日本農村医学会雑誌
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53 巻 , 2 号
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原著
  • 竹内 悟
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 53 巻 2 号 p. 103-109
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/03/29
    ジャーナル フリー
    当科で手術した子宮体癌症例について, 予後因子別の予後と, 再発様式について検討した。
    1996年1月より2002年8月までの6年8か月の間, 当科で手術を施行した子宮体癌42症例を対象とした。
    結果は, 42人の内, 1例が手術後3か月後に死亡し, 4例が再発した。再発部位のすべては膣断端であった。骨盤リンパ郭清を受けた32人の内4人にリンパ節転移がみられた。その内, IV期の1人は再発した。3年無病生存率は, I, II, III期でそれぞれ87.4%, 75.0%, 100%であった。IV期の6か月無病生存率は, 0%であった。
    子宮体癌, I, II期では膣断端の再発を防ぐことにより, 無病生存率を改善する可能性が示唆された。
  • 田沢 潤一, 真田 勝弘, 酒井 義法, 山根 道雄, 草野 史彦, 永山 和宜, 藤原 秀臣, 平沼 進
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 53 巻 2 号 p. 110-117
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/03/29
    ジャーナル フリー
    肝疾患診療現場におけるC型肝炎患者の実態や, その後の受診状況などに関しては不明な点が多い。1997年1月から同年2月までの2か月間に当院内科外来で診療した肝疾患患者, 連続844症例を対象に検討した。583例がC型肝炎ウイルス (HCV) に感染しており, この内3例はHBs抗原陽性, 他の1例はA型急性肝炎合併例であり, 結果としてC型肝炎単独感染例は579例 (68.6%) であった。C型肝炎単独例の病型は, 急性肝炎1例, 無症候性キャリア60例, 慢性肝炎332例, 肝硬変130例, 原発性肝癌41例, 不明15例であった。肝生検施行例について線維化進展度をみると, 約半数がF1であった。HCV遺伝子型2型に対するインターフェロン単独療法の成績は全国的な成績より劣っていたが, 高ウイルス例が多いことがその原因であることが示された。地域によりHCV遺伝子型の分布に偏りがある傾向がみられたことから, 地域性を明らかにする意義が示された。5年後も通院中の症例は, 無症候性キャリアを除いたC型慢性肝炎では68.1%, HCV無症候性キャリアでは50%と低率であり, これらの脱落症例が他の診療機関などで十分な経過観察が行われているかを明らかにすることも重要と考えられた。
  • 大榮 薫, 尾崎 隆男, 西村 直子, 森下 憲一, 加藤 幸男
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 53 巻 2 号 p. 118-122
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/03/29
    ジャーナル フリー
    当院では, これまで速乾式手指消毒剤としてグリセリンを添加した消毒用エタノールの院内製剤を使用していた。平成13年8月, 経済効果を考慮してウエルパスを採用し, 院内製剤の廃止を実施した。しかし, その後病棟廊下に黒ずんだ汚れが目立つようになり, 速乾式手指消毒剤の影響であることが推測された。床の汚れの原因となる消毒剤を究明するため, 病棟廊下と同じ状態を再現し, 以下の薬品で実験をした。一定の枠内にウエルパス, ウエルアップ, ヒビソフト, 消毒用エタノール, 逆性石けん液, ヒビテン液, グリセリン液, 蒸留水をそれぞれ滴下し, 汚れの程度を比較検討した。逆性石けん液および逆性石けんを含むウエルパスではひどい汚れが発生し, 汚れの原因成分は逆性石けん液である事が推測された。逆性石けん液を含有しない速乾式手指消毒剤への変更が必要と考え, 経済効果も考慮した上で, 平成15年10月より消毒用エタノールにグルコン酸クロルヘキシジンを添加したウエルアップに変更した。ウエルアップに変更後は病棟廊下の汚れが明白に減少しており, 今回の見直しは有効であった。
報告
  • 永美 大志, 矢島 伸樹, 浅沼 信治, 臼田 誠, 広澤 三和子
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 53 巻 2 号 p. 123-130
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/03/29
    ジャーナル フリー
    日本では, 第二次大戦後に農薬の使用が増え, 農薬中毒が農村医学の主たる課題になって久しい。アジア地域諸国でも日本と同様に, または, それ以上に農薬中毒は農村医学上の課題であり, 労働医学全体の中でも重要なものであると推測される。今回, 筆者らは, 近年の国際機関の報告, 医学系論文などから, アジア地域諸国の農薬中毒 (障害) 防止研究の状況の概観を試みた。
