の劇症型心筋炎 (男2例, 女2例, 年齢21~67歳) を経験した。診断は臨床症状, 心電図, 心エコー所見などから総合的に行い, 3例では病理学的に確定診断された。4例全例が発熱などの感冒症状で発症し, 1例は心肺停止で来院し, 蘇生できなかった。残り3例は初発から5~7日後にショック状態で入院し, 一時ペーシング, カテコラミン, ステロイドパルス療法, そのうち1例では経皮的心肺補助 (PCPS) を導入したが, 3例とも入院1~10日後死亡した。心電図では心室調律, 異常Q波, ST上昇, 低電位を呈した。血清酵素の著明な上昇, 代謝性アシドーシス, DICは予後不良の徴候と考えられた。劇症型心筋炎の救命のためには, まず本症を早期に的確に診断すること, そして積極的に補助循環を導入し, 急性期を乗り切ることに尽きる。
看護研究報告
  • 佐藤 弘子, 菊地 幸代, 久保田 妙子
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2003 年 52 巻 4 号 p. 755-761
    発行日: 2003年
    公開日: 2005/03/29
    ジャーナル フリー
    当院における従来の感染対策マニュアルの活用状況を調査, 分析することで, 感染対策新マニュアルの作成を行った。それをもとに職員勉強会を実施, 感染対策への職員の意識づけを目的とした。
    感染防止対策は医療の急速な発展, 高度化に伴い, 日々変化している。当院では早期より感染対策マニュアルを作成, 修正が行われてきたが, 活用されない現状があった。そこで, 従来のマニュアルの活用状況をアンケート調査 (n=447) し, マニュアルが活用されない原因を分析した。従来のマニュアルは, 古い, 分厚い, 読みづらいと不評であったが44.7%の人が活用していた。55.3%の活用していない人は, 見てもわからない, 必要時上司, 同僚に聞くと答えている。これらの分析結果をふまえ, 約6か月間を費やし, 理解しやすく, 活用しやすい新マニュアルを作成した。職員全員に1冊ずつ手渡し, 新マニュアルをもとに職員勉強会を実施した。新マニュアルの紹介, 院内感染の定義, ユニバーサルプレコーションについて, 手洗いの仕方, 手袋, マスクのつけ方の実技を行い知識の確認を行った。パネルディスカッション形式で行われた勉強会は出席者が多く, 感染対策への関心の高さを感じた。この勉強会を行ったことで職員の感染対策に対する意識を高めることができた。また, 新マニュアルを学ぶことにより全てのスタッフに院内感染防止の重要性を理解してもらうよい機会となった。
資料
  • 圷 哲也, 市村 由美子, 杉山 貴男, 沢畑 博, 鈴木 修平
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2003 年 52 巻 4 号 p. 762-765
    発行日: 2003年
    公開日: 2005/03/29
    ジャーナル フリー
    近年の医療費抑制策や制度の変化に対応する経営改善ツールとして, 医療材料のSPDシステムを導入した。開始当時, 厚生連病院の中でSPDシステムの導入ははじめてであり, 業者においても最初であるため, 独自のシステムを構築することとなった。
    預け在庫方式による定数在庫補充—棚管理方式とした。専任スタッフは病院職員1名, 業者専従が1名で行っている。導入に際しての条件は“現状のままの人員で低コスト”であった。システムの維持コストは, 5年リースで月額137,700円と廉価である。
    結果として, 決算時の棚卸金額が約1,800万円削減できた。また, 収益増に対して医療材料の購入金額は前年度比マイナスとなった。各部署の品目数は初期と現在で計480品目増加しているが在庫金額は『0円』である。
    特定保険医療材料のMO (光磁気ディスク) への取り込みは, 医事データとの照合により収支バランスを即チェックでき, 非常に役立っている。
    2年6か月間の一時的在庫削減額と年間購入削減金額の合計は9,338万円である。医療材料の削減金額は, このように大幅なものとなった。
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