日本農村医学会雑誌
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56 巻 , 1 号
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原著
  • 大林 浩幸, 服部 哲男, 原 政子, 小林 亜喜子, 小林 ミカ
    2007 年 56 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/28
    ジャーナル フリー
    〔目的〕2006年4月より,一定の要件を満たす条件で禁煙治療の公的医療保険が適用となった。その治療期間は通常12週間であり,その治療形態は従来と同様のニコチン置換療法 (NRT) を用いた外来治療を行なう施設がほとんどであり,その禁煙成功率は以前と同様高くないと考える。当院では外来型禁煙治療の限界を感じ,1999年より独自の禁煙教室を行なっており,今回過去6年間分の禁煙教室の成果をレトロスペクティブに検討した。
    〔方法〕対象は,1999年から2005年まで,当院の6か月間の禁煙教室に参加した喫煙者232名である。当院では,医師・薬剤師・看護師・栄養士・理学療法士から成る専属禁煙サポートチームが,1グループ10名以内の小グループ単位で患者参加型の禁煙治療を行なっている。禁煙プログラムは,6か月間の行動療法の体得と初期8週間のNRTを併用した。管理栄養士による体重増加防止の栄養指導,理学療法士による禁煙ストレスを取る体操も定期プログラムに取り入れた。対象者全員にアンケートを行ない,禁煙開始から1年経過後の禁煙継続率を調査した。
    〔結果〕232名の禁煙開始8週間後・6か月後・1年後の各禁煙継続率は,78.4%,70.3%,64.7%であった。1年禁煙継続者の78.0%が,アンケートにて禁煙教室での禁煙は楽と答えた。
    〔結論〕6か月間の患者参加型禁煙教室は,高い禁煙継続率を維持でき,効果的である。
報告
  • 林 勝知, 上田 宣夫, 森 茂, 三鴨 肇, 山田 敦子, 島田 武
    2007 年 56 巻 1 号 p. 7-10
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/28
    ジャーナル フリー
     中濃厚生病院救命救急センターとして,岐阜県中濃地域の救急医療体制の検証を行なったので報告する。検証結果 : 当救命救急センターの年間の総救急患者数は約2万人で,重症度別にみると,一次が約90%と多い。また,救急車搬送による救急患者のうち,最近4年間では,急性心筋梗塞及び脳卒中等の重症救急患者の中濃医療圏の他の病院からの紹介,転送が増えてきている。当救命救急センターに軽症から重症までの救急患者が集中していると検証された。そこで,中濃地域の救急の協議会等で病診連携や二次病院の救急診療の役割分担を要望していたところ,平成18年5月頃から他の二次病院の救急車受け入れは,少しは改善した。一方,夜間,休日に直接来院する軽症患者が多いため,軽症例については,開業医の受診を奨めている。オフラインメディカルコントロールとしては,(1)中濃消防組合の救急救命士に対する包括的指示下の除細動のトレーニングを8時間,(2)中濃消防組合の救急救命士でない一般の救急隊員約120名には一次救命処置,自動体外式除細動器のトレーニングを8時間,(3)気管内挿管の研修を5名の救急救命士に行なった。いずれも消防組合からの評価は高かった。オンラインメディカルコントロールとしては,50%程度の対応であった。今後も継続的に中濃地域の救急医療体制の整備に取り組む必要があると思われた。
  • 田沢 潤一, 酒井 義法, 藤原 秀臣, 近藤 司, 湯原 里美, 坂本 由美子, 檜山 悟史, 船越 尚哉
    2007 年 56 巻 1 号 p. 11-17
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/28
    ジャーナル フリー
     院内感染管理は病院におけるリスクマネジメント上,最も重要な課題の一つである。院内感染管理を適切に行なうに際して,広報活動と情報収集はどちらも重要である。広報活動については,迅速で効率よく情報を提供でき,職員がいつでもどこでも容易にその情報にアクセスできることが望まれる。一方,情報収集については,院内における感染症発症情報をいち早く収集し,感染管理チーム委員を始めとした感染管理担当者に素早く伝えることが大切である。当院感染症委員会では,2004年1月より院内LAN開設した委員会ウェブサイトによる広報活動と情報収集に取り組んでいる。委員会からの通達事項,委員会の組織図や委員名簿,各種マニュアル,感染症情報,研修案内などを掲載し,質問受付や感染症発症報告の収集にも利用した。閲覧実績は毎月約200件で,夜間や休日の利用も多かった。ウェブサイトを用いる方法は広報活動と情報収集を効率的に行なうことができ,院内感染対策を促進する上で有用であると考えられた。
