日本農村医学会雑誌
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64 巻 , 5 号
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原著
  • 仲谷 和彦, 柏倉 紀子, 黒木 悟, 遠藤 正志, 杉田 暁大
    2016 年 64 巻 5 号 p. 789-797
    発行日: 2016/01/30
    公開日: 2016/03/16
    ジャーナル フリー
     尿検査は, 概ね患者に苦痛を与えることなく検体採取が可能であり, 分析機器の発達により簡便かつ短時間で多くの情報を得ることができる検査である。  しかし, 保存状況で尿成分は変化しやすく, 採尿後速やかな検査実施が原則であるが, 入院患者の場合採取から検査実施まで数時間経過している場合がある。その背景には, 採尿時間が不規則なため, 速やかに検査室に提出されない現状に起因する。  そこで, 特定条件下で実際に患者尿を用い, 経時的変化・規則性について検討した。  さらに, 尿中に高頻度に検出される腸内細菌 (大腸菌・プロテウス菌) が尿糖に及ぼす影響と亜硝酸塩反応の変化についても検討したので報告する。  結果, 尿検査に影響するような生理的・病的成分を含有する尿ほど経時的変化は著明であった。保存が必要な時は, 蓋付容器で冷蔵保存が望ましい。また, 尿中の大腸菌とプロテウス菌では, 解糖作用・亜硝酸還元反応の経時的変化に大きな差が認められた。
  • 大谷 清孝, 松本 典子, 藤本 まゆ, 稲垣 瞳, 横関 祐一郎, 橘田 一輝, 開田 美保, 狐﨑 雅子, 中村 信也, 横田 行史
    2016 年 64 巻 5 号 p. 798-807
    発行日: 2016/01/30
    公開日: 2016/03/16
    ジャーナル フリー
     本邦では同時接種の有害事象および安全性に関する報告が散見されるが, 乳児期のみの検討は不十分である。そこで, 乳児に対する不活化ワクチンの同時接種の有害事象を解明するために検討した。2012年7月から2013年6月の期間において, 不活化ワクチンの皮下接種を施行した生後2か月以上の乳児を対象とした。その対象の保護者に対して, 調査票を配布し, 接種後1週間の有害事象の有無を調査した。対象を接種本数から単独接種群と同時接種群に群分けした。主要検討項目として, 入院を要する重篤な有害事象の有無とし, その他の検討項目として接種児背景, 全身症状と局所症状の有害事象の有無を比較検討した。対象は合計66名, のべ162回であった。調査票の有効回答率は91% (88/97) であり, うち単独接種群は46名で, 同時接種群は42名であった。同時接種の内訳はインフルエンザ菌b型ワクチン (Hib) +7価肺炎球菌結合型ワクチン (PCV7) が14名 (32%) で最も多く, 次いでHib+PCV7+三種混合ワクチンが12名 (27%) であった。全例で入院を要する重篤な全身症状の有害事象は認めなかった。熱型推移では, 単独接種群と比較して同時接種群の方が接種後2日目の体温が有意に高かった (p=0.049)。その他の全身症状および局所症状では, 両群間において有意な差を認めなかった。乳児への不活化ワクチンの同時接種において, 接種2日目に発熱を認めることが有意に多いが, 入院を要する重篤な全身症状の有害事象を認めなかった。
  • 李 振雨, 小林 頼子, 中村 和行, 黒田 宏美
    2016 年 64 巻 5 号 p. 808-814
    発行日: 2016/01/30
    公開日: 2016/03/16
    ジャーナル フリー
     がん患者のせん妄に対してハロペリドール (以下HP) 注を使用すると, アカシジアに遭遇し, その対策を必要とすることがある。そこでHP注を使用した際のアカシジアの発現割合とそれに対するビペリデン注の有効性を検証した。2012年8月から12月までの5か月間に緩和ケア病棟 (以下PCU) で死亡した患者100例の内せん妄のあった67例と一般病棟で緩和ケアチーム (以下PCT) が関わった間に死亡した患者23例の内せん妄のあった患者10例について, HP注の使用割合とそれを使用した際のアカシジアの発生割合, それに対するビペリデン注の有効性を後ろ向きに調査した。PCUでは67例のせん妄患者の内52例 (78%) にHP注が使用され, その内23例 (44%) にアカシジアが疑われた。その全例にビペリデン注が使用されたが, その内の21例 (91%) に有効だった。PCTでは10例のせん妄患者の内7例 (70%) にHP注が使用され, その内1例 (14%) にアカシジアが疑われたが, その際, HPが中止され, ビペリデンは使用されなかった。まとめると, PCUとPCTのせん妄患者合計77例の内59例 (76%) にHP注が使用され, その内の24例 (40%) にアカシジアが疑われた。その内23例 (すべてPCU) にビペリデン注が使用され, 21例 (91%) に有効だった。つまり,がん患者のせん妄に対してHPを使用すると40%にアカシジアの発現が疑われたが, それに対してビぺリデンを使用することはかなり有効だった。
  • 島袋 剛二, 尾臺 珠美, 吉田 卓功, 塚田 貴史, 塗師 由紀子, 西田 慈子, 高木 香織, 中村 玲子, 服部 早苗, 宮坂 尚幸, ...
