日本農村医学会雑誌
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55 巻 , 2 号
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原著
  • 土屋 十次, 浅野 雅嘉, 立花 進, 熊澤 伊和生, 川越 肇, 名和 正人
    2006 年 55 巻 2 号 p. 65-75
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/08
    ジャーナル フリー
     乳腺外来初診時の視触診 (以下,PE),超音波検査 (以下,US) およびマンモグラフィ (以下,MMG) 各々の検査法で検出し得なかった乳癌症例 (以下見落とし群) を比較検討した。病理学的に乳癌が確定した90例のうちPEの見落とし症例数は13例,USは7例,MMGは15例で,有病正診率はそれぞれPEが85.6%,USが92.2%,MMGが83.3%であった。
     二者併用診断として見ると,PE・US併用の検出率が95.6%,PE・MMG併用が97.8%であるのに対して,US・MMG併用が98.9%の検出率を示し最も効率が良かった。
     PEとMMG見落とし群は各々の検出群に比し有意に小腫瘤径乳癌が多いが,US見落とし群ではUS検出群に比して有意差を認めず,USの見落としは腫瘤の大小ではなく乳癌のUS画像診断上の問題であることが示唆された。PE見落とし群は全乳癌症例に比して有意に組織学的悪性度,浸潤度が低いにもかかわらずリンパ節転移症例が多く,なおかつそれらのリンパ節転移症例はいずれも0.8~0.9mmの小腫瘤径乳癌であり,非触知でも看過できないことが示唆された。
     現在,厚生労働省主導でPE・MMG検診が全国的に普及しつつあるが,必ずしもMMG万能ではなく見落としも多いので,効率の悪いPEを省いてUS・MMG検診を行なうべきである。
  • 野村 賢一, 岩瀬 定利, 斎竹 達郎, 浅野 吉徳, 山本 卯
    2006 年 55 巻 2 号 p. 76-87
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/08
    ジャーナル フリー
     医療現場において医療材料の購買プロセスはどうあればよいのか。全国厚生連病院を対象に,医療材料の購買業務の実態を把握するためアンケート調査を試みた。アンケート調査は,全国厚生連病院のうち100床以上の病院を対象に実施,調査依頼数97件,回答数53件であった。アンケート調査より,評価項目として十分できているものは,購入予算計画の実施79%,除去資産の確認89%,必要性の明確化96%,収益性・生産性についての試算98%,採用後の使用満足度調査76%,廉価品の提供91%,安全性に関しての配慮96%,共同購入のスケールメリットによる仕入値の低下61%であった。一方,不十分と考えられるものは,納品業者の事業概要・納入実績等による書類審査34%,医療材料に関する購買担当者の知識見識不足55%,医師異動後の不動在庫への対応41%,製品購入による効率性の時間的検討59%,廃棄物としての処理費用46%,共同購入による業務の省力化59%であった。全体として購入委員会を設けている病院は多方面から製品選定を図っていることが伺われた。しかし,事務局の医療材料に関する知識見識については十分とはいえなかった。従って,購入委員会参加者との合議が大切となる。この場合,資料として検討内容を視覚的・客観的に捉えられるチャート図を作成することにより,選定基準の明確化が図られ,優れた購買を可能にすることが考えられた。
  • 平間 好弘, 澤畑 博, 広瀬 正一, 沼崎 誠, 吉田 公代, 新谷 周三, 椎貝 達夫
    2006 年 55 巻 2 号 p. 88-92
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/08
    ジャーナル フリー
     現在全国の医療機関で,施設維持費の中でも多くを占めるエネルギー費,とりわけ電気光熱費の削減が真剣に検討されている。今回当院では,施設課を中心に全職員が協力して,瞬時最大消費電力量(デマンド)を1,500kW→1,300kWに抑制する「1300作戦」キャンペーンを1年間継続し,年間400万円以上の電気光熱費削減に成功した。病院電気料金の削減のポイントは,前年度のデマンド→次年度の契約電力→基本料金設定のメカニズムの中で,夏場にピークをむかえる瞬時最大消費電力量(デマンド)をいかに抑制できるかにかかっている。このデマンド抑制には,基本的に現場の協力が不可欠であり,そのために全職員の意識統一を目的として「1300作戦」キャンペーンを1年間継続した。このキャンペーンも,具体的数値をあげて訴えることが大切で,ただ単に「職場の消灯を・電気を大切に」ではなく,1,500kW→1,300kWにという具体的作戦が功を奏したものと思われる。また,われわれ医療機関は,営利企業とは質的に異なり,環境保全(エコロジー),エネルギー消費削減,リスク管理,大規模災害時の地域への貢献などを,その基本理念に入れるべきであり,大きくみれば地球規模の環境保全に貢献できたと考える。
  • 小池 晃, 小林 明
    2006 年 55 巻 2 号 p. 93-99
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/08
    ジャーナル フリー
     大腸がん検診の二次検査に多くの施設では,全大腸内視鏡検査が実施されているが,私どもは注腸X線造影法を過去6年間用いて実施しており,その結果を比較報告する。
     注腸X線造影法は精密検査受診率が内視鏡検査より極めて高く,放射線技師でも技術を磨くことで,医師にも勝るとも劣らないパワーを発揮することができるため,多数の地域住民検診希望者の需要に応じることが可能であった。また大腸がんの発見率が内視鏡検査に比べて落ちるのではないかという心配は,大腸がん発見率が新潟県平均よりはやや劣るが全国平均よりは高いこと,早期がんの割合が新潟県・全国と同程度の割合で検出されていることにより,また小さながんが見逃されるのではないかという心配は,種々の体位での撮影とガン好発部位の2回以上の撮影により払拭されている。