    WHOが1992~97年にかけて, 国際的な農薬中毒症例の収集方法を策定し, 1998年から東南・南アジア諸国で病院ベースの調査が行われた。それらと, 日本農村医学会の農薬中毒 (障害) 臨床例調査の調査結果 (1998~2000年) とを比較した。また, FAOが1999年にアジア地域で開始した, 地域ベース病害虫綜合防除の推進研究では, 農薬の使用状況と農薬中毒の症状を農業者に自己申告させることにより, 強毒性農薬を使用し, 中毒が発生していることを認識させ, 農業者がその使用を自主的に回避するという成果を得ている。
    これらの研究・活動は, 相補的に農薬中毒防止に貢献すると考えられる。我々も, 1996年から農薬中毒臨床例調査を再開して, 1年に60~80症例を収集し, 解析してきたが, 日本およびアジア地域での農薬中毒を低減させるために, これらのプロジェクトなどとの連携を模索していきたい。
  • 齋藤 六温, 榎本 剛彦, 角田 和彦
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 53 巻 2 号 p. 131-139
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/03/29
    ジャーナル フリー
    新潟県は慢性的な医師不足状態にある。平成12年の統計では新潟県の人口10万人あたりの診療従事医師数は162.5名で全国都道府県では40番目と少なかった。 (全国平均は191.6名)
    当院が所在する小千谷市を含めた医療圏全体では人口10万人あたりの診療従事医師数は124.5名であり医師不足は末期状態を呈している。
    医師が不足している状況で医療の質を維持し, 救急にも対応する事はかなり困難である。この対応策の一つとして複数の病院がお互いに足りない所を補い, 助け合う事が患者サービスに直接繋がるという認識を持つようになった。新潟県厚生連ではネットワークの必要性を重視しており, 中越地域で7病院のネットワークを構築し運用している。
    当院は地理的条件と病院機能面から, 長岡中央綜合病院 (長岡市), 中条病院・中条第2病院 〔精神科単科〕 (十日町市), 刈羽郡総合病院 (柏崎市) の周囲4病院間で個々の病院の特長を生かしたネットワークの運用し良い状況にある。
    その内容はお互いの病院で不足している医師の助勤, 慢性期患者の受け入れ, 急性期患者の検査や治療依頼である。
    中でも当院に特徴的な点は中条第2病院 〔精神科単科〕 からの外科治療を要する患者の受け入れである。
    精神病薬を服用し精神科に受診 (入院) している患者さんの周術期管理は難しいと一般には理解されている。当院には精神科は無いが, 外科は積極的に精神病を合併している患者を受け入れ, 手術を施行し良好な結果を得ている。
  • 水野 時江, 倉島 恵美, 河合 秀世, 三浦 よね子, 村田 幸紀, 伊藤 徹
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 53 巻 2 号 p. 140-144
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/03/29
    ジャーナル フリー
    訪問介護事業を実施するなかで, 平成13年4月から14年の5月までの1年間に15件もの「訪問忘れ」があり, この状態で行けば今後も月1件のペースで起こりうると危惧され, 現状を打開し訪問忘れを0 (ゼロ) とすべく, TQM活動の手法を用いスタッフ全員で取り組んだ。
    活動の目標を「訪問忘れ0ゼロ件の継続」とし, 現状把握, 原因の調査, 特性要因図を使った原因の解析, 対策の立案とその実施を行った結果, 目標は達成でき, 現在 (平成16年2月) も「訪問忘れ」0ゼロ件を継続できている。
  • 古畑 壮一, 加藤 恵子, 山川 克典, 山越 昌成, 高橋 剛, 工藤 治, 相田 芳夫
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 53 巻 2 号 p. 145-147
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/03/29
    ジャーナル フリー
    近年画像検査の普及によって, 偶発腎腫瘍が発見されるようになった。その中で小さな一側の単発腎腫瘍に対しては侵襲の少ない手術が行われるようになってきた。また良性疾患と鑑別困難な症例があり, 患側の腎臓を摘出するのではなく部分的に摘除して, 腎機能を温存する腎保存手術が行われるようになった。対側腎機能正常であるelective case 20例の検討を行った。
  • 野村 賢一, 鈴木 靖子, 鈴江 孝昭, 水藤 博章
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 53 巻 2 号 p. 148-155
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/03/29
    ジャーナル フリー
