成人片麻痺の歩行分析を行い,麻痺の程度(Br.stage)と関節角度変化,床反力などの歩容との関連を明らかにした.対象は33名の片麻痺で,装具なしで10m以上の安定した歩行が可能なものを選んだ.stage III8名,IV9名,V8名,VI8名,対照6名であった.約10mの歩行路を自由に歩かせ,4枚の床反力計とX-Y trackerにより歩行分析を行った.
その結果,患肢の麻痺が重度であるほど,(1)スピードが低下し周期が延長する,(2)健肢の立脚期が延長する,(3)患肢の伸展パターンおよび床反力での支持性と推進の力の低下が顕著となる,(4)健肢の代償機能としてのバランス機能の発揮などの所見が認められた.
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