日本農村医学会雑誌
Online ISSN : 1349-7421
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64 巻 , 6 号
選択された号の論文の21件中1~21を表示しています
第64回日本農村医学会学術総会
学会長講演
特別講演Ⅰ
特別講演Ⅱ
教育講演Ⅰ
教育講演Ⅱ
招待講演
金井賞受賞講演
市民公開講座
シンポジウムⅠ
シンポジウムⅡ
ワークショップⅠ
ワークショップⅡ
ワークショップⅢ
ワークショップⅣ
ワークショップⅤ
原著
  • 池田 聡, 永田 千草, 鈴木 恵子
    2016 年 64 巻 6 号 p. 1028-1034
    発行日: 2016/03/31
    公開日: 2016/05/03
    ジャーナル フリー
     肺癌におけるEpidermal Growth Factor Receptor (EGFR) 遺伝子変異検査は, 分子標的薬の選択のために現在ほとんどの医療機関において検査が行なわれている。当院におけるEGFR遺伝子変異検査の検査実績を集計したところ, 肺生検材料を用いた変異陽性率は手術検体のそれより低かった。この原因として生検等では腫瘍細胞含有率が低く, 偽陰性になっていることが推測され, 同一症例の手術標本と術前生検標本からそれぞれ変異検出を行なうとともに, 生検標本の良性, 悪性細胞の数を数え, 標本中の腫瘍含有率を調べた。その結果, 手術標本変異陽性の6例の生検標本ではそのうちの3例が陰性と判定された。そして, 腫瘍細胞と非腫瘍細胞の数を調べると, 偽陰性となった生検標本ではいずれも腫瘍細胞が5%以下の標本であり, これより腫瘍細胞の含有率が少ない標本では偽陰性化する可能性が考えられた。病理生検標本を用いて遺伝子検査を行なう場合には特に腫瘍細胞含有率には注意を払う必要があると考えられた。
  • 百瀬 義人, 末永 隆次郎
    2016 年 64 巻 6 号 p. 1035-1048
    発行日: 2016/03/31
    公開日: 2016/05/03
    ジャーナル フリー
     高齢農業従事者の安全な作業を確保するため, 農業機械が関わらない転倒・転落による傷害の発生要因の特徴に焦点をあてた。2008年1月から2009年12月までの生命・傷害共済事故状況報告書から補償適用された農作業事故傷害を転記し, 農業機械が関連しない転倒・転落による傷害1,040件について解析した。その結果, 年齢階級別比較による傷害件数の分布は, 男性が75~79歳, 女性は70~74歳でピークを示した。年齢を2群 (65歳以上 vs. 64歳以下) に分けて傷害を比較した結果, 65歳以上の女性高齢者群の「すべって」転倒・転落した負傷部位は「腰/背部」が多く (19.2% vs. 10.7%;p<0.05),「手/手首」が少なかった (6.7% vs. 25.0%;p<0.05)。女性高齢者群の「バランスを失って」転倒・転落した原因物で最も多かったのは「梯子/脚立」だったが, その割合は高齢者群が少なかった (32.3% vs. 50.0%;p<0.05)。他の原因物で多かったのは「傾斜地」(14.7% vs. 11.5%), 少なかったのは「樹木/枝」(7.4% vs. 15.4%) だった。女性高齢者群が「つまずいて」転倒・転落した場所は,「畑/茶畑」が多く (31.0% vs. 15.0%;p<0.01),「納屋/倉庫内」は少なかった (8.5% vs. 30.0%;p<0.01)。高齢農業従事者の傷害件数を男女別に比較した結果, 女性は男性に比べて「骨折」が多いことが, 3つの転倒・転落原因に共通して認められた (すべって:62.5% vs. 35.5%;p<0.01, バランスを失って:61.8% vs. 45.9%;p<0.01, つまずいて:49.3% vs. 34.4%;p<0.05)。これらの結果は, 高齢農業従事者の安全な作業を考慮するための有益な情報と考える。
研究報告
  • 金森 妙子, 古田 悟, 眞田 容子, 八木 翔, 石原 和浩, 高橋 治海, 山田 敦子, 田中 秀典, 山本 悟
    2016 年 64 巻 6 号 p. 1049-1053
    発行日: 2016/03/31
    公開日: 2016/05/03
    ジャーナル フリー
     従来センチネルリンパ節 (SLN) に転移を認めた場合には腋窩リンパ節郭清 (ALND) が施行されてきたが, 近年ALND省略の議論が活発となっている。しかし, どのような症例がALND省略可能か具体的な指標はまだ完全には確立されていない。われわれは転移陽性SLNのOSNA法コピー数の総和 (total tumor load, TTL) に腋窩リンパ節の超音波画像の所見を加えてスコア化し, 非SLNの転移状況との関連を検討した。「TTLが15,000copies/μL以上」, 超音波画像所見における「リンパ節長径/短径比が2以下」,「リンパ門の消失」の3項目でそれぞれ1点を加点し, 合計点を算出した。非SLN転移陽性症例では87.5% (5/6) で2点以上を示したのに対し, 非SLN転移陰性症例で2点以上であったのは3.1% (1/34) であった。CK19mRNAコピー数の総和, 超音波リンパ節の長径/短径比, 超音波リンパ門の有無は非SLN転移を予測する上で重要な要素であると思われ, それをスコア化することにより, ALNDの要否判断や術後療法選択の一助になると期待される。
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