    今日の厳しい医療経済の中で, ヒト・モノ・情報を一元的に管理し, 業務の標準化・省力化を高めていくことは, 病院経営の合理化を図る上で重要なことである。渥美病院は平成12年10月の全面新築移転時, 診療行為に直接関係しない業務の整理統合を行い, 人的内部資源の有効利用による供給センターを設立した。供給センターの設立にあたっては, 病棟看護助手業務などの院内に於ける「単純定型業務」を見直した上で, 業務の整理, 業務のスリム化を実施した。
    当院の供給センター業務の紹介を踏まえ, 移転前後での要員比較をするとともに看護助手の中央化によるメリットを報告する。
    センター構想を取り入れた業務の効率化の視点からヒト・モノ・情報を整理した結果, 一元的な中央化思想により, ヒトに関しては移転前より, 看護助手5.5名 (20%) の人的内部資源の減少でもって, 単純定型業務の運用が可能となった。
    今後の展望としては, 職員への教育, 各ブロック間での異動, アウトソーシングに向けての計画的な準備, 委託業者の選定に向けての検討が必要である。
症例報告
  • 光井 富貴子, 徳毛 宏則, 品川 慶, 浅本 泰正, 小松 弘尚, 石田 邦夫, 長尾 専, 小松 浩基, 荒谷 清美, 本田 愛
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 53 巻 2 号 p. 156-160
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/03/29
    ジャーナル フリー
    腹部超音波検査が発見の端緒となり, その除去に消化管内視鏡が有用であった完全型胆道内回虫迷入症の1例を経験した。症例は41歳, 女性で, 無農薬野菜の嗜好があった。上腹部痛の訴えで腹部超音波検査施行し, 胆道内回虫迷入症が疑われた。内視鏡的逆行性胆管造影検査にて胆管内に1本の索状影を認め, 同疾患と診断した。そして砕石用のバスケット鉗子を用いて虫体を把持し, 経乳頭的に摘出した。その後, 駆虫剤としてパモ酸ピランテルを内服した。胆道内回虫迷入症の診断には, まず腹部超音波検査が有用であり, 治療においては内視鏡的逆行性胆管造影を行い, 引き続いて虫体摘出のためにバスケット鉗子が有用であった。
看護研究報告
  • 野村 昌代, 村尾 日都美, 寺田 英子
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 53 巻 2 号 p. 161-166
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/03/29
    ジャーナル フリー
    最近のがん化学療法は, 入院期間の短縮と患者のQOLを重要視した治療の場の拡大が求められている。当院においても平成14年4月より化学療法専任チームを編成し外来化学療法室を開設した。専任スタッフによる治療や副作用パンフレット, 自己管理ノートなどの患者支援ツールを用いた患者指導を実施して1年が経過した。
    外来化学療法室の年間延べ治療人数1,213名のうち, 利用した患者40名を対象にアンケート調査を行った。患者支援ツールの中で自己管理ノートを付けた27名の内22名は役に立ち, また, その中の17名は日記代わりに関心を抱いていた。副作用パンフレットについては活字に対する苦手意識から64%があまり利用しておらずパンフレットを見返しながら口頭での反復指導が必要であった。
    看護師の役割は, 患者の満足度を高める因子でもあった相談役割が大きな役割であった。患者のQOLを維持あるいは高めていくためには専門的知識をもって多角的に患者を支援していくことが望ましいと考えられた。今後も患者の満足度が高められるように, より患者のニードに応えられるよう努力していきたい。
  • 中沢 京子
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 53 巻 2 号 p. 167-171
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/03/29
    ジャーナル フリー
    ハイリスク妊婦や家族に対してNICU看護師が出生前妊婦訪問 (以下妊婦訪問と略す) を行うことは, 妊婦を取り巻く家族の不安の軽減や出生後の家族支援について有効である。さらに家族の視点に立った妊婦訪問を行っていくために, 訪問内容を分析し現状と課題について検討する。
    妊婦訪問を実施した62家族に対して, 妊婦訪問依頼内容と結果報告書から妊婦背景・対象・妊婦訪問に期待することについて調査した。
    NICU入院となった家族の中で, 産科病棟で妊婦訪問を受けたのは19.1%であった。対象者の妊娠週数は35週未満が81%であった。NICU入院となる可能性が高い家族の心理的不安ははかりしれない。妊婦訪問時, 本人および家族が対象となっていたのは71%であった。情報として期待している内容は, 児の発達・発育に伴う障害や予後に関すること, NICUでの入院環境から経済面に関すること, 出産にいたる産科的経過であった。このことから妊婦訪問を行うときは, 夫婦・家族を対象とすることで家族の状況を受け入れ児への思いを共有していくことは, 家族関係を構築していくための支援につながる。妊婦訪問を行う看護師は, NICUの専門性と周産期全般の知識を合わせ持った指導ができる人材が求められる。
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