日本農村医学会雑誌
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57 巻 , 1 号
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原著
  • 米山 英二, 間瀬 悟, 吉田 浩, 大平 勇二, 新家 弘誠, 都築 和久, 村越 みづほ, 中村 和行, 新井 麻紀子, 澤田 和久, ...
    2008 年 57 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2008/05/30
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
     安城更生病院の外来がん化学療法室は,外来患者のために安全かつ有効的な化学療法を導入することを目的として,2006年8月に開設された。しかしながら,外来化学療法における安全性および有効性はまだ十分に検証されていない。今回われわれは,当院においてがん外来化学療法を導入することに対する有効性を明らかにするためにこの研究を行なった。調査項目として外来化学療法を受ける患者数の推移,在院日数の変化,救急車で受け入れた患者数の変化,病床稼働率の変化および使用頻度の高いレジメンの推移を含めた。
     この結果,2006年8月に外来がん化学療法室開設以来,外来がん化学療法室へ訪れる患者の増加に伴って,救急車によって受け入れられた患者数は明らかに増加した。そして在院日数も徐々に短縮した。加えて,病床稼働率は外来化学療法室の開設によって,明らかな影響を受けなかった。また,高頻度に使用される化学療法レジメンは9つであった (全レジメンの64.2%を占めた)。
     これらの結果は,今後当院で外来がん化学療法を促進していくにあたり,有用な知見を与えた。
報告
  • 祢宜田 和正, 奥平 正美, 中村 和行, 河村 真由美, 濱石 華乃子, 小嶋 智子, 鈴村 友香里, 間瀬 悟, 大野 愛, 米山 英二 ...
    2008 年 57 巻 1 号 p. 8-15
    発行日: 2008/05/30
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
     我々は,複雑化する薬物治療の安全性および有効性を高めるために様々な薬物モニタリングを実践してきた。本研究では,我々が実施した薬学的ケアが薬物治療に貢献したかどうかを検討した。薬剤師からの提案が臨床に生かされた件数の年次推移は増加傾向を示し,4年間で計1,014件に上った。特に,がん化学療法に関連する事例の増加は顕著であった。さらに,その内訳を見るとがん化学療法の領域においては投与量に関する事例が最も多く,薬物治療の安全確保において極めて重要な貢献であったことが示唆された。加えて,がん化学療法以外の領域においては,患者の病態や臨床検査データに基づいた提案が増え,より深い関与がなされつつあることが示された。また,薬剤師の勤務体制の違いによる検討においては,病棟常駐薬剤師による報告件数の占める割合が全体の62.6%と顕著に多いことが明らかとなった。このことは,将来すべての病棟に薬剤師を常駐させることが,薬物治療の安全性を高める意味で有効であることを示唆している。
  • 堀川 俊二, 只佐 宣子, 平原 恵子, 井藤 久子, 森末 志津恵, 原田 貴治, 江木 康夫, 大森 一郎
    2008 年 57 巻 1 号 p. 16-21
    発行日: 2008/05/30
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
     平成18年はノロウイルスを原因とした感染性胃腸炎が早くから発生し,医療施設,老人福祉施設等での集団発生が多発した。JA吉田総合病院においても,平成18年10月3日~17日の間に,6病棟のうち3つの病棟で嘔吐・下痢症状を有する者,入院患者29名,職員18名,合計47名を認めた。保健所へ報告,緊急院内感染予防対策委員会を開催し,現状の把握,感染拡大防止策,有症者への説明,入院制限,面会制限等を保健所の指導下で行ない,10月17日には新規有症者は0となった。Infection Control Team (以下,ICT) は集団発生事例の調査検討を行ない,現行のマニュアルを見直し,緊急時の対応,各職員の職務分掌,環境整備の方法等「感染性胃腸炎発生対応マニュアル・作業マニュアル」を作成した。ICTは,感染対策の知識の普及とともに,いかなる場合でも実働部隊として対応できる準備をしておく必要がある。
症例報告
  • 吉田 桂, 青木 亮介
    2008 年 57 巻 1 号 p. 22-27
    発行日: 2008/05/30
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
     症例は73歳,男性,糖尿病で治療中。2006年12月8日に転倒して左脛骨・腓骨遠位端骨折を受傷,12月14日にプレートによる骨接合術が行なわれた。12月23日より熱発,術創部からの排膿を認めプレートを抜去,創外固定とした。開放創のまま創処置を行なったがMRSA感染で難治のため2007年1月26日よりマゴットセラピーを週2回,合計6回行ない,引き続き陰圧閉鎖療法を行なった。一方でピン刺入部感染を生じたため創外固定器も除去してシーネ固定とし,3月20日に踵部から足背にかけて切開・排膿を行なった。4月6日よりこの部に対しても計6回のマゴットセラピーと陰圧閉鎖療法を行なった。マゴットの生存環境を確保するため外固定が不十分となり変形治癒となったが,患肢の切断を回避できた。本法は糖尿病性壊疽などの難治性潰瘍の治療法として注目されており,保険適応になれば日本国内でも普及していくものと考えられる。
  • 間瀬 悟, 米山 英二, 祢宜田 和正, 杉浦 洋二, 三浦 崇則, 勝見 章男, 原 徹
    2008 年 57 巻 1 号 p. 28-33
    発行日: 2008/05/30
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
     がん化学療法が安全かつ効果的に施行されるために,薬剤師による様々な介入 (役割) が期待されている。今回,薬剤管理指導を通じて内服困難な患者に対するゲフィチニブ投与開始にあたり,効果的な介入ができた症例を経験した。患者は化学療法を1クール施行後,重篤な骨髄抑制がみられた。そのため点滴による化学療法の継続が困難であるとの主治医の判断により,ゲフィチニブ (経口剤) による治療が開始となった。しかしながら本症例患者は,内服開始以前より病態進行に伴う嚥下障害を生じていたため,内服継続が困難であると予想された。そこでゲフィチニブの錠剤投与以外の投与方法について検討を行ない,ゲフィチニブの懸濁液に増粘剤を加えたものを内服する方法を提案した。その結果,本投与方法による有害事象は認められず,最終的に永眠される前日まで内服が可能となった。
看護研究報告
  • 熊坂 隆行, 升 秀夫, 片岡 三佳
    2008 年 57 巻 1 号 p. 34-49
    発行日: 2008/05/30
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
     動物と暮らす生活は心豊かになると国民の認識が高まるなか,入院患者による伴侶動物との面会や同居の要望が多くなっており,病院における動物とのふれあいが普及している。入院患者の生活の質の向上を目的とした看護援助を実現するため,動物とのふれあいを導入する予定である精神科病院に勤務する看護職員を対象に,動物の嗜好性や病院における伴侶動物に関する意識調査を行なった。その結果,多くの看護職員は,動物介在活動・療法の体験がないものの,伴侶動物との面会や同居が入院患者になんらかのプラスの影響が期待できると考えており,看護職員の「動物に対する嗜好,考え,体験」が「病院における動物ふれあい実施への理解」に及んでいることが明らかになった。病院での伴侶動物との面会や同居の実施には,看護職員が動物に関心があり,動物好きであり,日常生活でも動物との生活の必要性を感じていることが重要であると考えられた。
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