    2016 年 64 巻 5 号 p. 815-818
    発行日: 2016/01/30
    公開日: 2016/03/16
    ジャーナル フリー
     子宮脱に対して平易で有効な術式として, 腹腔鏡下円靭帯小腰筋腱固定術を考案したので術式の要点と短期成績について報告する。  術式: 骨盤リンパ節廓清時の要領で後腹膜を切開し大腰筋を展開する。この際に大腰筋前面を走行する細い帯状の小腰筋腱を明らかにしておく。円靭帯にまず針糸を1針かけておき, それで小腰筋腱をすくい縫合固定する。対側も同様の操作を行なう。この操作で子宮の牽引が不十分であれば第1針結紮の頭側にさらに第2針を追加固定する。固定後は後腹膜を縫合閉鎖する。  症例: 39歳 (完全子宮脱), 63歳 (子宮下垂), 43歳 (不全子宮脱) の3症例に本術式を施行した。3症例とも容易に手術を完逐でき, 術後10~24か月のフォローアップ検診で子宮脱の再発を認めていない。術後早期に1例で鼠径部痛, もう1例で大腿内側違和感の訴えがあったが軽快した。  今後, 症例数を蓄積してこの術式の有効性と安全性について検討していきたい。
研究報告
  • 稲木 隆一, 岩垣 穂大, 扇原 淳
    2016 年 64 巻 5 号 p. 819-826
    発行日: 2016/01/30
    公開日: 2016/03/16
    ジャーナル フリー
     本研究は, 農山村で行なわれる農作業が大学生の身体活動量・気分に及ぼす影響について検討した。2013年5月と10月の農作業に参加した大学生4名を対象とし, 3軸加速度センサー使用身体活動量計 (アクティマーカー, EW4800-K®, パナソニック製) を用い, 各農作業の歩数と身体活動強度 (METs) および身体活動量 (Ex) を計測した。また, 農作業前後の気分をPOMS短縮版により測定した。その結果, 5月の農作業の身体活動量は, 歩数が最小11,386歩, 最高25,341歩, 3~4METs未満の身体活動量が最小5.0Ex, 最高16.9Exであった。4METs以上では, 最小0.5Ex, 最高9.0Exであった。10月の農作業の身体活動量は, 歩数が最小4,975歩, 最高21,965歩, 3~4METs未満の身体活動量が最小5.0Ex, 最高17.0Exであった。4METs以上では, 最小0.8Ex, 最高5.2Exであった。気分の変化については, 農作業後に「活気」が上がり,「緊張」,「抑うつ」等のネガティブ尺度が下がる傾向がみられた。今後は, 症例数を増やしての分析や作業内容の違いによる影響を検討する必要がある。
  • 田中 宏尚, 武野 俊也, 車塚 千穂, 井上 靖隆, 飛澤 国広, 今井 隆人, 渡辺 浩明
    2016 年 64 巻 5 号 p. 827-832
    発行日: 2016/01/30
    公開日: 2016/03/16
    ジャーナル フリー
     経口の抗凝固薬であるワルファリンの治療効果は, プロトロンビン時間国際基準比 (prothrombin time-international normalized ratio; PT-INR) が至適範囲内にある期間 (time in therapeutic range; TTR) に依存するとされている。今回, 網走厚生病院においてワルファリン療法を行なっている患者を対象にTTR値の算出を行ない, またTTR≧60%を良好群, TTR‹60%を不良群として, TTR良好群・不良群と患者因子および平均投与間隔との関連性について検討を行なった。  対象患者は178名であり, 平均TTR値は65.1±24.8%, TTR良好群は112名, TTR不良群は66名であった。性別, CHADS2スコア別, 平均投与間隔別においては平均TTR値に有意差は認められず, TTR良好群・不良群でにおいても関連性は認められなかった。年齢においては, 70歳未満の平均TTR値が51.0±24.6%であるのに対し, 70歳以上の平均TTR値が72.7±21.4%と70歳以上で有意に平均TTR値が高い結果であった。また, TTR良好群・不良群との比較において関連性が認められ, 70歳以上のTTR良好群の人数が多い結果であった。日本人の至適PT-INRを検討したJ-RHYTHMRegistryの結果を参考にし, 再度, 70歳未満群においてPT-INRの至適範囲を2.0~3.0から1.6~2.6に変更しTTRを算出したところ, 70歳未満の平均TTR値は51.0%から74.9%に上昇した。この結果より, 当院においてはJ-RHYTHMRegistryの結果に則った治療をしていることが明らかとなった。
