視空間失認を有する脳卒中患者24名を,運動・ADL訓練主体のコントロール群(8名)と空間認知能を刺激する作業療法を行ったOT群(16名)に分け,定量的視空間認知テストにより作業療法の効果を評価した.両群は年齢,発症後経過,傷害半球,入院時認知テスト得点,IQ,運動機能,ADLに関してほぼ同レベルにあったが,退院時の認知テスト得点はコントロール群で不変,OT群で有意に改善され,作業療法の学習転移的効果が推測された.運動機能,ADLの改善度は両群で差がなかったが,それは現在のADLテストが主に運動機能のみを評価しているためと思われた.
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