  • 戸田 牧子
    2007 年 56 巻 1 号 p. 18-21
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/28
    ジャーナル フリー
     本報告では,閉塞性睡眠時無呼吸症候群 (以下OSAS) 患者に口腔装置 (以下ORAP) を装着した治療経験について概要を示し,その有用性について検討を加えた。
     ORAP療法は,OSASと診断された5名 (男性3名,女性2名) に行なわれ,治療効果は術前術後に終夜睡眠ポリソムノグラフィー検査を行ない,動脈血酸素飽和度 (以下SpO2) およびApnea Hypopnea Index (以下AHI) を対象として判定した。
     いずれの患者においてもSpO2は増加を示し,AHIは減少しており,ORAP療法がOSASの改善に効果のあることが明らかとなった。
  • 岡澤 香津子, 高野 三男
    2007 年 56 巻 1 号 p. 22-28
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/28
    ジャーナル フリー
     治験を終了した被験者を対象にアンケート調査を実施し,治験に対する意識と治験コーディネーター業務の評価を検討した。調査は2001年1月から2006年3月に外来治験を終了した被験者75名を対象とし,55名より回答が得られた (回収率73.3%)。なお,全被験者に対し薬剤師治験コーディネーターが担当制で業務にあたった。治験参加に際しての被験者の主な不安は副作用と薬の効果であり,副作用は不安を感じていた被験者の79.4%,薬の効果は50%があげていた。同意説明や治験期間中の説明に対しては,80%の被験者が満足していた。治験期間中困ったことがあったとする被験者が相談した相手は,医師,薬剤師治験コーディネーター,看護師のうち,薬剤師治験コーディネーターが最も多かった。治験コーディネーターが行なう服薬指導は,被験者からおおむね良い評価を得ていた。
     以上より薬剤師治験コーディネーターは,被験者の治験参加に伴う不安の軽減や治験中の相談相手として重要な役割を果たしていることがわかった。今後も,被験者の背景や要望を考慮した個別のケアをさらに充実させ,質の高い治験の実施に貢献していきたい。
  • 佐藤 田鶴子, 三浦 貞子, 渡邊 美名子, 奥山 正也, 鳥前 永夫, 保科 敏彦, 齊藤 玉喜
    2007 年 56 巻 1 号 p. 29-33
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/28
    ジャーナル フリー
     近年,度重なる診療報酬改定に伴い病院経営の状況は厳しさを増しており,当院に於いても効率的運営と経営改善の努力が必要となっている。看護部ではコスト管理の徹底と他部門との連携の強化を目標に挙げ,その具体的行動として医療材料の管理状況の点検と病棟在庫の適正化を目的に資材課・薬剤科と共に病棟訪問を行なった。その結果,収納方法の不備や物品の抱え込み,返還業務の不徹底等の状況が分かり改善を要した。定数の見直しと整理整頓の強化,返還方法等を指導したところ,質的には部門を超えた直接的交流が功を奏し在庫が整理されると共に,物品管理についての意識の高揚をもたらすことができ,量的にも年間の棚卸し戻し入れ金額を減少させることができた。今回の取り組みは,職員一人一人の経営参画意識を触発するきっかけとなり在庫管理の適正化につながったが,今後更に大きな成果を生む為には各部門がそれぞれの専門性を発揮しながら連携と協働を意識していくことが重要であると言える。
症例報告
  • 河村 章史, 吉田 慎一
    2007 年 56 巻 1 号 p. 34-38
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/28
    ジャーナル フリー
     大脳基底核は脳出血の好発部位でありその機能に関連した脳科学知見は急速に増大しているが,そうした知見がリハビリテーションに活かされることは未だ少ない。Parallel neural networks (彦坂,1999) は系列動作学習モデルであるが,そこで大脳基底核が重要な機能を担っている。今回,本モデルにおける大脳基底核の機能を参考にリハビリテーション介入を構築し,大脳基底核出血例へ適用した。初期には視覚確認しながら麻痺側上肢・手指各関節の空間座標系での運動学習を促し,その後閉眼して体性感覚を用いた運動座標系での運動学習へと移行した。運動座標系での学習が進んだ後,開眼で上肢・手指の他動運動を行ない,空間座標系と運動座標系の統合を促進した。約1か月半経過し手指の運動麻痺が著明に改善したが,上肢は改善が進まなかった。肩では初期の視覚確認が促しても十分に行なえず,それが改善の差となったと考えられた。
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