  • 早川 富博, 杉浦 正士, 小林 真哉, 鈴木 祥子, 岩崎 二郎, 羽田 明
    2016 年 64 巻 5 号 p. 833-846
    発行日: 2016/01/30
    公開日: 2016/03/16
    ジャーナル フリー
     日本農村医学会の特別研究プロジェクト「農村の食と健康に関する研究」として, 本学会に属する医療機関で健診を受けられた住民を中心に「食と生活と健康に関するアンケート」を施行した。  対象数は5,397人 (男2,588人, 女2,809人), 平均年齢は男53.4歳, 女53.8歳, 80歳以上が3.2%あった。対象者は地方都市とその周辺, 中高年が多く, 農業経験者が半数以上を占めていた。  「健康感」は全体で80%が肯定的であった。「運動不足」は全体の80%が感じていたが, 加齢によって減少した。逆に「運動習慣」は増えて, 70歳代以上では6割に達していた。  「食の豊かさ」,「満足度」を多くの人が感じていたが,「食の不安」(安全性, 食生活, 食の供給に対する強い不安) が多かった。「食べる食材」に関しては, 毎日食べるものとして, 米, 野菜, 乳製品が上位を占め, 高齢になるに従って肉類が減少していた。加齢で頻度が増える食材は乳製品, 大豆類, 野菜類, 果物類, 魚類であった。  地産地消, 農業の実践に関する要因を検討した結果,「社会参加している」,「朝食を食べる」,「食の供給に対する不安」,「農協で食材を購入する」, などの項目が有意であった。  これらの結果から, 厚生連病院が存在する地方都市とその周辺では, 健康的な食と生活習慣を心がけている住民が多く, 社会参加や地産地消に積極的で将来の農業実践に意欲があることが示唆された。
  • 三澤 千鶴, 高嶋 幹代, 中根 生弥, 柴田 正巳, 松井 康二
    2016 年 64 巻 5 号 p. 847-852
    発行日: 2016/01/30
    公開日: 2016/03/16
    ジャーナル フリー
     障害者雇用促進法では事業主に対し, 雇用する労働者に占める身体障害者および知的障害者の割合が法定雇用率以上になることを義務づけている。厚生労働省は平成25年4月, 民間企業における障害者法定雇用率を1.8%から2.0%に引き上げた。これにより障害者雇用責任は益々強くなった反面, 従来の法定雇用率でさえ未達成の企業が多数存在している現実もあった。  平成25年6月に実施された障害者雇用状況調査において, 豊田厚生病院は雇用率0.99%と極めて低く, 当院の事務管理室において雇用率向上に向け計画的な活動を始めた。その向上計画の一環として臨床検査技術科へも協力が求められ, 初めて知的障害者を雇用することになった我々の取り組みと採用者が現在行なっている業務内容および今後の課題について報告する。
  • 有満 征伸, 佐々 英也, 内山 耕作, 鈴川 誠, 大榮 薫, 野村 賢一, 野田 直樹
    2016 年 64 巻 5 号 p. 853-859
    発行日: 2016/01/30
    公開日: 2016/03/16
    ジャーナル フリー