     なお,私どもは注腸X線検査を精密検査,内視鏡検査をさらなる確定検査の手段と考えており,胃がん検診の直接X線撮影と同様に位置付けている。従って注腸X線造影法ではっきりとした所見が見いだされなくとも,痔などの出血源が見当たらない症例には積極的に内視鏡検査を奨めることにしている。
報告
  • 高野 三男, 野口 雅久, 笹津 備規
    2006 年 55 巻 2 号 p. 100-107
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/08
    ジャーナル フリー
     手術室における手洗いは,創内が手術時に術者から受ける病原微生物汚染を防ぐ意味から重要でありかつ基本的な予防対策である。しかし,頻回の手洗いや過度のブラシングは手荒れを起こし,傷を負った皮膚面は却って細菌の温床となり易くなるため注意が必要である。今回,界面活性剤入り消毒剤を用いた手指洗浄法 (以下;スクラブ法) と超音波洗浄器を用いた手指洗浄法 (以下;超音波洗浄法) を行ない洗浄効果の比較検討を行なった。スクラブ法では,手洗い経験に関係なく一様に洗浄効果は高く期待されたが,超音波洗浄器使用では洗浄効果が低くなる場合がみられた。
  • 熊木 昇二
    2006 年 55 巻 2 号 p. 108-111
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/08
    ジャーナル フリー
     当院では1998年6月より新GCPに対応する治験受け入れを開始し,当科は1999年11月より治験を受け入れてきた。今回これまで当科で受け入れた治験の実施状況を調べ,問題点を明らかにすることを目的とした。1999年11月から2005年9月までに当科で受け入れ,エントリー期間が終了した治験は13治験であった。内訳は,第II相前期試験が2治験,第II相後期試験が1治験,第II/III相試験が2治験,第III相試験が6治験,長期投与試験が2治験であった。このうち対象薬にプラセボが含まれていたものは7治験であった。契約症例数は161名であり,同意取得数は138名であった。その内エントリーできた患者は125名であり,実施率は77.6%であった。実施率を各相別で比較すると,第II相前期試験は25.0%,第II相後期試験は90.0%,第II/III相試験は86.7%,第III相試験は79.7%,長期投与試験は81.3%であった。実施率を対象薬のプラセボの有無で比較すると,プラセボが含まれていなかった6治験では75.9%,プラセボを含んだ7治験では78.5%であった。急性疾患を対象とした1治験では実施率は37.5%にとどまった。当科における治験実施率は比較的高かったが,第II相前期試験と急性疾患を対象とした治験において実施率が極端に低かった。またプラセボの有無はその実施率に影響をしていなかった。
看護研究報告
  • 寺田 勝枝, 石浜 みち子
    2006 年 55 巻 2 号 p. 112-114
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/08
    ジャーナル フリー
      On October 1, 2004, we began postoperative home visits to patients who had been put under general anesthesia.
      In the initial period, there were not a few patients who went unnoticed as only their names were put in their papers for postoperative home visits. In light of this situation, we performed a questionnaire survey on the necessity of postoperative home visits with 23 nurses picked up as respondents.
      Of them, 15 nurses (65%) said they thought it necessary to put the paper in the due form. For improvements in the form, we decided to add another item - that is, information on the checkup of the skin. Twenty-one nurses (92%) said they thought postoperative home visits necessary, as they were much interested in the postoperative conditions of patients.
      As we had designated nurses in charge of postoperative home visits, the number of patients to whom postoperative home visits were not made was on the decrease. The designation of nurses in charge of postoperative home visits and the changes made in the form proved useful in our endeavor to firmly establish the system of posterative home visits.
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