肢体不自由児施設に入園または通園している脳性麻痺児(者)で,11歳以上23歳までの60名についてADLの自立がどこまで到達しているか,その障害度に対応させて検討した.その結果,食事,排泄,更衣動作は,上肢運動年齢が約30ヵ月で自立,入浴動作は約58ヵ月で自立するものが多くみられた.移動動作は,独歩の場合は下肢運動年齢が約20ヵ月,車いすの場合では10ヵ月が自立に必要であった.全例について,新版K式発達検査の認知・適応領域のDQも測定しており,ADLの各動作にわたりDQの値が15以上でないと完全に自立をはかることが困難であった.
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