     救命・集中治療領域では, 深在性真菌症のリスク因子を複数有している患者が多い。深在性真菌症はほとんどがカンジダ属に起因し, 予後は極めて不良となる。今回, 侵襲性カンジダ感染症の診断・治療の具体的な方法が箇条書きに明記された「ACTIONsBUNDLE」を用いて, 集中治療室 (Intensive Care Unit: 以下, ICU) での抗真菌薬の使用実態を調査した。2013年4月から2014年3月までに, 抗真菌薬が経静脈的に投与されたICU入室患者を対象とし, 診療録より後方視的に調査した。対象患者は11例, 抗真菌薬の内訳はミカファンギン5例, ホスフルコナゾール5例, フルコナゾール1例, 原因真菌はC. albicans5例, C. tropicalis1例, C. glabrata1例であった。江南厚生病院ICUにおける「ACTIONsBUNDLE」の遵守率は71.4±15.9%で, 抗真菌薬投与前の血液培養2セット採取率, 適切な投与量での実施率はともに36% (4/11) で最も低かった。投与量に関しては過量18% (2/11), 適切36% (4/11), 不足45% (5/11) であった。ICU担当薬剤師として, チェックリストを有効活用し, 予後が極めて不良である侵襲性カンジダ感染症の治療へ早期に関与していく必要がある。
症例報告
  • 坂本 考弘, 木村 光, 矢崎 善一
    2016 年 64 巻 5 号 p. 860-863
    発行日: 2016/01/30
    公開日: 2016/03/16
    ジャーナル フリー
     急性冠症候群は致死的疾患の代表的疾患であるが, 救急外来を受診した患者の1~8%は帰宅させられている。その原因の一つとして無痛性心筋梗塞が挙げられるが, 急性冠症候群の25%は胸痛以外が主訴で来院すると言われており, 悪心嘔吐のみの主訴は1%程度である。嘔気嘔吐のみの症状にて内科外来受診し, 前壁中隔心筋梗塞と診断され冠動脈バイパス術の適応となった1例を提示し, 本症例について診断学を中心に文献的考察を含めて検討した。高齢者はリスク要因が少ないからといって急性冠症候群を否定できず, 本症例のように他の随伴症状を認めない場合には鑑別に挙げる必要がある。鑑別に挙げることで致死的疾患である急性冠症候群の見逃しを防ぐことに繋がると考えられる。
  • 秋川 和聖, 越谷 剛, 小梁川 直秀
    2016 年 64 巻 5 号 p. 864-870
    発行日: 2016/01/30
    公開日: 2016/03/16
    ジャーナル フリー
     甲状腺ホルモンの合成, 分泌, 作用に関わる各種遺伝子の胚細胞レベルにおける遺伝子変異により, 甲状腺ホルモン濃度やその働きに様々な異常をきたすことが知られている。本論文ではそれらのうち, 甲状腺刺激ホルモン (TSH) 受容体異常症と甲状腺ホルモン不応症を取り上げ, 前者として, 30歳代女性でTSH受容体遺伝子の機能獲得型変異 (p.Asp617Tyr) が確認され非妊娠時は潜在性甲状腺亢進症の状態であるが妊娠後半に甲状腺中毒症が顕性化した症例, および後者として, 60歳代男性で不適切TSH分泌症候群にバセドウ病を合併し甲状腺ホルモン受容体β遺伝子変異 (Ala234Thr) が確認された症例のそれぞれについて報告する。
看護研究報告
  • 吉田 ミツエ, 青砥 浩子, 西山 幸江
    2016 年 64 巻 5 号 p. 871-876
    発行日: 2016/01/30
    公開日: 2016/03/16
    ジャーナル フリー
     国のモデル事業への応募採択によって, 塙厚生病院が東白川郡医師会との提携で, 平成24年度在宅医療連携拠点事業を推進することになり, その過程において他職種連携に関する研修会, 情報交換会の参加, 地域連携サマリを使っての連携室とのケースカンファレンス・リーダーカンファレンスなど多くの実践経験をした。  その中で, 外来看護師の役割の再確認の重要性を感じ, 関わった外来リーダー看護師6名にインタビューを行なって, 看護役割のカテゴリー化分析を試み, 検討した。  その結果, 在宅療養を支援する外来看護師の役割には,「情報を活用してケアにつなげる」「地域の他職種と連携する」「在宅生活をイメージした関わりをする」などがあげられ, さらに個々の役割の実践には, 外来看護師の教育や地域とのネットワークづくりが必要であることが理解できた。
  • 今枝 加与, 内藤 圭子, 松田 奈美, 長濱 優子, 後藤 淳子, 杉本 なおみ, 長谷川 しとみ
    2016 年 64 巻 5 号 p. 877-881
    発行日: 2016/01/30
    公開日: 2016/03/16
    ジャーナル フリー
     平成21年12月に新たに厚生労働省が策定した「新人看護職員研修ガイドライン」における技術的側面の指導において, e-ラーニングを用いた。技術的側面: 看護技術69項目の到達度を評価し, 今後の基礎看護技術指導の課題を検討した。対象者は, 平成25年4月採用の新人看護職員 (新卒の新採用者) 53名で, ガイドラインで示される到達目標のうち, 特に技術的側面: 看護技術69項目において, 集合研修の前にe-ラーニングを用いて予習, 集合研修でシミュレーションを中心とした学習をした後, 各部署にてOJT・評価を実施した。6月, 9月, 翌年3月に到達度評価の集計とe-ラーニングの活用についてアンケートを行なった。到達度評価については平成24年度の新人看護職と比較・検討した。  新人看護職員研修を終える翌年3月の段階で, 到達の目安Ⅰ: できるおよび, Ⅱ: 指導のもとできると評価した人は, 平成24年度の34.9%から平成25年度は36.5%と増加した。また, 到達の目安Ⅳ: 知識としてわかるは4.5%から23.4%と著しく増加し, 未経験及び未評価の人が29.2%から4.2%と減った。これは, e-ラーニングを活用し主体的に自分のペースで自己学習し基礎看護技術の習得に役立てていたといえる。しかし, e-ラーニングの項目立てが細かく, 実際には100項目以上の評価を行なっていること, また, パソコンの台数が限られていることやアクセスに時間がかかることなどから, 評価に要する時間や手間がかかりすぎるという課題が残された。
短報
  • 若松 真理, 住吉 尚之, 横井 智彦, 千田 美歩, 船橋 真紀, 福山 隆一
    2016 年 64 巻 5 号 p. 882-885
    発行日: 2016/01/30
    公開日: 2016/03/16
    ジャーナル フリー
     一般病院の検査室において実施可能にする事を目的として, 市販のFITC標識されたEBER PNAプローブ (ダコ社) を用いるin situ hybridization法のプロトコールを改変し, 利便性を向上した。改変法の精度確認にPCR法によるEBウイルスゲノムの検出を行なった。また, 3つの型の感染態度を知るためにLatent membrane protein-1の免疫染色も行なった。当院のEBウイルス感染を疑う症例55例, および陰性コントロール8例を対象として, 今回の改変法の有用性を検証したところ, 病理診断を確定するための良好なEBウイルス検出が可能であった。
  • 白石 卓也
    2016 年 64 巻 5 号 p. 886-890
    発行日: 2016/01/30
    公開日: 2016/03/16
    ジャーナル フリー
     脊柱側弯症は, 思春期児童の約1~2%にみられる比較的頻度の高い疾患である。疼痛などの自覚症状を伴うことは少なく, 外見上の背部変形を観察することで発見されるため, 脊柱側弯症学校検診 (以下, 検診) は大きな意味をもっている。側弯症は早い段階から適切な保健指導や治療を始めることが極めて重要であるため, 早期かつ確実に発見するための体制づくりが求められる。しかし, 検診の内容は各自治体間で一定せず, 専門外の内科医や小児科医が内科健診と併せて行なうことが多いのが実情である。近年, 検診に問診票を取り入れる自治体が増えているが, 本研究では平成27年度に当地域で導入した機会を捉えて, 問診票の保護者に及ぼす効果を検討した。検診終了後に問診票導入に関するアンケートを配布・回収することにより集計・解析した。その結果, 問診票の活用は, 注意深く診察しなければならない児童の抽出に有効であるばかりでなく, 保護者に対する側弯症の啓発および学校健診に対する関心の向上につながっていることがわかった。また, 年1回の検診による子供の体型の確認に加え, 問診票の活用により保護者が日頃から子供の体型の変化に気をつけるようになるため, 側弯症の早期発見につながる可能性が示唆された。
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